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罰則なき「採用選考に関する指針」に実効性はあるのか?

今月の13日に、経団連は「採用選考に関する指針」というものを公表した。これは従来の倫理憲章に相当するもので、「正常な学校教育と学習環境の確保」・「採用選考活動早期開始の自粛」などに配慮した採用活動を行うことを企業に求める内容となっている(http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/081.html)。会社説明会などの解禁時期が大学3年生の3月に、選考開始が4年生の8月になったという変更点はあるが、基本的な内容は倫理憲章の時から変わりはない。


ただ、この指針に拘束される対象が拡大したという点で変更があった。倫理憲章の場合はそれに賛同する企業が憲章の内容に従うという形であった(と思われる)が、この度の指針は経団連に加盟する全企業が従うべきルールとされている。この変更に伴いルールに従う企業が増えることで、一層「学生の学業の時間を確保する」という目的の達成につながる・・・と言いたいところだが、どうもそんな展開にはなりそうもない。


日経はこの度の経団連の発表を受けて「就活解禁繰り下げ、違反に罰則なし 経団連が指針 縛り緩く、"抜け駆け"懸念も」と題した記事を掲載し、指針の実効性に疑問を呈している。ここでいう「抜け駆け」とは、例えば4年生の8月に行うべき選考活動を8月以前に行い、良さそうな学生を早期に確保することを意味する。このような行為をしても罰則がないために、指針に従わない企業も出てくることが考えられる。


ネット上の記事には掲載されていなかったが、石渡嶺司さんによると、日系の紙面では次のような調査結果も載っていたという。指針を順守する気がない企業が一定数あることが分かる。また、そもそも「順守する」と回答した企業も本当に順守するかどうかは疑わしい。このブログの「倫理憲章について」というカテゴリで何度も指摘してきたので詳細は割愛するが、これまでも倫理憲章に賛同していた企業が「リクルーター面接」などの手段を使って水面下で憲章を破るということは行われてきた。このことからも、指針に従わずに抜け駆けをする企業が出てくるのを予測することは当然である。


日経によると、指針はルールを守らせる手段を「引き続き検討する」と記すにとどめているとのこと。企業にルールを守らせるためには、ルール違反を抑止するための何かしらの仕組みが必要なのは明らかだと思う。かといって、あまりにも重い罰則を課すのは企業にとって酷すぎる。せめて、ルール違反をした企業名の公表くらいは出来ないだろうかと思うし、それが難しいようであれば、やはり「採用選考に関する指針」の実効性に疑問が残るのは否めない。

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倫理憲章にサインしていながら、大学の試験中に面接・参加しなければ選考に進めない会社説明会を実施している企業を批判すべきだ

倫理憲章をめぐる話というと「12月1日に会社説明会解禁!」だとか「4月1日に選考が解禁!」といった「時期」の話がクローズアップされがちである。しかし当然ながら、倫理憲章の規定はこうした「時期」に関するものだけではない。倫理憲章の本文を見ると、この憲章の一番の趣旨は「大学の学事日程を尊重すること」にあるように思われる(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/015.html)。


実際に、憲章本文の「2.正常な学校教育と学習環境の確保」という項目においては「採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する」という記述が見られる。さらに「3.採用選考活動早期開始の自粛」という項目においても「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため」、「広報活動の実施にあたっては、学事日程に十分配慮する」という記述が見られる。


加えて、なぜかこのブログ以外では殆ど触れられない「採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料」を確認しても、「(1)広報活動とは」の項目に「実施にあたっては、その後の選考活動に影響しない旨を明示するとともに、土日・祝日や平日の夕方開催など、学事日程に十分配慮することが求められる」、「(2)選考活動の開始時期について」の項目には「ただし、WEBテストやテストセンターの受検、エントリーシートの提出など、日程・場所等に関して学生に大幅な裁量が与えられているものについては、学事日程への影響がない場合もあるため、当該活動が早期開始を自粛すべきか否かの検討を行う際には、倫理憲章の趣旨を十分に踏まえた上で、各企業が活動の実態に合わせて適切に判断することが求められる(→これは裏を返せば"学事日程への影響がある"選考活動は慎むべきだと解釈できるだろう)」という記述が見られる。このことからも、「企業が12月1日以前に会社説明会を開いたぞ!」、「4月1日以前に面接をやっているぞ!」という暴露大会にとどまらず、「倫理憲章にサインしている企業の採用活動が大学の学事日程を尊重しているか否か」という観点からの観察が必要だと思われる。


この問題意識からもっとも注目すべきことは「倫理憲章にサインしている企業が、大学の試験中に採用活動を行っているか否か」という点である。勿論倫理憲章上、企業の広報活動は12月1日に解禁されている訳で、大学の試験が行われている1月~2月の初めに会社説明会を開くことは何ら問題ないという意見もあるかもしれない。また、当の就活生自身も企業理解のために出来るだけ多くの企業の説明会に参加したいと考えているはずだ。ただそれを踏まえても、さすがに大学の試験中に「面接、もしくは"参加しなければ選考に進めない会社説明会"」を実施している企業は大学の学事日程を無視しているという意味でも、学生に不利益を蒙らせているという意味でも非常にまずい。一体なぜ倫理憲章にサインしているのだと聞きたくなる。


言うまでもなく「面接、もしくは"参加しなければ選考に進めない会社説明会"」は選考プロセスに乗るためには参加せざるを得ない類のイベントだ。そうしたイベントがテスト期間中に開かれてしまっては、学生はテスト勉強と並行してこうしたイベントに参加せざるを得なくなり、彼ら・彼女らの負担は非常に重くなる。これに対して「学生が勝手に参加しているんだろ」と言う意地悪な人がいるかもしれないが、すぐ上で述べた通り、これらのイベントに参加しなければエントリーができなくなるのだから、学生からしたら多少無理をしてでも参加することが実質的に強制されている。こうした状況は是正されるべきだ。


何かの雑誌で読んだ気がするが、大学の職員も「テスト期間中に説明会を開くのはやめてくれ」と訴えているのを目にした。この問題については、学生ではなく大学の人たちがもっと声を上げるべきだと思っている。当然ながら14卒の学生はまだ「テストと就活の両立」をやったことがないのだからその大変さを知らないわけで、ゆえにその大変さを訴えるはずがない。だからこそ、例年学生を見ている大学の人が率先してこうした問題を可視化するべきだし、それは大学の責任なのではないかと考えている。

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倫理憲章に違反している企業を公表するのはまずいのだろうか

現在の倫理憲章が機能不全に陥っていて、企業が水面下で憲章に反する行動を行っていることは多くの人が知っている。そして、そうした現状を受けて「倫理憲章に罰則規定がないこと」を問題視する声もある。


確かにこうした声は正しい。ただ一方で「"就活の専門家"と言われる人が倫理憲章にサインしていながら、水面下で倫理憲章に反する行動をしている企業名を公表すれば、それが実質的に企業への抑止力になるのではないか」と僕は考える。しかし、残念ながらこうした動きはさほど活発ではなく、それが倫理憲章に関する問題が温存されている原因の一つなのではないかと感じてしまう。


そもそも倫理憲章違反が横行している現状を指摘している識者は常見陽平さんくらいしかいないのではないかと感じていて、その時点で若干頭が痛くなるのだが(笑)、その常見さんの記事を見てみると少々物足りない点がある。例えば「焦る企業続出、倫理憲章ってどうなの?」という記事の冒頭の記述を見てみたい。

昨日聞いた、ひどい話です。倫理憲章にサインしている大企業が、学生に内定を出し、すぐに入社を決意するよう促しました

結構問題がある行動だと思うけれど、記事のその後の記述を見ても、肝心の倫理憲章に違反した企業名は出てこない。また、「正直者がバカを見る――経団連は倫理憲章を廃止せよ」という記事も肝心なところには踏み込んでいないのでは?と思わせる記述がある。

もう既に「内々定」が出ている。倫理憲章にサインしていない外資系企業やベンチャー企業だけではない。私が把握しているだけでも、倫理憲章にサインしている大手生命保険会社、大手鉄鋼メーカー、都内の鉄道インフラ企業は一部の学生に内々定を出している

見ての通り「大手生命保険会社、大手鉄鋼メーカー、都内の鉄道インフラ企業」と、企業名を直接書いてはいない(ちなみに3月23日に書かれた「焦る企業続出、倫理憲章ってどうなの?」という記事には「私は経団連批判、倫理憲章批判をしたいわけではありません。守れない約束なら、見直しをかけるべきではないかと言いたいのです」という記述があるのに、その約1週間後に書かれた記事のタイトルが「正直者がバカを見る――経団連は倫理憲章を廃止せよ」となっているのには笑いました)。


確かに企業名を公表することで、情報を提供した就活生が絞られてしまうという危険性は考えられる。しかし、それは「4月以前に内々定を出そうとしている企業」を取り上げるからそういう危険性が生じるのであって、例えば「2月、3月に面接をやっている企業」の名称を公表するという形の問題提起ならば情報源の就活生が特定される危険性はほぼゼロだろう。情報源は選考に通過している人なのかもしれないし、あるいは面接には行ったけれど選考に落ちた人なのかもしれない訳だが、その点は企業からすれば特定できないだろう。ゆえに、なぜ「倫理憲章にサインしていながら2月、3月に面接をやっている企業」の名称が公表されないのかと感じていて、その点に物足りなさを感じている。


もっとも企業名を指摘した上で問題提起をする記事もある。「倫理憲章の上手なすり抜け方 日本生命のケース」という記事では、タイトルにある通り「日本生命の"採用目的のfacebookページの開設"が倫理憲章上グレーなのではないか」という考察が載っている。また「倫理憲章破り? あの大企業がもう内定出した」という記事では、ソフトバンクが既に大学3年生に内定を出しているケースが指摘されている。ただ、日本生命のケースはそもそも倫理憲章に違反しているかどうかが曖昧だし、またソフトバンクはそもそも倫理憲章にサインしていない。こうした企業名すら公表するくらいなら、より明確な違反である「倫理憲章にサインしていながら、水面下で4月1日以前に選考を行っている企業名」を公表するべきなんじゃないかと思うのだが、一体どうなっているのだろうか。


かく言う僕もこのブログで倫理憲章に違反している企業名を書かないでいて、その理由の一つには間違いなく「自分の覚悟のなさ」が挙げられるのだが、その他にも責任転嫁するようで嫌だが常見さんの記事の書き方を見て「企業名を書いたら何かまずいことがあるのかな?」と感じていることも挙げられる(あと「ライターページ」に関して言えば、読者から投稿されたエピソードが「デマ」である可能性を考慮して、企業名を公表しない方針を採っています)。ただ最近、渡邉正裕さんの次のツイートを見て、企業名を公表することはまずくもなんとも無いんじゃないかと感じるようになった。なかなか過激な発言だけれど、確かに渡邉正裕さんが運営する"my news japan"では例えばユニクロが名指しで批判されている(http://www.mynewsjapan.com/reports/1607)。これに倣えば、確固たる証拠を有している場合であれば、「この会社が倫理憲章に反する行動をしていますよ!」と問題提起することも問題ない気がするのだけれど、どうなのだろうか。なんか、常見さんの記事を読んでいてもただの「暴露大会」をやっているだけのようにしか感じられないし、彼の記事で何かが変わることはありえないと思っている。


最初の段落で「現在の倫理憲章が機能不全に陥っていて、企業が水面下で憲章に反する行動を行っていることは多くの人が知っている」と書いたが、その記述通り、倫理憲章違反が横行していること自体は「就活のプロ(笑)」じゃなくても皆知っている。ゆえに、その違反が横行していること自体を取り上げることには大して価値はなく、「違反をしている企業名」だとか「倫理憲章があることを前提として、それをどのように運用していくべきか」などの視点を盛り込んでこそ初めて価値が出てくると思うのだが、常見さんの記事には「見直しをかけるべきではないか」という誰にでも言えるようなことしか書かれていないので、一体どうなっているんだと思っている。個人的には特に「"倫理憲章違反"の中でも、特に大学や学生に大きな不利益を蒙らせる違反を優先的に批判していくべきだ」という記事で記したように、大学の学事日程中に面接や、参加必須の説明会を開く企業名は特に倫理憲章の趣旨を没却しているとして、その企業名を公開できればなぁと考えているが・・・やって良いものなのだろうか(笑)もしやれれば、それは学生・大学の利益になると思うのだが・・・。 


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まだ12月は来ていないけど、倫理憲章上企業は広報活動をしても問題ないと思われます

少しブログの更新を控えている間にもう10月になってしまった。少し前だったら、まさに今日から就活生も企業もそれぞれ就職活動・採用活動を積極的に行い始めるけれど、現在は倫理憲章上、企業の広報活動開始は12月1日と定められていることは多くの人が知っていると思う。


しかし、倫理憲章の原文を見てみると「インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信以外の広報活動については、卒業・修了学年前年の12月1日以降に開始する」と書かれていることが分かる(http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2011/015.html)。つまり逆に言えば、インターネット等を通じた不特定多数向けの情報発信という形での広報活動ならば企業は行うことが出来、ひいては就活生の企業理解を助けることが出来るのではないか。


また、「採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料」を確認してみても「12月1日より前に行うことができる活動は、HPにおける文字や写真、動画などを活用した情報発信、文書や冊子等の文字情報によるPRなど、不特定多数に向けたものにとどまる」と書かれていることが分かり、倫理憲章が12月以前の企業の広報活動を全面的に規制するものではないことが分かる。勿論規制の対象となる行動もあり、それは「学生の個人情報の取得や、それを活用した活動」である。念のために書いておくと、以上の解釈は僕の自己流ではなく他ならぬ倫理憲章を作成した経団連の見解だ。だから、他の解釈はあり得ない。


ただの建前かもしれないけれど、経団連としては一応企業の広報活動のあるべき姿として「学生が自主的に参加または不参加を決定することができる」という状況があることだと述べている(そして、学生が自主的に参加または不参加を決定できない"参加必須の会社説明会"は倫理憲章上の"選考"にあたり、4月以前に行うことは倫理憲章違反にあたる可能性があると思われます→過去記事「"会社説明会への参加"をエントリーの必須要件とする企業は、就活生を苦しめている~会社説明会の予約で精神的に追い込まれる就活生~」)。だからこそ「学生の個人情報の取得や、それを活用した活動」は禁じられているのだと思う。なぜなら、企業が学生の個人情報を取得することで、学生が「企業に個人情報を取得させれば、企業に"自分はこの会社に入りたいんです。熱意ありますよ!"とアピールできる。あるいは、企業に個人情報を渡した人と比べて選考で不利になることを防げる」などの考えを持ちやすくなると考えられるからだ。こうした状況下では学生は多少無理しても説明会に参加するに決まっており、これでは規制を設けた意味が殆ど無くなる。


そんな訳で、10月1日現在時点で企業は就活生に情報を提供できる可能性が高い。倫理憲章に賛同している企業が参考にすべきは、ライフネット生命の取り組み(http://recruit.netseiho.com/screening/index2.html)。採用ホームページに、自社について取り上げた外部のメディアの記事(例:ダイヤモンドオンラインの記事)を掲載するなど非常に豊富な情報量をもって就活生の企業理解を助けている。このようなPRを12月1日以前に行っても、これはただの「HPにおける文字や写真、動画などを活用した情報発信」なので、倫理憲章上全く問題にならないはずだ。就活生は都合の良い時間・場所でその情報に目を通すことができるので、就活生の学業が阻害されるという事態は起きない。


しかし、もしかすると倫理憲章に賛同している大半の企業は12月1日に採用ホームページをオープンするのかもしれない。別にそれでも良いと思うけれど、それならば後になって就活生に対して「会社の理解が足りない・・・」とか言い出すのは止めるべきだ。この記事で書いてきたように、会社の基礎的な情報は採用ホームページを通じて提供できるはずなのだから、それをしない企業が就活生を責める道理は無い。もっとも「うちは12月1日に採用ホームページをオープンするけれど、企業理解のための期間が短いのは分かっているから、選考では志望動機や企業の理解とかはあまり詳しく聞かないよ」というスタンスの企業は筋が通っているといえる。倫理憲章に賛成している企業がどのような行動をとるのか、時間が許す限り各企業の採用ホームページに目を通して調べてみたい。


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「倫理憲章違反」の中でも、特に大学や学生に大きな不利益を蒙らせる違反を優先的に批判していくべきだ

取り上げるのが少し遅れたが、経団連が、2014年春に卒業する大学3年生向けの会社説明会の解禁を昨年と同様12月1日にすることを17日に公表した。昨年の12月の時点で経団連の米倉会長は倫理憲章について「何年ごとに見直すとか、いまは考えていない」と朝日新聞の取材にて答えていたので、予想通りといえば予想通りである。企業の広報活動の解禁が12月へと先送りになったにも関わらず、選考活動の解禁は4月1日と従来のままのため会社説明会の日程が過密になったりするなどのデメリットが挙げられているが、米倉会長の認識は「(大学3年の就活について)このぐらい忙しくてもよい」というものなので、そんな簡単に何か変わるなんて始めから考えられなかった。


そんな訳で、2014年春の入社を志望する就活生の就活事情を考えるに際しては「倫理憲章の規定は2013年度と変わらない」という前提を足場に据えた上で、「どうしたら就活生の負担を軽減できるだろうか」などの課題を考える必要がある。


この点、自戒を込めて言いたいが、倫理憲章を巡る議論はどうしても「倫理憲章は、実は水面下で破られているんです!」という告発に終始することが多い。そして、その告発の延長線上として「形骸化している倫理憲章は、もう廃止したほうが良い」といった論調が出てくることもある(http://www.s-shiori.com/con3/archives/2012/07/2014.html)。その方向性の議論が誤りとまで言う気はないが、当の倫理憲章にサインしている企業に2014年春に入社を希望する人たちの就活は、その問題のある倫理憲章の内容に少なからず左右されることを避けられない。論者がいくら「倫理憲章を廃止せよ!」と叫んでも、就活を控える人たちはそれに対して「外野は黙ってろ!」としか思えないのではないか。倫理憲章の形骸化を告発するのみではなく、倫理憲章の存在を認めた上で、それとどう付き合っていくかを考えることもそれなりに重要だと思う。


僕の考えでは、経団連が「確かに倫理憲章には拘束力は無いけれど、~な行動は特に慎むべきだ」とのアナウンスを企業に対して行うことが少しは有効だと思う。倫理憲章の完全な遵守を企業に求めることは難しいけれども、大学や学生の利益を考えると、このラインだけは超えないで下さいという境界線を敷くイメージだ。ここでいう「~な行動」の例として思い浮かぶのは、大学の学事日程中に面接や、参加必須の説明会を開くことである。


倫理憲章上の「正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する」、「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため」との表現を目にすると、倫理憲章の役割の一つが、企業の採用活動が大学の学事日程や学生の勉強を侵食しないための歯止めであることが分かる。この点、一言で「倫理憲章に違反している」といっても、その違反が大学や学生の利益を侵害しているケースもあれば、そうでないケースもある。そこで、特に前者のケースが起きないようにするために経団連が特別のアナウンスをすることが必要なのではないかと考えている。


具体例を挙げると、例えば僕は以前、「"会社説明会への参加"をエントリーの必須要件とする企業は、就活生を苦しめている~会社説明会の予約で精神的に追い込まれる就活生~」という記事にて、企業が4月以前に「参加しないとエントリーの資格を得られない会社説明会」を開くことを批判したことがある。どういうことかというと、「採用選考に関する企業の倫理憲章の理解を深めるための参考資料」を読むと、本来4月1日に解禁すべき「実質的な選考活動」には「当該活動に参加しないと選考のための次のステップに進めないもの」が含まれるため、これに照らすと「参加しないとエントリーの資格を得られない会社説明会」を4月1日より前に開催することは倫理憲章に抵触していると批判したのだ。


しかし、仮に企業が2月の中旬とか3月に参加必須の会社説明会を開いたとして、それは大学の学事日程や学生の勉強を侵食していると言えるだろうかとの疑問が浮かんだ。むしろ、大学の講義がない期間に採用活動を行っているということで、大学や学生に配慮していると評価できるのではないか。別に倫理憲章に違反しているという事実自体は変わらないけれど、その違反を原因とする大学や学生の利益の侵害はそれほど大きいとはいえない。それに対して、1月下旬という、普通に考えて大学の試験真っ只中に参加必須の説明会を企業が開いたならば、それは倫理憲章違反であることに加えて、大学の学事日程を無視しているという点で大学・学生に大きな不利益をもたらしていると評価できる。だから、経団連が「大学の試験が行われている時期は参加必須の会社説明会を開くことは特に自粛すべき」とのアナウンスをする必要性はそこそこあるのではないかと思っている。そうすれば、例えば就活生はテスト勉強と並行して、会社説明会の予約のためにパソコンやスマホとにらめっこするなんていう下らない負担を負う必要は無くなる。


企業が倫理憲章を守っていないのは明らかだからその違反を批判しようと思えばいくらでも批判できてしまう。けれど、徒に批判をするのではなく、特に大学や学生に大きな不利益を蒙らせる違反を優先的に批判していくべきだ。それが、就活生の環境の向上に少しはつながるのではないかと思っている。


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