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既卒者カフェさんが「これ以上若者を使い捨てにしないで下さい」という緊急声明文を発表しました

タイトル通り、本日既卒者カフェさんがホームページを通じて、経営者に向けて「若者に関する緊急声明文」を発表しました。この声明文が伝えようとしていることはただ一点、「これ以上若者を使い捨てにしないで欲しい」ということに尽きます。ぜひリンク先に飛び、全文に目を通してみてほしいと思っています。


この声明文が書かれたきっかけは、既卒者カフェとつながりがある男性が自殺未遂を起こしたことです。声明文によれば、この男性は高等教育機関を卒業後、次のような苦しい状況に置かれていたとのことです。

彼は、二ヶ月間研修があると偽りの言葉を掛けられたまま入社した一社目の会社で、いきなりプロジェクトのメンバーになり毎日のように終電まで仕事をしました。当然、残業代は出ません。一週間で同期二人が辞める中、三週目までなんとか踏ん張り退社。


その後再起して就職した会社でもパワーハラスメントや待遇の悪さにより体調を崩し長く通院する事態に。働きながら再度就職活動を行い待遇まで隠すことなく話し合った結果、今度は十月から新しい会社で働くこととなりました。


彼が三つ目の会社で働き始めた頃、私は彼に会いました。その前の二社の状況を聞いていたため、『今度の会社は大丈夫そう』という彼の言葉を聞いて安心していました。


しかし、今日、つい先程です。彼が大量服薬による自殺未遂を起こしたという痛ましい一報が届きました。最悪の事態が避けられたことは不幸中の幸いでした。

僕は自殺未遂を起こした人と直接会ったことはありません。しかし、彼はこのブログにコメントしてくださったことがあり、またtwitterで「(就活・労働問題の)発信の為、自分も記事を書いてみたい」という趣旨のメッセージを頂いたこともありました。


彼自身「ブラック企業」といえるようなところで働いていたからか、「就職先を選り好みするな。甘えるな」という論調に対して、「酷い労働環境の会社で働きたい奴がいるのか?甘えるなとか言う奴はこういう会社行ってみろ」と怒りをあらわにしていたことを今でも覚えています。


僕も過去の記事で「初めから若者を使い捨てることを前提としている会社の求人を含めて"求人はある!"なんて言うべきではない」という記事を書きました。リクルートワークスなどが算出した有効求人倍率を根拠に「中小企業には求人があるじゃないか!」と、安全なところから欠陥ありまくりの主張をしている人に対して怒りを覚えていたからです。この記事の最後では「単純に有効求人倍率の数字を機械的に読み取るだけの議論はあまりにも意味が無いし、もっと労働環境の実態を含めた議論をするべきだと思う」と書きましたが、今回の件でこの意識はさらに高まりました。


他にも、千葉で開かれた既卒者カフェには、ハローワークの求人で医療事務に内定したけれども、残業200時間で当然のように残業代が出ない環境などに嫌気がさして辞めた人が参加しています(http://ameblo.jp/laugh11/entry-11357945725.html)。このように、既卒者カフェは就職先が決まらずに悩んでいる人だけでなく、一度は就職したけれども労働環境の酷さから会社を辞めた人が参加する場ともなっているのです。今後の開催予定はわかりませんが、同じような境遇の人は一度参加してみると良いかもしれません。


この記事を読み、既卒者カフェの声明文の存在を知る人が増えれば嬉しく思います。また、すぐ下に既卒者カフェの声明文に関するツイートを載せますので、もし問題意識を抱いた方がいればリツイートをしてくだされば幸いです。そして何より、自殺未遂にまで追い込まれてしまった彼の回復を望みたいと思います。
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<就トモcafe取材 後編>「就活生の悩みを受け止める場」、「就活生間の交流、就活生―社会人間の交流を促進する場」としての「就トモcafe」

先週の木曜に訪れた「就トモcafe」取材の後編です。前編では、就トモcafeは誕生してからまだ日が浅いため現在は発展途上の段階であること、そして「就トモcafe」という場を進化させられるのは「就活生の~なニーズを満たすサービスがあれば良いのになぁ」という問題意識を抱く人たちであることを述べた。しかし誤解しないで欲しいが、発展途上の現段階においても、就トモcafeを訪れることで利用者は様々な恩恵を受けることが出来る。


細かいことを言えば「"絶対内定シリーズ"や"ロジカル面接術"など、就活に役立つ書籍が充実している」、「ビジネス雑誌も多数ある」、「カフェ内に自販機あり」、「電源がたくさんあり、パソコンを利用しやすい」、「ふかふかなリクライニングチェアがあり、体を休められる(実際使ってみたけれど、危うく眠りそうだった笑)」、「電子レンジもあり、ご飯を温められる」・・・など様々な利点を挙げられるのだが、これらについて全て述べていくといつまで経っても記事を書き終えられないので、この記事では就トモcafeの「就活生の悩みを受け止める場」、「就活生間の交流、就活生―社会人間の交流を促進する場」としての意義にフォーカスし、それらについて述べていく。


まずは、「就活生の悩みを受け止める場」という側面について。このような特徴が最も現れているイベントが、就トモcafe主催のキャリアカウンセリングである。facebookページによれば、これは「就活の悩み、キャリアの悩み、将来の悩み、他の人には相談しづらいちょっとした悩み、何でも気軽に就トモCafe専属アドバイザーに相談できる」カウンセリングだ。 今月は4日に「夏のゆるっとカウンセリング」、11日に「秋の訪れ。爽やかカウンセリング」が開かれていて、就活生は原則予約をとった上で45分から60分間、店長の篠原さんやサポーターの斉藤寛子さんという方からアドバイスなどを頂ける。


もっとも、このような特別なイベントが無くても、ふと就トモcafeを訪れてスタッフの人に相談に乗ってもらうことは可能だ。実際に僕がカフェを訪れた際にも、スーツケースを持った男性の就活生がカフェに来て「インターン先で、"○○店の売り上げを上げるにはどうしたらいいですか?"という課題が出たのですが、どうすれば良いでしょう?」と篠原さんらにアドバイスを求めに来ていた。前編にも登場した中郷さんによると、この就活生は関西から東京にきてインターンに参加しているそうで、就トモcafeでスーツに着替えたり、店長からネクタイを借りたりして、すっかり就トモcafeを有効活用している。このように、関東圏外から来た就活生でも気軽にカフェを訪れ、そこで悩んでいることや気になることを吐き出し、アドバイスをスタッフの人から受け取ることが可能で、ゆえに就トモcafeが「就活生の悩みを受け止める場」としての役割を担っていると評することが出来る。本当はキャリアカウンセリングの様子も紹介した上でこうした結論を紹介したかったのだが・・・。その代わりに、カフェを訪れた人が書く「きたよ!ノート」に「就トモcafeがきっかけで、今日初めて就活を本気でやろうと思えました」というメッセージが書かれていたことを伝えたい。



そして次に、「就活生間の交流、就活生―社会人間の交流を促進する場」としての意義について。この意義が最大限に発揮されている場面は、やはり就活生・社会人双方が参加するイベントだ。一言でイベントといっても、今月の終わりに開催される「Barista Bar @就トモCafe」のように皆で楽しく交流するタイプのものや、あるいは例えば「"世界で働く"って選択肢を考えてみよう」というイベントのように、アジア各地で転職活動をした方が自身の経験をもとに「海外で働く」という選択肢を就活生に伝えるという、テーマをきちんと据えた上でそのテーマについて参加者が理解を深めていくタイプのものもある。どちらのタイプのイベントに参加するにしても、他の就活生・社会人と新たな交流を築けるチャンスが眠っているのは間違いない。



また、これらイベントが就活生間の交流、就活生―社会人間の交流を直接的に促進しているのに対して、間接的に促進させるアイテムもある。それは、カフェの入り口からすぐのところに置かれている「きたよ!ノート」というものだ。上で述べたように、このノートにはカフェ利用者のメッセージが残されている。そのメッセージは「就活がんばる!」という意気込み系のものや「どこか雇ってください」という少し悲壮感を感じるものから、飲み会の告知などもある。


ノートをぱらぱらと眺めていたところ、全ての人ではないが、メッセージと合わせて自身のツイッターアカウントを記している人が多かったことに気づいた。そこで「私も就トモcafeに行きました!よろしくお願いします」などのリプライを飛ばした上でそのアカウントをフォローすれば、ゆるいつながりかもしれないけれど一応は関係が構築される。人と人のコミュニケーションを円滑にするために「共通体験」は非常に重要な役割を果たす。単に同じ「就活生」というだけでは声をかけにくいかもしれないが、「就トモcafeに行った」という共通体験があることで、その体験についてツイッター上で話すこともできるようになるだろう。このような意味で、「きたよ!ノート」は就活生間の交流の促進を間接的に支援し得るアイテムだと僕は捉えている。勿論、イベントやこのノートを活用するだけでなく、実際にカフェにて見知らぬ人に話しかけるのが、人脈を広げたい人にとっては一番有益なのかもしれない。


なお誤解しないで欲しいが、カフェを訪れたからといって他の利用者とコミュニケーションが強制されることは無い。僕が訪れたときにも一人でパソコンに向き合っている人や、リクライニングチェアで仮眠をとっている人もいた。かくいう僕も、基本的には一人でカフェ内をうろうろしていた(笑)別に一人で時間を過ごしていても周囲から浮くことはないので、人見知りの人でも気軽にカフェを訪ねると良いと思う。


以上、就トモcafeの意義の一部を述べた。記事を書き終えて個人的には収穫と共に気になる点が2つ生まれた。一つは、就トモcafe主催のキャリアカウンセリングにおいて、就活生がどのような悩みを抱え、カフェのスタッフがそれに対してどのように応えているのかということ。もう一つは、利用者の「もっとカフェで~なことが出来たら良い」というニーズがあるのか否か、もしあるとすればそのニーズの中身は何なのかということ。時間が合うときにまたカフェを訪れ、これらの点について調べ、その結果を記事の形にまとめられたら嬉しいと思う。


就トモcafeには、「就活生の悩みを受け止める場」、「就活生間の交流、就活生―社会人間の交流を促進する場」という意義があるという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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<就トモcafe取材 前編>バリスタたちによる「就トモcafe」カスタマイズの可能性

一昨日新宿で、【既卒者カフェ×若者就職支援協会】 ~やりたいことの方法論~が開催され、僕もプログラムの一部に参加させていただいた。いつもだったら、これまで既卒者カフェの集まりを取材した記事のように会の中身について触れていくところだが、僕にとって重要だったのがこのイベントが開かれた場所。


それは、「就トモcafe」というところだ。3時間100円で利用できる就活生向けのシェアスペースで、NHKのハートネットTVにも取り上げられている。番組では、店長(?)の篠原さんが演劇関係を志望する女子学生の話を聴きアドバイスをしていたそうだ(http://togetter.com/li/341271)。「これは悩みを抱える就活生の助けになる組織だな」と僕は感じて、ゆえにいつか行ってみたいなと思っていた。


というのも、最近の「しゃちこ」さんの記事に限らず、これまで「就職課の対応がおかしい」というコメントをブログに多数頂いたことから、本来就活生をサポートすべき組織が機能不全に陥っているのではないかという問題意識を抱いていた。そして問題の所在を明らかにしそれを批判するのも大事だけれども、それ以上に就活生をケアするための具体的な活動に力を注いでいるアクターを紹介し、その存在を伝えることが必要なのではないかと思うようになった。そこで、イベント主催の山口さんの許可を頂いた上で、今回は既卒者カフェのイベントよりも就トモcafeの実態把握に努めたというわけだ。既卒者カフェのイベントも盛り上がったみたいでどんな内容だったのかは気になるけれど、多分山口さんがその内容を彼のブログに書いてくれると思うので(http://ameblo.jp/laugh11/)、気になる人はそちらを見て欲しい。


今回の取材記事は前編・後編の2本立てで書く。前編では就トモcafeの「バリスタ」の存在に触れながら就トモcafe発展の可能性について書き、後編では就トモcafeを通じて来訪者が受けられるケアについて書いていく。「就トモcafe」の雰囲気、店長・篠原さんの考えに関しては、「社会人も利用可の新しい就活生向けシェアスペース「就トモCafe」に行ってきた」という記事や、「就トモcafe」のfacebookページが写真付きで詳しく伝えているので、そちらに譲りたい。


では、やっと本題に入ります。「就トモcafe」のバリスタとは「インターン」のことだ。「社会人も利用可の新しい就活生向けシェアスペース"就トモCafe"に行ってきた」という記事には、「就トモカフェは一人で運営」、「実質一人(篠原さんのこと)ですべて切り回している」と書かれているが、現在は主に大学4年生の人たちがバリスタとしてカフェの運営に携わっている。


カフェに入って左手の奥に、バリスタたちのプロフィールが顔写真付きで掲載された紙が壁に貼られている。プロフィールには出身大学・学年などの基礎情報から、「2013年4月から○○業界で働きます」、「インターン経験は30社以上あります」、「就活やり直し経験があります」など詳細な情報が載っていて、やろうと思えば自分のニーズに合うバリスタを見つけてその人に相談に乗ってもらうということも可能だ。ちなみに写真を見る限り、ここのバリスタは「イケメンの男性」が非常に多いので、特に女の子にとっては都合が良いかもしれない(笑)逆に女性の数は少ないので、男・・・はどうでも良いとして、女性ならではの相談をしたい女の子にとっては少し都合が悪いかもしれない(訂正:あるスタッフの方から、「バリスタの中にも女性がいますし、運営スタッフは女性が多いです。(専属キャリアカウンセラーはすべて女性です)女性が来れるスペースを目指しています」とのご指摘を頂きましたので、ここで補足させていただきます。確かにfacebookの写真を見ると女性も多く写っていたので少し自分でも違和感があったのですが、これでスッキリしました!この度は誤解を招く表現を記してしまい大変失礼しました&記事を読んでくださり有難うございました!) 。


バリスタの一人に中郷さんという方がいて、僕はその方に就トモcafeの様子を色々聞かせてもらったのだが(有難うございます!)、彼によるとインターンが増えたのは割と最近だということだった。そしてインターンの数が増えたことで「こんなイベントをやっていこう」という企画の提案が活発化しているらしい。例えば「就トモCafe」は21:00で閉まるのだが、今月の28日に閉店後にバーを開いて普段語れない話を語ろうという企画があることを中郷さんは話してくださった。このカフェには就活生だけでなく、社会人もふらっと訪れることもあるらしいので(運悪く、僕の滞在中には来なかった)、恐らく就活生―社会人の間での交流も出来るのかもしれない。


この企画そのものも素晴らしいけれど、僕は純粋に「就トモCafe」という場をカスタマイズできる可能性が開かれていることに魅力を感じた。僕が一人でメモ帳とにらめっこしている時も、中郷さん含めバリスタの方々が室内の装飾について話していたし、また、就トモCafeのfacebookを見ると就トモCafeが土曜日営業できるようになった背景にはバリスタたちの力が大きかったと書かれている。会話の中で中郷さんは何回か「(このカフェは)まだ出来たばかりなんで」と言っていて、実際このカフェは5月7日に出来たので、まだ誕生から4ヶ月ちょっとしか経っていない。だから、もしかすると「このカフェには、至らないところがいくつもある」と感じる来訪者もいるのかもしれないけれど(まぁ、3時間100円で滞在できるんだから、もしそういう人がいたら「贅沢言うな」と僕は思う)、逆に言えばこれは今後カフェのキャパシティを大きく伸ばしていける余地があることの証でもある。


つまり、店長の篠原さんの許可があることは前提だろうけど、「就活生は~なニーズを抱えているのだから、~な取り組みをするべきだ」というアイディアを具現化する可能性が開かれているのだ。だから、「もっと、こんなケアをしてくれる場所があれば良いのに」という思いを抱える就活生がもし居るとすれば、自分こそがそのニーズに応える場を「就トモCafe」を活用しながら生み出し、且つ自分も自らのニーズを満たす・・・という流れを生み出すことも意識次第で可能といえる。


その具体例として、中郷さんの存在も挙げられると思う。というのも、中郷さんは今年3月に大学を卒業した「既卒者」のスタッフ。一般的に「既卒者」というと「時代が悪いから、就活に苦労することになった気の毒な人たち」というレッテルが無批判に貼られ、ゆえに「保護すべき客体」とみなされがちだが、中郷さんは「自分のような人がいることで、色々な価値観があることを理解してもらえれば」との思いをもち就トモcafeのスタッフとして働き、むしろ就活生をケアする主体となっている。そして中郷さんの取り組みによって学生・社会人問わず「大学卒業後すぐ会社に入らないで、こういうスタッフをやってみることもアリだな」という価値観が根付けば、それは結果として中郷さんの利益にもなるわけだ。


特に就活に関わる取り組みは、まさに就活で辛酸を舐めた既卒者の力が活かされやすいと思うので、就トモCafeが問題意識を持つ既卒者の力を活用して、可能ならば学生だけでなく既卒者のフォローという役割を担う場として機能すれば良いなと思った。もっとも、勿論一つの組織がありとあらゆる就活生のフォローを出来る訳がないので、就トモCafeによる支援の対象が学生に偏ったとしてもそれは問題ないと思う。その場合は、既卒者カフェなどの別の組織がその穴を埋めれば良いだけの話なので。


この記事では、「就トモCafeは出来てから日が浅いので、まだまだ発展途上であるということ(そして、それはスタッフ自身が自覚していること)」、「発展途上の段階だからこそ、"こんなイベントが行われると良い"という、就活生のニーズに応えるアイディアを若者の手で具現化できる可能性があること」を記した。後編では、現在就トモcafeを訪れることで受けられる恩恵について「就活生間の交流」「就活生―社会人間の交流」という観点から記していきたい。

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「既卒者カフェは"傷の舐めあい"ではないか」という批判が非常に稚拙だといえる理由

最近podcastで「未来授業」という番組を聴いている。番組の公式ホームページによると、この番組は「日本が世界に誇る各界の"知の巨人""次世代の知のフロントランナー"を講師に迎え、未来の日本人たちへ送るアカデミックな授業」とのこと。「日本が世界に誇る」という記述は少々オーバーじゃないか?という気がしつつも(笑)、確かに各界の論客たちがそれぞれの専門分野について話をする時間は濃密なものだ。


この記事で取り上げたいのは、荻上チキさんの講義。荻上さんは東日本大震災を大きなテーマに据え、その上で具体的に「東日本大震災でソーシャルネットワークがが果たした役割」、「今後の災害に備える"支援訓練"」などのトピックについてお話をされていた。その中で僕の興味を惹いたのは「人と人をつなぐメディア」というトピック。これは、大震災後の日常において「コミュニティ」の存在が無いと被災者の方々が日々磨耗してしまうため、いかにして被災者間のコミュニケーションを促進する居場所を生み出すか、ということを語った講義だ。荻上さんの講義を一部文字起こししたい。

日常生活においてコミュニティの存在が無いと日々磨耗してしまうという状態が続いてしまうので、いかに被災した人たちの"居場所"をつくるのかが非常に重要な問題だったりするわけですね。例えば僕が取材したケースですと、仮設住宅の住民たち同士のコミュニティをいかに作るのか。また、仮設住宅が作られている地域の住民と仮設住宅の住民とのコミュニケーションの場をいかに作るのかが非常に大きな課題になっているわけですね。そういったものを解決するためにどのような試みが行われていたのかといえば、例えば一つはお祭りをする。下らないことでいいんですよ。(中略)ギター弾ける人がギターを弾いたり、カラオケ大会を2時間やってみたり、あるいは出し物をやってみたり、ダーツ大会とかビンゴ大会とかをやってみたり、それをやりながらお酒を飲んだりお話をすることによって交流をすることで居場所を作ったりするわけですね。そういうことをすることによって不安感を共有したり、「~でこうなったらしい」という情報を共有したりとか。また、どの避難所でも仮設住宅でも目立っていたのは、ベンチなどを置くことによって避難生活をしている者同士が日常的にお茶を飲みながら会話を出来るという場所というのがあちこちにあってですね。そうしたところで日常的に情報を交換しながら、避難生活をしているというストレスを少しでも軽減するという役割をそうした場所が担っているというのはありましたね。

見ての通り、「被災者の"居場所"」を作ることの必要性・効用について荻上さんは語っていた。そして僕はこの講義を聞いた時、まさに既卒者カフェの存在を思い浮かべた。既卒者カフェが誕生した背景には、発案者の山口さんがtwitterで「親からの就職のプレッシャーが凄い。」、「友人たちは皆働いていて疎外感を感じる。」、「アルバイト先でも話が合わずに孤立しがちだ」と嘆く既卒者の声を目にしたことにある(http://ameblo.jp/laugh11/entry-11336204211.html)。そして、「既卒者カフェ」という居場所を作ることで、主に既卒で就活をする人たちがそのコミュニティに集い各々の不安感や就活に関する情報を共有する場として機能していることは、僕自身一度会に参加させていただいたので自信をもって言える。また、山口さんも参加者の方から「同じ境遇の人がいて安心した」という言葉を多く頂いているそうだ。既卒者カフェという「居場所」を創出することで既卒者のストレスの軽減につながっているという効果を発揮したという点において、荻上さんが語っていた「被災者の居場所作り」のエピソードと重なるところがあると言えないだろうか。


しかし一方で、既卒者カフェに対する批判的な声もある。次のツイートを見て欲しい。
ここでいう「土曜日のイベント」は当然既卒者カフェのことだ。これは僕のイメージだが、既卒者カフェが就職が出来ない人たちの慰めあいの場として捉えられていることが伺えるツイートである。


また、山口さん自身も既卒者カフェの活動に対して「安心感を得られるのはわかる。でも、働かないと結局意味ないでしょ?」という批判を受けている(http://ameblo.jp/laugh11/entry-11336204211.html)。これも多分、既卒者カフェを傷の舐めあいの場として捉え、ゆえに「同じ既卒者同士で集まって、そろって現実逃避してるんでしょ?」というようなことを思った上で発せられた発言だと思う。どうも「傷の舐めあい」と表すると、「不安感の共有」という表現に比べてネガティブなイメージが強く、あまり良い気持ちはしない。


個人的な意見を述べれば、これらの批判は「居場所」が出来ることの効用を無視している、あるいはその効用を単に「参加者が安心感を得られる」ことに限定していることから、非常に稚拙なものと評価せざるを得ない。前者のスタンス(「居場所」が出来ることの効用を無視している)は完全に論外として、後者のスタンスに対しては「情報の共有という効能もある」ということ、そして「参加者が安心感を得られることの効果を、もう少し掘り下げて考えたほうが良い」と述べたい。


上で紹介した山口さんが目にした既卒者のツイートを改めて見ると、既卒者が親からのプレッシャーや疎外感に苛まれていることが分かる。そんな状況下では当然表情も暗くなるだろうし、あるいは日常的な会話数も減るため、どんどんコミュニケーション能力は落ちていく。これでは面接の通過可能性は落ちる一方のはずで、既卒者のストレスがさらに増していくことは容易に考えられる。しかし、既卒者カフェはこのような負のスパイラルに歯止めをかける場として機能するのではないか。既卒者カフェはさすがに親からのプレッシャーは除去できないけれど既卒者の疎外感は解消できるし、また自分の悩みを吐露することも出来、これがストレスの軽減につながると考えられるからだ。加えて、単純に参加者間で普通の会話を笑いあってすることで、いざ面接を受けたときに「そもそもしばらく人と話していないし、面接官とちゃんとコミュニケーションをとれるだろうか」という不安を抱くことを防止できるという効能も見込まれる。


また、既卒者カフェに参加することで「自分を受け入れてくれる人は誰かしらいる」という自信を形成できることも既卒者カフェの意義の一つだと思う。現在の就活は良くも悪くもスキル重視ではなく人間性重視。ゆえに、選考に落ちるたびに「自分という人間は、そもそも社会に必要とされていないのではないか」という気持ちを味わうことになる。そして、この気持ちは落ちる会社数が増えれば増えるほど強くなる。確か心理学でも「思い込み」がパフォーマンスを左右すると証明されていたような気がするので、このようなネガティブな気持ちに囚われている人が面接官から「一緒に働きたい」と思われるかというと、それは難しい。この点、既卒者カフェという居場所があることで「自分を受け入れてくれる人は誰かしらいる」という自信を回復するチャンスを手に入れることが出来、それが結果として面接でのパフォーマンスの向上につながる。少なくとも、一人で塞ぎこんでいる状況と比べれば、明らかにパフォーマンスは向上する。


これらのような効能があるのに、既卒者カフェを「傷の舐めあい」と表して批判することは非常に安易だと思う。まぁ、どんな活動をしていようが何かしらの批判を受けることはもう仕方が無いことなので、いっその事下らない批判には耳を貸さないというアプローチを採っても良いだろう。僕は既卒者カフェは就活生をケアするアクターとして小さくない意義があると思うし、だからこそブログでも取り上げているわけだ。実はこのブログで既卒者カフェを知ったという人も知っているので(笑)、今後も既卒者カフェの動向を可視化して、多くの方に会の存在を認知してもらえるよう力を注いでいきたいと思っている。

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<キャリアカウンセラー「ぐる」さん取材 本編>~精神的に疲弊した就活生に対するカウンセリング~

ここ最近は、就活生とその親の関係、並びに親に現在の就活事情を理解してもらうために有効と思われるテキスト(「軋む社会」のこと)の紹介をしてきた。就職を決めるに当たって親子間の不毛な言い争いは無いにこしたことはないけれど、そうは言っても「俺が学生のときは、誰も就職なんか困ってなかった!今だってそうだろう!」と頑なに考えを変えない親もいるかもしれない。そのような場合は、無理に親とコミュニケーションを取ろうとするよりも、親とは別に就活の悩みを相談できる人を見つけるのが望ましい。


この記事では、「書きます」と言ってからだいぶ時が経ってしまったが、14日に開かれた既卒者カフェにて話を聞いたキャリアカウンセラー「ぐる」さんの取材報告を書きたい(ちなみに、予告編はhttp://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-288.html)。以前書いた予告編にて、取材の目的が①「就職担当者の質の高さ、就職課の質の高さ」という言葉における「質の高さ」とは、具体的にどのような言葉に置き換えられるのか②精神的に疲弊した就活生をどうカウンセリングしているのかを確認することであると記したので、この記事ではこの2点について触れていく(念のため断っておくと、今回「ぐる」さんは自分がカウンセリングをした学生のことを話してくださったが、その学生の個人情報などは断じて漏らしていないということを補足しておきたい)。


先に②から触れるが、「ぐる」さんは、いつも泣いていて話が出来ない状態の女子学生をカウンセリングした時の話を聞かせてくださった。最初は男性スタッフが話を聞いていたのだが、「同じ女性が対応した方が良いだろう」との考えから「ぐる」さんがカウンセリングを担当することとなった。この女子学生は自分の話が他人に漏れるのを嫌がったため、別の学生の話がブース越しに聞こえてしまうキャリアセンターではなく、密室にて1対1の面談をしたと「ぐる」さんは語ってくださった。


女子学生の様子を見る限り、とてもじゃないが就活の話が出来るような状態ではないと「ぐる」さんは感じ取った。だからこそ、最初は「もう良い相手見つけて結婚するのはどう?」というように「婚活」の話をするなど、女子学生に無理に就職のことを考えさせようとはしなかった。誤解しないで頂きたいのだが、これは「あなたに就職は無理だから、家庭に入りなさい」という意思表示ではなく、フランクな会話をして女子学生の心を開くことを目的としたコミュニケーションである。「ぐる」さんはこの時のことを「最初は就活カウンセリングじゃなかったから(笑)」と振り返っていた。僕がコメント欄で目にしていた就職課のエピソードからは、就職課が「1日でも早く就職先を決めさせること」に価値を置きすぎ就活生の気持ちは二の次という印象を感じ取っていたが、「ぐる」さんはそこに価値を置かなかった。「ぐる」さんは会の始めの自己紹介時に「内定がゴールではなく、それぞれに合ったアドバイスをしたい」と仰っていたので、その考えに従って、一見遠回りのように思えるコミュニケーションのとっていったのだろう。


しばらくカウンセリングを続けた後、女子学生から「就職して自立したい」という言葉が出る。この女子学生は決して就労意欲を失っているわけではなかった。ただ、この女子学生はとても真面目な性格をしているがゆえに、自分で自分を追い込んでしまい。パニック状態になってしまっていたのだ。この段階に至ってからはじめて、「ぐる」さんは「次のカウンセリングまでに~なことをしてきてみて」と小さな課題を女子学生に与えるようになる。今も就職が決まっているわけではないが、その女子学生は活力を取り戻し、大学内で自分のやりたいことに打ち込んでいる(あんまり具体的に書くと女子学生の情報を無駄に公開することになるので、そこは自制して抽象的な表現に留めます)。


このエピソードを聞いて、僕の「僕が思うキャリアセンターの仕事は、各就活生の考えや精神状態を考慮した上で、その就活生のニーズに応えるアドバイスを提供することだ」という仮説は正しかったのかなと思えた。頭ごなしに「あなたはここがダメだから、早くその欠点を直しなさい!」と指摘されても、相談に来た就活生からすれば「会ったばかりのくせに、何を分かって様なことを言っているんだ」と思いかねない。同じアドバイスをするにしても、言葉の選び方、アドバイスをするタイミングによって、その効果は変わってくる。


例えば「ぐる」さんは他にも、見るからにコミュニケーションが苦手な男子学生のことも話してくださった。「ぐる」さん曰く、このように言っては申し訳ないが、メガネが極端にずり下がっている外見や、彼の表情などを見ると、この男子学生に対して良い第一印象を持てなかったとの事。この男子学生は最初に面談したカウンセラーと相性が合わず、学生側の希望でカウンセラーが交代となり、「ぐる」さんがカウンセリングを担当することとなった。「ぐる」さんは彼に対して容姿に気を使うことを指摘したいわけだが、いきなりその話に入るのではなく、まずはマンガの話などフランクな話題でコミュニケーションを取っていたそうだ。そして打ち解けてから、肝心の本題に触れると。このタイミングなら男子学生も「この人のアドバイスを受け入れるか」という心構えは出来ている。約1ヵ月半のカウンセリングを経て、最終的にその学生は進学という道を選んだが、彼の表情は明るくなっていたそうだ。


以上より、②については、当初の僕の仮説で概ね当たっていたといえる。①の疑問に対する答えも僕の仮説で大体説明はつくと思う。ただ、最近「しゃちこ」さんという方が「面談カードの中で、"就活課にどんなサポートをしてほしいか書いてください"という設問に対する解答欄が小さい。もっと、"体調や精神面、金銭面で不安はあるか"、"親との関係はどうか"、"就活をやって働くことについてどう考えたか"、"既卒就活を考えているか"などヒヤリングすべきことがあるのではないか」というコメントをくださり、就職課のやっつけ仕事っぷりを批判していたのだが(詳しくは→http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-266.html)、このような批判を見ると、就職課は就活生のニーズを察知しようとする意識が希薄なのではないかと感じさせられる。


他にも、①に関してはいくつか付け加えるべき要素があるように思う。第一に、「カウンセラーの多様性を担保する」ということ。簡単に言えば、10人職員がいるとすればその10人全員が男という状態よりも、何人か女性が含まれている状態の方が望ましいということだ。というのも、「ぐる」さんが担当した女子学生は、多分男性スタッフによるカウンセリングでは上手くいかなかった可能性が高いと思われるからだ。また、今回僕は「ぐる」さんを好意的に紹介しているけれど、もしかすると「ぐる」さんとどうしても人間的に合わないと感じる就活生も中にはいるかもしれない。これは「ぐる」さんの問題ではなく、人にはそれぞれ相性があるので、そこは対処のしようがない問題だと思う。当然学内にいるカウンセラーは「ぐる」さんだけではないので(あ、でも「ぐる」さんももう大学内でのカウンセリングはしてないんだっけ・・・)、そこはまた別の人が担当を請け負えばよい。、


第二に、女子学生が懸念した「自分の相談が、隣のブースで相談している人に聞こえる」ことを嫌がる人は他にもいるのではないかということ。これは少々要求しすぎな感もあるが、可能ならば個室でカウンセラーと就活生が1対1で話せる環境があれば、それはあるに越したことは無いと思う。早いもので、あと3ヶ月ちょっとで現大学3年生の多くが就活に取り組み始めるはずだが、その時期になっても内定が決まっていない4年生らはキャリアセンターに相談に行きにくくなるかもしれない。これから就活を始める3年生の横で「自分はどうしたら良いんでしょうか」という相談に行くのは心理的に難しいだろう。もっとも、カウンセリングをするための個室が仮に用意できたとして、3年生・4年生双方がキャリアセンターを積極的に利用し始めたら、今度は職員のマンパワーが足りなくなるような気もする・・・。「ぐる」さんの話を聞き、就職課によるカウンセリングの可能性を感じさせられる一方で、課題も山積みなのではないかという問題意識も強まった。まずは、過去のコメント欄などを見直して、「就活生が就職課に求めること」を体系化していくことから始めていきたい。

キャリアカウンセラー「ぐる」さんの取材報告から、就職課の可能性と課題を感じることが出来たと思ってくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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