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人事が就活生にfacebookの友達申請をすることがあるだって?

30日の朝日新聞の記事「シューカツ、人事担当者から"友達"申請 FBで情報戦」という記事が息が詰まる内容だった。内容はタイトルの通りで、今年就活をした人がIT企業の人事担当者からFBの「友達」申請が届いたということがあったとのこと。その就活生は承認を迷ったらしいが、その企業を受けるにあたって不利にならないように、結果として承認したらしい。


この朝日新聞の記事には、他にも集団面接で面接官から「あなたのFBページ、見ましたよ」、「一昨日は飲み会に行ったんだね」と言われたケースが載っている。つまり、就活生のプライベートが面接官に筒抜けになっているということ。就活生は心理的なプレッシャーに悩まされたと思う。


去年の11月に掲載された「週プレNEWS」の「人事部は就活生たちのFacebookのココを見ている」によると、人事が就活生のfacebookを確認する理由として、やはり「面接じゃわからない就活生の素の様子を知る」ことが挙げられている。具体的には、友達の数・あるいは友達の質(他大学や社会人、外国人など多様な人とつながりがあるかが大事)を確認するとのこと。そこまで確認するなら、もう面接なんかやらなくていいんじゃないか。


ここで朝日新聞の記事に戻ると、「就活生の素の様子を知りたい」と考える人事の目論見を裏切る取り組みがなされていることに気づく。どういうことかというと、記事に載っている写真が「フェイスブックの活用法を伝授する就活講座」の様子を写したものだからだ。つまり、就活生も無防備に素の自分を見せる気は無くて、企業から見て印象が良いように準備しているということ。この就活講座の内容は知らないが、去年の4月にNHKの「おはよう日本」で取り上げられた「企業から好印象を持たれる為のfacebook就活対策セミナー(http://matome.naver.jp/odai/2133479644087065801)」によると、企業から好印象を持たれる為のコツとして「プロフィールアイコンは笑顔でアップの写真を使う」、「友達は50人以上フォローする」、「週に2回以上前向きな書き込みをする」というものが挙げられているので、一部の就活生はそのアドバイスに従った形で自身のfacebookページを編集しているものと思われる。 


僕が思いつかないだけで、もしかするとやり方次第ではfacebookを活用することで、企業・就活生双方が得をする形ができるのかもしれない。しかし現時点の僕の考えでは、ここまで書いてきた内容を踏まえると、次の2点の理由から人事担当者が就活生にfacebookの友達申請をしたり、面接でfacebookの書き込みについて触れることは妥当ではないと思っている。


第一に、そもそも人事が就活生のfacebookを見ることの趣旨は就活生の素の様子を知ることにあったはずだが、「フェイスブックの活用法を伝授する就活講座」というものがある以上、当初の目的をもはや達成できるわけがないと考えることが挙げられる。むしろ人事・面接官が丁寧に作られた就活生のfacebookページの内容に先入観を持って、面接できちんと人物を評価出来なくなるという弊害が考えられる。「面接ではおとなしいけど、facebookでは友達に囲まれてたし、本来は明るい人のはずだろう」・・・というように。これでは企業にとって不利益となる。


第二に、仮に採用活動に際して就活生のfacebookを確認することが企業にとってプラスに働くとしても、そのプラス面以上のマイナス面が就活生に押し付けられてしまうと考えることが挙げられる。朝日新聞の記事でも、就活生が考えるfacebookを使う際のデメリットとして「プライベートな内容も人事担当者に見られる可能性がある」というものが挙げられている。そのデメリット面を考慮すると、企業が就活生のことを知るための策はエントリーシートや面接に限られるべきで、その機会を通じて互いに理解しあえるのがベストなのだと思う。


Facebookの活用で企業・就活生双方が不幸になるのはおかしなことだし、もしよりよく活用できる方法論があるならばそれが広く伝わればいい。もしそのような方法論が無いのなら、上で書いた理由から、企業は採用活動に際してfacebookに頼るのを控えた方が良いのかもしれない。

人事担当者が就活生にfacebookの友達申請をしたり、面接でfacebookの書き込みについて触れることは妥当ではないという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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「脱社畜ブログが弱者を食い物にしている」という評価には一理あると思う

過去記事(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-494.html#comment3871)のコメント欄で「社畜中」さんが仰っている脱社畜ブログを批判する記事とは、恐らくこれのことだと思われる(http://anond.hatelabo.jp/20130302235324)。

「脱社畜ブログ」は書いてあるエントリー全てが正論で反論の余地がまったくない。しかし、それを読んでどうしろと言うの?今ブラック企業に勤めている人間は一瞬スカっとするだけで終わりだ。学歴も無くブラック企業しか働き口が無い人間にとっては無力なブログだ。それどころかその人間を利用してアフィリエイトで小銭を稼いでいる。これじゃブラック企業に勤めて苦しんでる人を釣った貧困ビジネスと言われてもしょうがないのでは?一番弱者を食い物にしてるのは誰なのか あなたですよ

「社畜中」さんはこれを見て、一理あるなと思ったとのこと。他にもこれと似たような評価として、「社畜をいい感じに食い物にしてますなぁ(http://b.hatena.ne.jp/entry/dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/08/19/205255)」、「脱社畜のロジックスカスカじゃねーか。バカ騙して小銭稼ぐのをもてはやす意味あんのかよ(http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20130825160438)」というものが見られる。前回の記事を書いた身としては、特に「脱社畜のロジックスカスカじゃねーか」という評価に安心する。 


上述のエントリーの後半にある「(脱社畜ブログが)弱者を食い物にしてる」という部分には一理あるように思う。なぜそのように思うのかというと、あのブログがどれだけ話が矛盾しようが、とにかく日本の労働環境に違和感を覚える人にウケが良いことを言おうとしている(そして、それをもってアクセス数を稼ぐ)と感じるからである。脱社畜ブログに漠然と違和感を覚えているけれども、その違和感の実態が分からないと感じる人は「エントリー間に矛盾は無いか」という視点を持つとすっきりするかもしれない。


例えば「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい」・「"逃げる"のススメ」というエントリーと「Re:脱社蓄ブログを読んで感じる違和感」というエントリーにおける記述を見比べてみたい。前者には次のように書かれている。

一度逃げてしまうと、もう他の会社には就職できない、と思ってしまう人もいるかもしれない。実際には、割と何とかなるものである。世の中に会社の数は山ほどあるし、前の会社から逃げたということは基本的には言わなければわからない。ごまかす方法はいくらでもある。すぐに次の就職先が決まらなくても、自分だけであれば、支出を減らしてアルバイトやその他の手段で食いつなぐこともできないわけではない。日本は豊かな国だから、働いてないから死ぬということはない(「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい」)

・一度逃げてしまうと、もう後は日陰者のような人生を送らなければならないかというと、決してそんなことはない。壊されてさえいなければ、また環境と時期を変えてやり直すことはできる。一方で、壊されてしまったら、なかなか再起をかけることはできない(「"逃げる"のススメ」

端的にいえば、「どちらもブラック企業に勤めて潰れてしまいそうになったら逃げて良い、逃げても案外なんとかなる」ということを言っている。特に「一度逃げてしまうと、もう他の会社には就職できない、と思ってしまう人もいるかもしれない。実際には、割と何とかなるものである」という記述に安堵した人もいるのではないだろうか。


ところが、「Re:脱社蓄ブログを読んで感じる違和感」における次の記述を見ると話が違ってくる。補足すると、これは会社が従業員に給与・待遇に比例しない責任を課しているケースの話であり、そのケースについて、とある人が「日本には職業選択の自由という権利が存在していて、"この仕事をやめよう"と思ったら事前の告知をしていつでもやめることが可能です(中略)"(やりがいがあっても)賃金安い・責任が重過ぎる!"と納得できなかったらいつでもやめられるんですが・・。(http://hatedebu.hatenablog.com/entry/2013/03/01/164135)」と言ったことを受けて書かれた文章である。

こういう状況下で、「嫌なら辞めろよ、強制してないよ」という立場を企業側がとることを、果たして肯定できるだろうか。そうやって「会社が合わない」という理由で軽々しく会社を辞めたとして、仕事をしていない間は生きるお金に困ることになる。だから結局、どこかで働かなければならない。でも、転職先・再就職先がそう簡単には決まらないのは、みなさんもご存知の通りである。会社側による「嫌なら辞めろよ」は決して対等ではなく、自分がどこでも雇ってもらえるような付加価値の高い人間でも無い限り、「嫌なら辞めろ」というのは脅し文句以外の何物でもない

どうなってるんだ。「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい」・「"逃げる"のススメ」というエントリーに書いてあったことを踏まえると、「会社が(法に反しない限りで)従業員に給与・待遇に比例しない責任を課すのは自由だ。その代わり労働者が別の会社に移るリスクを負うことになるし、僕自身は会社の措置に納得がいかない労働者は会社から逃げるべきだと思う」・・・という話になりそうだけど、見ての通りそんな話にはなっていない。


特に「転職先・再就職先がそう簡単には決まらない」という記述を踏まえると、前述の「ブラック企業に勤めて潰れてしまいそうになったら逃げて良い」という提言が無責任なものに思える。例えば「何故人は疲れきってもブラック企業を辞めないのか」というエントリーによると、ブラック企業と言われるところを辞めない理由の一つは、就業時に社員から「ここを辞めても今の景気だったら雇ってくれるところはないよ」とよく言われているからだという。つまり、辞めても再就職先が見つかるか分からないからこそ「逃げる」という選択肢が消去されるということ。「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい」と言われて一瞬スカッとした人も、この「Re:脱社蓄ブログを読んで感じる違和感」を見ると現実に戻されるのではないだろうか。


脱社畜ブログのエントリーは、ミクロのレベルで見ると常に「労働者の味方」になっているように見える。しかし、2つ以上のエントリーを併せてみてみると、結局のところ労働者は八方塞がりになる、つまり労働者の現状が変わるヒントがそれほどあるわけでもないということに気づかされる。にも関わらず一方で脱社畜ブログ管理人の日野さんはブログ執筆でお金を稼ぎ、且つこの度本を出したりラジオに出たりして仕事の幅を広げていっている。つまり結局のところ利益を得ているのは日野さんだけだった・・・というオチになっていると思えるし、ゆえに冒頭の「それどころかその人間を利用してアフィリエイトで小銭を稼いでいる。これじゃブラック企業に勤めて苦しんでる人を釣った貧困ビジネスと言われてもしょうがないのでは?一番弱者を食い物にしてるのは誰なのか あなたですよ」という評価には一理あると思えるのである。 

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脱社畜ブログとイケダハヤトさんを一緒にするよ

「はてな匿名ダイアリー」の「脱社畜ブログとイケダハヤトを一緒にすんな。いろいろえっちをいじめるな」というエントリーは、脱社畜ブログとイケダハヤトさんの文章を比較した上で、前者を賞賛し後者をけなしている。そのエントリーの中で、特に脱社畜ブログの評価に驚いた。

脱 社 畜 と イ ケ ハ ヤ を 一 緒 に す ん な !お前は、脱社畜の文章をちゃんと読んだことはあるのか?イケハヤと全然違うだろう。脱社畜さんの記事を見ると、いかにお前らみたいなクソの反論を予想して、予想できる反論への再反論まで考えた上で論理を組み立てているってのがよーくわかる。慎重なんだよ。脱社畜さんは。この人本当に頭がいい人だぞ。極めて論理的にものを考えて、慎重にブログを書いている。で、それに対して本論とずれたところでしたり顔でコメントつけて、得意気になってるのがお前らだ

僕が特に強調したく、且つ異議を唱えたいポイントは「極めて論理的にものを考えて、慎重にブログを書いている」という記述である。


脱社畜ブログを読んだ意見として、このブログにも「論理が飛躍しているところが多くて、わりとフィーリングで書いてるな、ただ、一貫してるのは、働くことに対する敵視、という感じですね」というコメントが寄せられたことがある(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-457.html#cm)。そして、このコメントにおける「フィーリングで書いてるな」という部分に関連することを、以前紹介したことがある「それでも脱社畜ブログを読んで感じる違和感」というエントリーが詳しく論じている。

日本には「会社=尽くすもの」みたいな風潮が蔓延しているっていうのもなぜそう思ったのかが分からない。ここでも自分の体験を交えて書かれていたら印象も変わりますけどね。ネットニュース見ただけで漠然と言い出している感があるから、じゃあ他の国では蔓延してないの?とか疑問点が次々に思い浮かぶ。基本的にデータ、統計がなさすぎるんですよ。例えば、労働時間のデータを比較して、日本の労働環境はおかしいというなら分かりますよ。でも脱社畜ブログの中で、客観的なデータとか各国の失業率の割合とか比較して見せているエントリーってあったかなぁ?と思う。日本の労働環境はブラックだとデータを示しながらブログを書くべきですよね。主観で書くべきではない(中略)データがないから一般論が多くなってしまっている。データや統計を出さないから、偏った一般論を繰り返してしまうんだと思う

ここで「脱社畜ブログが論理的だ」、「脱社畜ブログはフィーリングで書かれている。データや統計が無い」という相反する2つの見解があることが分かった。そして、この記事のタイトルにある通り、僕は後者に賛成する立場を採る。正確には「データや統計が全く無い」というよりも、特に脱社畜ブログの核ともいえる「日本人の仕事観に関する分析」に関して根拠が脆弱だという評価が妥当なのではないかと考えている。


僕自身も過去に、脱社畜ブログにあった「本当に仕事を楽しんでいる人はことさらそれを語ろうとはしないはず、それを語るのは、どこか本当に楽しんでいない、自慢を通して自分を納得させようとしている」という論理展開を「滅茶苦茶すぎる」と批判したことがある(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-457.html)。また別の例を挙げれば、例えば脱社畜ブログの「就活生よ、成長なんて絶対するな」というエントリーにおける次の記述なんかは、まさにフィーリングで書かれているものといえる。

あえて極端なことを言うと、就活生が就職活動を通して得られたと考えている「成長」の99%は、「企業にとって都合のいい仕事観に染まった」ことと同義であると僕は思う。「社会人基礎力」なる非合理的な奴隷のための知識を身につけ、「やりがい」という非金銭的報酬に金銭的報酬同等の意味を見出すような価値観を刷り込まれ、プライベートよりも仕事を優先するのが絶対、という思想に違和感を覚えなくなる――こういった「洗脳」を「成長」と呼んでいる場合がほとんどである。学生から、立派な社畜の卵に成長した、という意味の成長なのであろう。

一応「あえて極端なことを言うと」という予防線が張られているとはいえ、かなり適当な記述であることは間違いない。この点、例えばリクルートが行った「就職先決定に関する学生調査」を確認すると、就活生が言う「自身の成長」とは「自分の能力や志向についての理解が深まった」だとか「社会や経済がどのように動いているのかについての理解が深まった」というものなどを意味することが分かる。このことから、就活生の言う成長のほとんどが「立派な社畜の卵になりました!」というものだとする脱社畜ブログの記述はおかしいし、且つ「成長した」という実感を持つ就活生を馬鹿にしすぎているという点でもふざけている。


さて、冒頭で紹介した「脱社畜ブログとイケダハヤトを一緒にすんな。いろいろえっちをいじめるな」では、イケダハヤトさんの文章が次のように評価されている。

完全にチラシの裏だろうが。イケハヤの文章にロジックはない。常識に対する歪んだ反抗心をチラシの代わりにブログに書き散らしただけだ。調査も論証もないプロブロガーだ

これはイケダさんの文章に対する評価としてはある程度妥当だとは思う。しかし、この批判はそのまま脱社畜ブログにも当てはまるんじゃないだろうか。それなのにイケダさんは馬鹿にされて、一方で脱社畜ブログが高評価される理由が全く分からない。


誤解しないでほしいが、僕は「脱社畜ブログの文章が好きだ」という感覚を否定する気はない。正直言って僕は嫌いだけれど、感覚は人それぞれなので別に好きだと感じる人がいてもいい。しかし「脱社畜ブログの文章は論理的だ」という評価には違和感を覚える(論理的な記事が全く無いわけではないのだが)。加えて、イケダハヤトさんの文章は「論理的でない」と評価されているのに、それと質が大して変わらない脱社畜ブログの文章が絶賛されていることに気持ち悪さを覚える。「脱社畜ブログとイケダハヤトを一緒にすんな」という意見表明にはまったく同意できない。


「脱社畜ブログの文章は論理的だ」と感じる人は、もう一度記事を読み返してみて、例えば「主張に根拠があるか」などを確認してみると良いと思う。全てがそうだとは言わないが、案外「これはおかしいのではないか?」と感じる記事が見つかると思う。ここ最近このブログでごり押ししている主張だが「いくら就活生・労働者を利する言説であっても、もしそれがいい加減な言説である場合には、それは否定すべきだ」ということをここで改めて述べたい。

脱社畜ブログの文章は別にそこまで論理的じゃないという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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内田樹さんや森博嗣さんのような有名人なら、バカなキャリア論を語っても良いのか

内田樹さんが語る「ブラック企業の見分け方」がとんでもないものとなっている(http://gqjapan.jp/2013/08/23/ask-the-professor-124/)。

まともな企業とブラック企業の区別なんて、皮膚感覚でわかるはずです。ゾウリムシだって、自分のエサと自分をエサにするやつの区別はつきます。ブラック企業がわからないということは捕食者が自分を食べに近づいてきたときに、自分から進んでその口の方に近づいてゆくということですからね。それって、生存戦略の精度がゾウリムシ以下ということですよ。悪いけど。生物としての機能が働いていない。初任給がいくらだとか、半年で店長になれるとか、海外勤務があるとか、脳に入ってくる数値や情報だけで状況を判断するから、身体が「ここにいると生命が衰えるよ」というアラームを発していても、それに気づかないんです。ブラック企業に入ってしまう人は、「生物として弱い」ということです

これは「ブラック企業の見分け方を教えてください」という質問に対する答えとして書かれたもの。その質問に対し「皮膚感覚でわかるはず」なんて答えられても質問者が納得するわけがないと思うのだけれど、内田さんのコミュニケーション能力はどうやらこの程度らしい。


また、「皮膚感覚でわかるはず」という結論そのものも妥当でない可能性が高い。ブラック企業の見分け方に関して、posseの坂倉さんという方が次のようにつぶやいていたことがある。例えばクロスカンパニーは、「女性社員の働きやすい企業」として宣伝されていながら、実際には入社1年目の女性正社員が過労で亡くなるということが起きた企業である。確かに、明らかにブラック企業である可能性が高いと分かる企業はあり(例えば「ワタミ」がやばいということは、ちょっとネットで調べるだけでも分かるだろう)、そういうところに何も考えずに入った場合は就活生側にも落ち度がある。しかし、ブラック企業であるか否かを見分けることが困難な場合があるにも関わらず、一律に「ブラック企業に入ってしまう人は、"生物として弱い"」と評することはあり得ない。


内田さんのブラック企業論に対して憤りを覚える人は少なくないと思う。僕もその一人だが、もう一つ別の憤りをも覚えている。それは、こんな頓珍漢なことを言ってしまう内田さんのような人が就活生からの相談に乗る立場にいるという事実だ。内田さんのような有名人だったら、こんなバカなことを言っても良いのかよと思ってしまう。内田さんの言っているレベルのことを無名の人が言っても、まず相手にされないはずだ。


このような想いを抱いたのは、これが初めてではない。森博嗣さんの「"やりがいのある仕事"という幻想」を読んだとき、例えば次の記述にため息をついた。

極端な場合になると、研修期間がまだ終わっていないのに辞めてしまう人がいる。会社が仕事の説明をしたり、練習をしている段階であって、まだ実際に配属されていない状態なのに、である。研修のためにバスでどこかに出かけたら、その出先でいなくなっていたという例もある。多分、説明を聞いているうちに「これは自分が思い描いていた仕事ではない」と気づくのだろう。牧場で働きたかったので、牛を相手にしたいと話したら闘牛士にさせられてしまった、というくらいなら分からないではないが、普通はどんな仕事をするのかを選んで就職するのではないか

すぐ離職することを労働者の自己責任としているけれど、ちょっとブラック企業について知るだけでも、森さんの見解が薄っぺらいことに気づくと思う。例えば、穴を掘る研修で有名なイークラシスのことを思い浮かべると分かりやすい(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416462364)。逆にいえば、森さんの頭にはそういうケースの存在がないということになる。


別に内田さんや森さんが、現状の就活・労働問題について詳しくないこと自体は仕方がない。全ての問題について深い見識を持っている人なんかいるわけがないし、内田さん・森さんの場合はその苦手分野が就活・労働問題だったということなのだろう。ただ、そんな彼らが専門家面して薄っぺらいキャリア論を語り、それで金をもらっていることには我慢が出来ない。「100点満点のアドバイスをしろ!そうでなければ黙ってろ!」とまでいう気はないが、彼らの意見はあまりにもレベルが低すぎる。こんな意見が流通していることに憤りを覚える人が増えてほしい。

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NPO法人・POSSEに関する認識の相違が不気味な件

就活問題にしても労働問題にしても、その問題点の存在は書籍やネット上でだいぶ明らかにされてきていると思う。そのような状況下で、単に「~が問題だ!」と主張することにはもはや大して意味は無い。そのレベルから一歩進むことが必要だということを前回の記事で述べた。


では、一歩進むためにはどうすれば良いか。一つの方法として、実際に問題の解決に向けて動いている団体に加入し、共に活動をすることが挙げられるのは間違いない。特に労働問題に興味がある人は、NPO法人・POSSEの活動に興味を持っていたりするのではないか。posseは現在、ホームページ上でボランティアスタッフを募集している(http://www.npoposse.jp/activity/soudan_staff.html)。


「だから、POSSEのボランティアに応募してみよう!」・・・と薦めるのが今日の記事の目的ではない。むしろ、posseの活動や問題提起に好印象を抱いた場合でも、活動参加の意思決定を慎重に行った方が良いのではないか?と言うためにこの記事を書いている。


posseに関して、次の有名なまとめがある。

【今野晴貴】新左翼カルト・NPO法人POSSEに注意!【ブラック企業】(http://matome.naver.jp/odai/2136367280864865401

まとめの具体的な内容は、各人で確認していただきたい。端的にいえば、posseが脱退した者への盗聴を指示したり、突如高額な寄付金を求めたりしたということが書かれている。


posseに論考を寄稿したことがある山本一郎さんも、上記のまとめを参照した上で「POSSEや今野晴貴さんが何者であり、どんな運動に身を投じてきた御仁であるかは、まあ、結構知られた話ではあります。そういうことを分かって付き合う人もあり、知らずに加担する人あり、その辺は文字通り様々であります」、「新左翼がどうとか、その程度のこと匿名告発など頂戴しなくてもみんな知ってますから」と述べている(http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/05/post-0a62.html)。山本さんとしては、POSSEの過去はともかく現在は有意義な活動をしているのだから、posseと関わることに問題は無いというスタンスらしい。これは妥当な考え方だと思うし、これを受けて僕自身も「過去に問題はあったんだろうけど、現在はきちんとした活動をしているのなら、過去のことをあれこれ言うことはないだろう」と考えるに至っていた。


しかし最近分かったのだが、一方でPOSSEのスタッフの認識はまた違うようなのだ。上述のまとめに関して、POSSEのスタッフが次のようにつぶやいている。山本さんは「まとめの内容は本当だけど、それを承知したうえで付き合う」というスタンスだったわけだけど、スタッフはまとめの内容を「全部真っ赤な嘘」と言っている。この事実認識の相違は一体何なんだろうと思わずにはいられない。


まとめの内容を見る限り、さすがに「全部真っ赤な嘘」というのは少し考え難かった。なぜなら このような、被害者の存在を知っていたり、あるいは自分がトラブルに巻き込まれたりしたというつぶやきが見られるからだ。まとめの内容がすべて嘘だとすれば、POSSEに対して気の毒だと思う。しかし、まとめの内容に真実のものがあるのにそれを嘘としているのなら、POSSEのことを少なからず怪しいと感じざるを得ない。このような認識の相違の存在が不気味だと感じるがゆえに、POSSEの活動への参加を考える人に対して慎重な意思決定をするよう薦めたいと考えている(なお、posseの本は勉強になるのでそれは薦めたい)。


上記のまとめにも取り上げられている開沼博さんの連載「闇の中の社会学」によると、一見社会問題の解決を看板に掲げたクリーンなNPOに見えても、その組織の内部に次のような闇が潜んでいる場合があったという(http://diamond.jp/articles/-/25229?page=5)。

例えば、構成員でありながら、内部の論理に疑問を持つことは許されない。仮に、その疑問を表に出そうとすれば、あらゆる制裁が待っていた。幹部たちとの「話し合い」は半ば軟禁状態において行われ、長時間に及ぶものになる。構成員が一人の人間を取り囲み、「お前は間違っている、間違っている、間違っている……」と、同じ言葉をかけ続ける「儀式」も存在する。

「どこのブラック企業だ!」と突っ込みたくなるけれど、こういうケースがあるということで。NPOがすべてヤバいということはないはずだけど、安易な活動参加は後々自分の首を絞めることになるかもしれない。

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もうそろそろ「日本の労働環境を腐す言説」に飽きませんか?

前回の記事で、「脱社畜の働き方」という本の第1章が次のような内容となっていることを紹介した。

第1章 日本の職場は理不尽なことばかり
・満員電車のサラリーマンが抱える苦悩 ・サービス残業という犯罪行為 ・「社会人」という不思議な言葉 ・「有給休暇」を巡る諸問題 ・「長時間労働」について ・日本の職場で我慢大会がはじまってしまう理由

これらの問題提起が間違っているのかというと、そんなことはないと思う。ただ、僕がブログを書く過程で労働問題に関する言説に目を通すことが多いという事情が大きいのかもしれないが、これらの問題提起に対して「もう、見飽きたよ」という感想を抱いてしまう。


以前脱社畜ブログを批判した際に、はてなブックマークで「(脱社畜ブログの)普段なかなか気がつきにくい視点言葉にならない考えを提供していると言う点が評価されるべき」というコメントを目にしたことがある(http://b.hatena.ne.jp/entry/lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-456.html)。僕はこのコメントの評価に反対で、脱社畜ブログの問題提起は「既に誰かが言及していることを改めて言っている場合が多い」と感じている。


上述の第1章の中身もそう。例えばメイロマさん著の「日本が世界一貧しい国である件について」という本を見てみると、(僕が見落としてない限り)満員電車の話以外のすべての点(サービス残業、「社会人」という言葉のおかしさ、有給休暇、長時間労働、職場が我慢大会となっている)について言及されていることに気づく。かといって、メイロマさんの問題提起にオリジナリティがあるのかというとそれも違うと思っていて、本を読んでいる過程で「これ、"ニートの海外就職日記"というブログの主張と同じようなこと言ってるなぁ」と感じたことがある。


「ニートの海外就職日記」とは、日本の労働環境の歪みを鋭く批判していたブログ。既に閉鎖されているけれど、はてなブックマーク上でエントリーのタイトルだけは確認できるので、ぜひそれに目を通してほしい(http://b.hatena.ne.jp/entrylist?url=http%3A%2F%2Fkusoshigoto.blog121.fc2.com%2F)。脱社畜ブログやメイロマさんがしているような問題提起(+例えば僕のブログの「ブラック企業は日本の恥」というカテゴリに属する記事とか)が、そのブログでなされていた問題提起のレベルとほとんど変わらないことに気づくはずだ。


「ニートの海外就職日記」は、2009年や2010年に積極的にエントリーが投稿されたブログ。残念なことに、2013年現在でも問題提起されるのは同じようなことばかり。大げさではなく、メイロマさんの本にある「日本の労働環境に関する問題提起」のパートはちょっとネットで調べれば誰でも書けると思う。そのくらい、日本の労働環境を腐す言説というのはもはやパターン化しており、且つそのパターンをネットで見ることは容易だ。


いきなり特定の社会問題に関して深い知識を持つことは不可能に決まっているので、初めは日本の労働環境を腐す言説を目にして「日本の労働環境ってこんなに問題なんだ!」と認識するレベルで良いと思う。そしてそのレベルに留まり、単なるガス抜きをして満足するのも個人の自由と言えるかもしれない。しかし僕としては、2009年や2010年時点で既に日本の労働環境の問題点はネット上で議論されていたのだし、且つ現在はNPO・posseなどの活動によって「ブラック企業」というものが大いに話題になっているのだから、もう単なる「日本の労働環境は問題だ」という言説に満足するのは辞めて、むしろそういう言説に飽きるレベルに進む人が増えていいだろうと思っている。 


僕個人はブログに「ダメな就活生・労働者擁護論」というカテゴリを設けて、労働者を利する言説に対して疑いの目を向けることを心がけている。日本の労働環境・仕事観を批判し、且つ労働者を擁護する言説を心地よく感じる人は少なくないのかもしれないけれど、よく見てみるとその言説のおかしなところが確認できたりするので(前回の記事でも触れたように、脱社畜ブログに対して「繰り返される一般論、データのない抽象論」と評価する声もあるし、その評価は正しいと思う)、そういう点を指摘することが必要だと考えているのだ。ただ可能ならば、僕がやっていることよりも「日本の労働環境が問題視されているけれど、その改善が進まないのはいったいどうしてだろう?」ということを考え、その考えに基づき例えば「労働基準監督官の人数が足りない」などの問題提起をすることがより有益だと思う。

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「脱社畜の働き方」で提起される「プライベートプロジェクトのススメ」は、酷な労働環境に苦しむ人の助けになるのだろうか?

「脱社畜ブログ」の管理人である日野瑛太郎さんが、来月の10日に「脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法」という本を出すようだ。「脱社畜ブログ」の「"脱社畜の働き方"という本を書きました」というエントリーに本の目次が公開されているのだが、今回の記事を書くにあたって目次の中から第1章と第4章を引用したい。

第1章 日本の職場は理不尽なことばかり
・満員電車のサラリーマンが抱える苦悩 ・サービス残業という犯罪行為 ・「社会人」という不思議な言葉 ・「有給休暇」を巡る諸問題 ・「長時間労働」について ・日本の職場で我慢大会がはじまってしまう理由

(中略)

第4章 プライベートプロジェクトのススメ
・プライベートプロジェクトとは ・プライベートプロジェクトのはじめかた ・プライベートプロジェクトの例 ・プライベートプロジェクトに役立つサービス ・プライベートプロジェクトを成功させるコツ

目次を見る限り、第1章と第2章が日本の労働環境・仕事観に対する批判、第3章が日野さんの起業経験談、そして第4章が現状を改善するための具体案という構成となっている。第5章は「僕が現時点で考えている"未来の働き方"について書かせていただきました」とのことで、恐らく「理想論」が書かれているということなのだと思う。


これまで脱社畜ブログに対して「具体案が無い」という声がいくつか上がっていたので、この度本が出るということで、この課題の克服に期待する人も少なくないのではないか。例えば「Vitalogy」というブログの「それでも脱社畜ブログを読んで感じる違和感」というエントリーには「脱社畜ブログを読んでも共感するだけで、その先にまでいかないんですよね。繰り返される一般論、データのない抽象論。日本の企業はこうあるべきだという具体的な提案なんてあるわけもない」と書かれている。また、「自由日記」というブログの「情報発信のすすめ」というエントリーには「いつも労働者側に立った結論ありきの論理展開で、”うんうん、そうだよね、やっぱ日本の労働環境ってひどいなー、もっと働きやすくなればいいなー”とは思わさせてくれる。けれどそれで終わり。その先がない。具体的にどうすれば社畜から脱することができるのかは決して示さない」と記されている。僕はこれらの意見に賛成の立場で、だからこそ「脱社畜の働き方」に記される具体的な提案に興味を持っている。そして上述のように、その具体的な提案は「プライベートプロジェクト」というもので、第4章はすべてこの提案に割かれている。


しかし結論から言うと、目次やこれまでの脱社畜ブログのエントリーから判断する限りではこの提案には大して実効性は無い、具体的には酷な労働環境に苦しむ労働者を救う提案とは考え難いと思っている。


脱社畜ブログの「ネットの普及とプライベートプロジェクト」というエントリーによると、そもそもプライベートプロジェクトとは「会社以外で何かビジネスをしてお金を稼ぐ手段を確保する行為」のことを意味するらしい。そして、同じく脱社畜ブログの「"精神的脱社畜"と"経済的脱社畜"」によると、「まずはプライベートプロジェクトを、会社勤めをしている状態で平日の夜や休日に走らせるのがよいだろう。いきなり会社を辞めて独立するのと違って収入が途切れるリスクは無いので安全だし、うまくいかなくても"会社外でお金を稼ごうとする"という行為が、会社での労働を相対化することになり、少なくとも"精神的脱社畜"は達成できる」とのこと。これは端的に言えば「会社に籍を置きつつ、副業しよう」という主張だろう。


ただ、ここで気になるのは「脱社畜の働き方」第1章の内容。それによると、日本企業で働く労働者は長時間労働に服しており、且つ酷な労働に耐えることを是とする環境に晒されているということになっている。そうなると「そういう労働者がプライベートプロジェクトをやる余裕なんかある訳ないんじゃないか?」という疑問が浮かぶのである。平日の夜は時間が全くないし、休日は休日で疲れ切っているんじゃないか。


この点、上述の「"精神的脱社畜"と"経済的脱社畜"」というエントリーでは、プライベートプロジェクトに取り組む時間について「プライベートプロジェクトをする時間など無いという人もいるかもしれないが、時間がないからこそ会社を辞めるのではなく、プライベートプロジェクトから始めるべきだと僕は思っている。ビジネスを成功させるには、やはりそれなりの情熱が必要であり、時間がない中でも時間を捻出してやろうと思えないような事業は、きっと会社を辞めて取り組んでもそこまでよい結果を生まないだろう。自分がどのぐらいやる気なのかを知るために、とりあえずはじめてみるというのは有効である」と書かれている。どうやら、相当の気合や熱意が必要のようだ。


これを見ると、例えば「満員電車に載って疲弊し、且つ日々の長時間労働で時間を捻出しにくい状況にある労働者」がプライベートプロジェクトで事態を好転させていく可能性は限りなく0に近いのではないかと思う。プライベートプロジェクトで効果をあげられるのは「定時で帰れることが多く、時間や体力に余裕があり、ゆえにプライベートプロジェクトに全力投球できる労働者」であり、少なくとも日本の労働環境に不満を持っている人の事態の改善にはつながらなそうである。別に「ありとあらゆる労働者を救う完璧な提案」を求めるつもりはないけれど、それでも提案としてあまり良いものとは思えない。


というか、「本業をやった後にプライベートプロジェクトに相当の労力を投入しよう」という提案は、必然的に人が本業で大して疲弊していない、即ち企業の労働環境にそこまで問題がないという前提を要するのではないか。そうなると、第1章にある「日本の職場は理不尽なことばかり」という主張はもはや通らなくなる。逆に第1章の主張が正しいとすると、今度は第4章の「プライベートプロジェクトのススメ」という主張が妥当性を欠くものとなる。目次を見た段階で、既に主張に矛盾があるような気がしてしまう・・・。


ただ勿論、これまで書いた考えは「脱社畜の働き方」の目次・脱社畜ブログの記述を基にした推測にすぎず、本を読んでみれば「プライベートプロジェクト」に対する印象が変わるのかもしれない。そこで、これまでの「脱社畜ブログ」に具体的な改善案が無いことに違和感を覚える人は特に第4章の内容に注目してみると良いと思うし、僕はその点を確認してみるつもりでいる。そこで「プライベートプロジェクトは"脱社畜"するにあたって有効な手段となりそうだ」と評価するか、それとも「どう考えても、プライベートプロジェクトが出来るのは一部の余裕がある人たちだけだろ」と評価するかは本の内容によるということで・・・。

「脱社畜の働き方」で提起される「プライベートプロジェクトのススメ」は、酷な労働環境に苦しむ人の助けになるのだろうか?という疑問に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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ブログ記事に対するコメントを見て「これは明らかに読解力不足だ」と感じたことは無いか

ブログを運営するということは、必然的に一定の量の文章を書き、且つその文章を読んだ人から文章に対する感想を頂くという行為が伴う。また、他のブログに目を通し、且つそのブログの記事にどのような感想が寄せられているのかを確認することも、僕にとってはブログ運営の一環として行っている行為と位置付けている。


そのブログ運営に際してよく感じることの一つが「なんで、この記事の内容に対して~なコメントがつくのだろう?」という疑問だ。挑発的に言えば、コメントを寄せる人の読解力不足を感じることがあるということである。特にブログを運営する人には、この感覚をある程度理解してもらえると思う。またブログを書いていない人でも、このブログや他のブログの記事に対する感想を目にして「このコメントは、そもそも記事の主張を理解していないのではないか?」と違和感を覚えることがあったりするのではないか。


例えば最近最も酷いと思ったのは、以前このブログによくコメントをくださった「吊られた男」さんの「イケダハヤト氏がアフィリエイト乞食として半沢直樹をロックオン…」というエントリーに対するイケダハヤトさんの反応。イケダさんは記事を読み、次のような感想をつぶやいている。イケダさんのつぶやきを見れば分かるように、イケダさんは彼自身の「本をブログで紹介して、その実売分から手数料をもらう行為」を批判されているのだと受け取り、それに対して怒りの声を上げている。 


しかし「吊られた男」さんのエントリーを見ると、イケダさんの感想が筋違いであることが分かる。なぜなら、エントリーの最後には次のように書かれているからだ。

アフィリエイトそのものを否定する気もありません。ブックレビューばかりでAmazonアフィリエイトばかりのブログでもいい。しかし、読んでもいない本を読んだかのように紹介するかのような書きっぷりは良くないですね

詳しくは「吊られた男」さんのエントリーを読んでいただきたいが、元々「吊られた男」さんはイケダさんの半沢直樹評(http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/26262)を見て「イケダさんは明らかに本を読んでないだろ」という感想をお持ちになった。そして、その感想に基づき「読んでもいない本を読んだかのように紹介するかのような書きっぷりは良くない」と結論付けている。この論理展開を見る限り、どう考えても「吊られた男」さんのエントリーはイケダさんが解釈したような「本をブログで紹介して、その実売分から手数料をもらう行為」を批判したものではない。そもそもイケダさんが本当に「吊られた男」さんのエントリーを読んだのかどうかすら怪しいレベルの読解だと思う。にも関わらず・・・このようにイケダさんに賛成する人もいるので、一体どうなっているんだと思っている。


また僕自身、自分のブログ記事に対して「?」と思わずにはいられない感想が寄せられることが正直ある。例えば、最近twitter経由で寄せられた次の感想はその典型。この感想に対しては、ぶっちゃけ「そんな訳ないじゃないですか(僕の記事の内容が"マナーを知らないガキ"の増加につながるわけがないじゃないですか)」としか思えない。なぜなら、この感想がついた過去記事ではあくまでも「"マナー"という言葉を盾に、人に過剰な気遣いを求める行為」を批判したのであって、別にマナー違反を積極的に奨励するようなことはしていないからである。そもそも記事本文を読んだのかどうかすら疑わしい感想である。


「コミュニケーション能力」が重要と言われる今日この頃だが、ブログ運営をしていると「読解力」、換言すれば「文章の要旨を読み取る能力」が欠けている人が多いように感じられる。「誤読を一切するな」とまで言う気はないが、この記事で取り上げた2つの例みたいに「そもそも記事を読んでないのではないか?」と疑問に思ってしまうほどの読解レベルはさすがにまずいだろうと僕は思っている。


なお今日の記事では扱っていないが、勿論問題があるのは読み手だけでなく自分を含めた書き手も同様である。僕自身も恐らく過去に2回ほど「文章がおかしい」という趣旨のコメントを受けて記事本文の記述を修正したことがある。そんな訳で、ブログ運営をしていると「具体的な手段はまだ思い浮かばないけれど、もう少し各人の国語力を改善していかないとマズいのではないか?」という思いを抱くのである。

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「ブラック企業問題」の被害者は、もはや「若者」に限られない?

ジョエル・ベスト著の「あやしい統計フィールドガイド」という本によると、運動家は社会問題をできるだけ広く定義することを好むという。定義を広げることで「社会に大きな問題がある」と人々に認識させることができるからだ。本によると、社会問題は時が経つにつれて徐々に定義が広がり、前より広い範囲の現象に当てはまるようになりがちで、このプロセスは「ドメイン・エクスパンション(領域拡大)」と呼ばれるという。


この記述を目にした時、僕はブラック企業大賞にベネッセがノミネートされたことを思い浮かべた。これはまさに「ドメイン・エクスパンション」の一つの例だと思っている。


今野晴貴さん著の「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」を読んだことがある人は理解しやすいかもしれないが、従来「ブラック企業問題」の被害者は「企業に使いつぶされる若者」とされてきた。事実、今野さんの本には「ブラック企業問題とは、成長大企業による大量採用・大量解雇(離職)によって若者が使いつぶされるという問題である」という記述がある。また、ブラック企業大賞のノミネート内容を確認しても、その被害者は20歳代が多い(http://blackcorpaward.blogspot.jp/p/blog-page_12.html)。


しかし一方で、ベネッセのノミネート理由となった事例を調べてみると、ベネッセのノミネートが他社と比べて異彩を放っていることが分かった。どういうことかというと、ベネッセのノミネート理由となった事例の詳細がMy News Japanというサイトの「ベネッセが全面敗訴 “リストラ被差別部署”での社内就活&退職勧奨は"人事権の裁量範囲を逸脱"」という記事に書かれているのだが、それによるとベネッセの事例における被害者は50代前半の女性だというのだ。さすがに「50代前半」を若者ということは出来ないだろうし、これを踏まえると「ブラック企業問題」の被害者はもはや「若者」に限られないと評価できる。ひいては、ブラック企業問題において「ドメイン・エクスパンション」が進んでいることが分かる。


前回の記事で触れたように、ベネッセの事例で問題となったのは、ベネッセの行為が「実質的な退職勧奨」に当たるとされた点だ。問題ある退職勧奨が若者のみでなく中高年に対してなされたことをもってその企業を「ブラック企業」と評してよいのならば、例えば「夫は退職強要された シャープ 何度も面談 妻証言」という記事で問題視されたシャープ、あるいは「追い出し部屋」が問題となっているソニーなども「ブラック企業」と評してよいことになりそうだ。この解釈が正しければ、現在ブラック企業問題は今野さんが述べたような「成長大企業による大量採用・大量解雇(離職)によって若者が使いつぶされるという問題」に限られず、より広い範囲の問題のことを意味していると言える。


勿論、若者に限らず中高年であろうと、彼ら・彼女らが企業から虐げられている場合にはそのことを問題視すべきだ。その意味で「ブラック企業」という言葉が問題視する射程が広がるのは望ましいと思われる。しかし一方で、問題視する範囲があまりにも広くなると、前回の記事でも取り上げた「一部の社員の意見や一部の事実を取り上げて、特定企業をブラックと呼ぶ動き」が加速することは避けられなくなる。そのような事態を警戒するために、まずは「ブラック企業問題」に関して「ドメイン・エクスパンション」が進んでいるという事実を知ってもらえたらと思う。

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もしあなたが「現在のブラック企業批判にはおかしな所がある」と感じているとしたら、その感覚は正しいと思う

Business Journalの「ブラック企業批判に賛成or反対?意外に多い反対意見、"ある種のいじめ"との声も」という記事には、現在盛り上がっているブラック企業批判に対してもう少し慎重な姿勢を求める意見が載っている。マクロミルが行った「"ブラック企業騒動"についてどう思いますか?」という調査に対して、約55%の人が「社名を挙げてどんどん批判すべき」と回答したのに対して、約3割の人が「一部の社員の意見や一部の事実を取り上げて、特定企業をブラックと呼ぶのは反対」と回答しているのだ。


ある企業が「ブラックだ」と評価されているのを目にすると、どうしてもその企業全体の労働環境が酷いのではないか?と考える人が多いのではないかと思う。11日に授賞式が行われたブラック企業大賞の公式ブログでも、ブラック企業は長時間労働、セクハラ・パワハラ、いじめ、長時間過密労働、低賃金、コンプライアンス違反、育休・産休などの制度の不備、労組への敵対度、派遣差別、派遣依存度、残業代未払い(求人票でウソ)という問題を複合的に持っているとされている(http://blackcorpaward.blogspot.jp/p/blog-page.html)。


ここで考えたいのが「ある面に注目すると"ブラック企業だ"と言えそうでも、別の面に注目すると労働環境が充実していると言えそうな場合、その企業を"ブラック企業"と評するのは妥当なのか?」という問いだ。この問いを考えるにあたって適切な材料と思われるのが、今年のブラック企業大賞にノミネートされ、且つ教育的指導賞を受賞した株式会社ベネッセコーポレーションだ。


ベネッセがブラック企業大賞にノミネートされた理由は、ベネッセが人財部のなかに「人財部付」という部署を新設し、そこに配属した社員に対して「あなたたちには問題があります。受け入れ先を獲得する活動をしなさい」と指示した挙句に、電話に出ないように指示、社員に名刺を持たさない、社内ネットにもアクセスさせない、自分を受け入れてくれる部署をさがす「社内就職活動」をしながら段ボール箱の片づけや懐中電灯へのテプラ貼りなどの単純作業をするように命じるなどの措置を行ったとされるからである。2012年8月に、東京地裁立川支部判決(中山典子裁判官)は、人財部付が「実質的な退職勧奨の場となっていた疑いが強く、違法な制度」と判断した(http://blackcorpaward.blogspot.jp/p/blog-page_12.html)。ベネッセが「人財部付」に配属された社員に行った措置は単に違法と評価できるだけではなく、明らかに社員の尊厳を傷つけるものだと言え、この面のみに注目するとベネッセを「ブラック企業」と評することは妥当のように思える。


しかし他方で、jin-jourというサイトにおける「“よく生きる”の実現を目指す"ベネッセ休暇"」という記事を見ると、そこではベネッセの労働環境が高評価されている。具体的には、ベネッセの休暇制度が他社と比べても充実しており、且つその制度運用の実態を見ても休暇の取得率が9割前後で推移していることが記されている。さらに人財部の森さんという方は「取得率9割超ということは、裏返してみれば全社でまだ1割弱の人はベネッセ休暇を取れていないわけです。そこで、"どうやって取得率をもっと上げるか?"ということよりも、その現状から、休みが取れていない社員や職場の課題を掘り下げて考えることが大切だと思います」と述べ、会社の労働環境を一層高めていく指針を示している。この面のみに注目すると、ベネッセを「ブラック企業」と評することに違和感を覚える。


勿論、ベネッセの休暇制度が充実していることを理由にベネッセが行った「実質的な退職勧奨」を肯定することは出来ない。しかし、だからと言って安易にベネッセを「ブラック企業」と評して良いのかというと、それもまた違うと思う。ブラック企業大賞の公式ブログにも「あなた方の目的、理念、理想がさっぱり解りません。本気で現代の日本の雇用環境の改善をしたいならば、曖昧な基準で特定の企業を"ブラック企業"として吊し上げるのでは無く、"ブラック企業"の条件を明示し採点した上で公表してはいかがでしょうか?(中略)今あなた方がやっている事は、内輪で盛り上がってる"労働運動ごっこ"でしかないので、このままでは、当の"ブラック企業"からシカトされ続けてるでしょう」と、ブラック企業大賞が行うブラック企業批判のやり方に疑問の声を上げるコメントが寄せられている(http://blackcorpaward.blogspot.jp/2013/08/2013.html#comment-form)。


もし「現在のブラック企業批判にはおかしな所がある」と感じている人がいるとすれば、その感覚は正しいと思う。今後も運動家たちの手によってブラック企業批判は盛り上がっていくのだろうが、問題のある企業を擁護しない範囲で、その盛り上がりに水を差すことも必要なのではないだろうか。

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