スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日野瑛太郎さんの文章に含まれる「飛躍」に敏感であって欲しい

3つ前の記事「日野瑛太郎さんは内閣府の意識調査の結果を歪曲していないか」に、有難いことに「私は管理人さんのご批判、日野さんを看過できないという思いはもっともだと思います」・「管理人さんには今後も様々な主張の妥当性をきちんと検証する姿勢を持つ人が増えるよう啓蒙を続けて下さい」というコメントを頂いた。しかし一方で、その記事のはてなブックマークのコメントを見ると、僕の日野さん批判に否定的な人がいることも分かる。具体的には次のようなコメントがある(http://b.hatena.ne.jp/entry/lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-545.html)。

ブログは所詮1個人が今までで人生で感じた範囲のことを書いてるだけで、全然違う環境だってある。それだけのこと。だからそうでないことも有るんだよというなら理解するがバカだ騙すつもりだというのは違うだろう

この短い文章にはおかしな点がいくつかある。第一に「ブログは所詮」とあるけれど、そのコメントが付いている記事にて僕が批判した対象はブログの文章ではなく、東洋経済オンラインに掲載された「"残業しない=頑張ってない"という迷惑な妄想」だったということ。第二に「ブログは所詮1個人が今までで人生で感じた範囲のことを書いてるだけ」とあるけれど、僕が批判した東洋経済オンラインの記事では(日野さんがこれまでの人生で感じた範囲のことに留まらず)内閣府の意識調査の解釈がなされていて、僕が批判したのはその解釈だったということ。


そして三点目が今回の記事で記したいことと関連してくるのだが、仮に日野さんが上のコメントをくださった方が言うように「今までで人生で感じた範囲のことを書いてるだけ」という意識で文章を書いているのだとしたら、その感覚を日本社会における一般論として語るのはおかしいんじゃないの?という疑問が浮かぶことが挙げられる。僕が批判した「"残業しない=頑張ってない"という迷惑な妄想」には「日本の多くの職場では、残業がそのままその社員の評価に結びつきます。毎日毎日、遅くまで残業している社員は、日本の会社では"頑張っている社員"であると評価されます(http://toyokeizai.net/articles/-/28201?page=2)」、「日本の会社で大事なのは仕事の"結果"ではなく"過程"(http://toyokeizai.net/articles/-/28201?page=3)」という文章があるが、当然これらからは「あくまでも自分はこのように感じているんです」という留保は感じられず、単に「日本企業の考え方は~だ」と読者に解説しているだけだろう。はてなブックマークにてコメントをくださった方は、むしろ日野さんに対して「全然違う環境だってあるのに、自分の感覚を一般化するなよ」と批判すべきだったと思う。


この批判内容は「"残業しない=頑張ってない"という迷惑な妄想」に限らず、日野さんの文章を読む際に常に頭に入れておくべきものだと思っている。実際、この批判内容をもって日野さんの文章を批判したブログ記事もある。それは「観察の範囲と主張の範囲」という記事なのだが、その記事では脱社畜ブログの「学歴の有無と常識の有無」という記事に対して次のような批判を行っている。

何かすごく簡単に書いていますが、この意見は、広く社会一般に通底する傾向に関するものなのですから、どうしてそう言えるのかが示されないと説得力を持ちません。思うというのに留まらない、きちんとした証拠を探してきて検討するのがとても重要な事です。私達の観察範囲等、たかが知れていますからね(中略)別に、個人の観察をヒントにして一般的な所について想像してはならない、というのではありません。挙げられた根拠に比して(と言うか、根拠など当該エントリーには無いですが)主張が先に行き過ぎでしょう、という事です(※引用部分だけでなくリンク先に飛んで全文を見てみると、その批判のえげつなさに驚くことになるかと思います・・・)

特に「挙げられた根拠に比して主張が先に行き過ぎ」というのは、日野さんの著作「あ、"やりがい"とかいらないんで、とりあえず残業代ください。」を読んでいても感じたことであった。「長い時間会社に入るけれど、こなしている仕事の量自体は別に多くない、という人は日本の職場にはたくさんいます(p.17)」・「日本人にとって、質の高いサービスは当たり前です。払う値段に関係なく、サービスの質が低ければ"客を何だと思ってるんだ"と激怒する人はたくさんいます(p.40)」・「若いうちはワークライフバランスなんてことは考えずに、仕事一本で生きるべきだ、残業や休日出勤を厭う奴は3流だーそんな暴論を振りかざすような人もたくさんいます(p.48)」・・・「たくさんいます」という割にはそれを裏付ける根拠が薄弱な場合が散見されたのだ。amazonのレビューには書かなかったけれど、この難点が本に最低評価をした理由の一つである。


気を付けなければいけないのは、このような批判をするのが不適切な場合もあるということ。例えば脱社畜ブログの「再読のススメ」というエントリーは、単に「再読してみたら、本の理解度が高まったよ」という日野さんの個人的な体験が書かれているものであり、それに対して「挙げられた根拠に比して主張が先に行き過ぎ」と批判をするのは筋違いにも程がある。しかしそのエントリーとは異なり、社会一般に通底する傾向について主張をしていながらそれを裏付ける根拠が示されていない場合にはそれは十分批判に値するし、「今までで人生で感じた範囲のことを書いてるだけ」と擁護するのもおかしいだろう。以前脱社畜ブログの文章を「論理が飛躍しているところが多くて、わりとフィーリングで書いてるな」と評した方がいて(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-498.html)、個人的にはその評価は正しいと感じているので、もっと日野さんの文章に含まれる「飛躍」に反応する人が増えてほしいと思っている。

日野瑛太郎さんの文章に含まれる「飛躍」に反応する人が増えると良いという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly      
関連記事
スポンサーサイト

法律事務所のホームページを通じて労働問題の基礎知識を得ることのススメ

ベストセラーとなった今野晴貴さん著の「ブラック企業」において、今野さんはブラック企業から身を守るために各人が戦略的思考をすべきことを主張している。その戦略的思考は5つあるのだが、その中に「労働法を活用せよ」・「専門家を活用せよ」というものがある。これらを併せて考えると、法律のプロである弁護士に相談をするという選択が頭に浮かぶことになるかと思う。


ここで、実際に弁護士に依頼をするかは置いておいて、ひとまず法律事務所のホームページに目を通してみることは有益だと思う。というのも、前回の記事で就活・労働問題に対処するための方法論を掲載している媒体を少し紹介したけれど、法律事務所のホームページも内容の充実度によっては労働問題の知識を得るにあたって十分役に立つ場合があるからだ。


例えば「法律事務所 未払い賃金」と検索してみるとアディーレ法律事務所のサイトがヒットするのだが、それを見ると「残業代請求・未払い賃金」・「不当解雇」・「セクハラ・パワハラ」などの項目ごとにそれぞれ具体的なケースと、ケースに対して弁護士がどのように対応していくのかが載っていることが分かる(http://www.adire-roudou.jp/details/)。正直、労働問題に関する法律をきちんと勉強するのは面倒だと感じる人もいるだろうけれど、この法律事務所のサイトのようにケースが載っている場合は自らが置かれている状況と近いケースを見つけて問題点を把握することが容易となる。


また、同様に「法律事務所 未払い賃金」と検索した結果日比谷ステーション法律事務所のサイトがヒットしたのだが、そのサイトを見ると、会社と闘うに当たって労働者が注意すべき点があることを確認することができる。例えばそのサイトには「2年以上前からサービス残業をしている方へ」というページがあり、それによると「残業代を請求できる権利は,賃金の支払日から2年で時効により消滅してしまいます」とあるので(労働基準法第115条のこと)、残業代の請求を考える場合には長期間躊躇していてはいけないことが分かる。


また、そのサイトには「タイムカードがない方へ」というページもあり、労働時間の立証にあたって労働者が注意すべき事項が記されている。詳しくはそのサイトを見てもらえれば分かるが、「労働時間を計算するための記録が全くないような場合には、残業代の請求は極めて難しいといわざるを得ません」と労働者が証拠をきちんと確保すべき必要性を伝えると共に、「退勤時に会社の時計を撮影する」など証拠の信用性を高めるための方法も載っている(逆に「手帳等にメモをしておく」という手段では客観性に欠けるため、証拠としての信用性は低いとのこと)。ただ、またまた「法律事務所 未払い賃金」と検索した結果ヒットした千代田中央法律事務所の解説によると、「タイムカード等が手元にない場合でも、裁判手続きの中で、会社に対し、タイムカードや業務日誌を開示するように請求することが出来ますので、現在、手元にタイムカード等が無いからと言って残業代請求を諦める必要はありません」・「一見、残業時間を証明する資料が一切ないと思っても、何かしらの痕跡が残っているのが通常」とのことなので、証拠が無くても何とかなる場合もあるのかもしれない(http://www.ccjurist-zangyoudai.com/)。


以上が「法律事務所 未払い賃金」と検索して1ページ目に出てきた法律事務所のサイトの中で、労働問題に関する解説が詳しいものになる。上述のように実際に弁護士に依頼をするかは各人の判断によるけれど、それでも法律事務所のサイトに目を通してみることで、例えば「自分が置かれている状況はおかしい気がするけれど、本当に会社と争うことができるのか?」という疑問を解消することが出来るようになるはずだ。一人一人がそうした知見も活用していくべきだと思う。

法律事務所のホームページを通じて労働問題の基礎知識を得ることは有益そうだという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly     
関連記事

就活生・労働者を守るための方法論は少しずつ確立してきている

当ブログの過去記事には「もうそろそろ"日本の労働環境を腐す言説"に飽きませんか?」・「"企業は就活生に不採用理由を伝えるべき"という問題提起はもう見飽きた」というものがある。見ての通り、この2つの記事タイトルには「飽きた」という単語が含まれている。


どちらの記事でも、就活・労働問題について述べる言論のフォーマットが決まりきってきた旨を指摘している。即ち、ここでいう「飽きた」の対象はそうしたフォーマットだと思ってもらって構わない。コメント欄にも「僕自身も数年に渡って就活問題に関心を持ってきましたが、確かにその間聞き飽きたような主張がさも新しいことを言っているかのように繰り返され、過去に論破された理論がゾンビのように蘇ってくる様子を見聞きしました」という意見が寄せられた(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-521.html)。これだけを見ると、就活・労働問題を巡る言論の現状はあまり明るくないように思われる。


しかし一方で僕としては、特に専門家の方々の活躍により、就活・労働問題に対処するための方法論というものがある程度確立してきている感覚もある。そしてその方法論は分厚い専門書や小難しい資料ではなく、恐らく大概の人にはアクセスが容易な媒体にて平易な文章で公開されている。


就活生向けとしては、例えば昨年発足した「ブラック企業対策プロジェクト」が公開している「ブラック企業の見分け方」という資料がある(http://www.slideshare.net/bktproject/ss-28540065)。資料のタイトル通り、これは就活生を対象にしたブラック企業の見分け方を示したもの。具体的には「求人広告から見分ける」・「就職四季報から見分ける」・「求人情報・雇用契約から見分ける」などの観点から方法論が示されている。


また労働者向けとしては、例えば以前ブログでも取り上げた「ブラック企業完全対策マニュアル」という本が有効だ。この本では日本の労働環境の問題点・ブラック企業が使う手口の解説に留まらず、ブラック企業に立ち向かうための術・姿勢が具体的に記されている。目次を見るだけでも「できるだけ事を荒立てたくないー"穏便に解決はどこまで可能か」・「上手に労基署を動かすためのコツ」・「ブラック企業に勝つための証拠の集め方」・「ブラック企業と闘って得られる対価」・・・と、見るからに充実した方法論が示されていることが伺える。本の価格も800円とお手頃だし、文章も平易なので内容が理解できないということは考えにくい。


勿論これらの資料のアドバイスに従えば確実にブラック企業を回避できたり、企業と闘って勝つことが出来たりするのかというとさすがにそこまで期待するのは酷だと思う。しかし、それでも一定の効果があることも事実だろう。そして各就活生・労働者がこうした資料を活用しない手はないはずだ。「労働問題の解決」というと法律を通じて企業の行動を規制するという話がすぐに思い浮かぶけれど、短期的には各人が就活生・労働者を守るための方法論が少しずつ確立してきていることを認識し、実際にそれを活用して企業に抗うことも重要である。

就活生・労働者を守るための方法論は少しずつ確立してきているという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly    
関連記事

日野瑛太郎さんは内閣府の意識調査の結果を歪曲していないか

過去記事「日野瑛太郎さんは言葉を恣意的に解釈することで、強引に企業を悪者に仕立て上げようとしていないか」は、脱社畜ブログ管理人・日野瑛太郎さんの「経営者目線を持て」という言葉の解釈に疑問の余地がある旨を述べたものだった。この例に限らず僕は日野さんの論理展開に違和感を覚えることが多々あるのだが、最近東洋経済オンラインにアップされた「"残業しない=頑張ってない"という迷惑な妄想」という記事もおかしな点を含んでいると思っている。


その記事はタイトル通り「残業」について考察した内容となっている。その記事にて日野さんは、日本企業において残業が横行している理由を「仕事の結果がどうであれ、専ら"残業すること"を評価する風土がある」という点に見出している。そしてそのような風土があるので、社員も「ダラダラと仕事をして毎日残業をした上で夜遅く帰る」という行動に出るのだと分析している。


その記事では、フィーリングやノリで文章を書くことが多い日野さんにしては珍しく、内閣府の「ワーク・ライフ・バランスに関する意識調査」という資料に依拠した上で話を進めていた。日野さんによると、その調査から「労働時間が長い人ほど、残業に対してポジティブなイメージを持っている」ことが明らかになっていて、且つ「1日の労働時間が長いグループ(12時間以上)のうち、53%は、残業することで上司から"頑張っている"と思われると感じる」・「残業が"仕事が遅い"といったようなネガティブイメージにつながると感じている人は、長時間労働のグループではたったの26%に留まる」という結果も出ているのだという。この結果を認識した上で日野さんは「業務時間に効率よく仕事をこなして定時帰宅するよりも、ダラダラと仕事をして毎日残業をした上で夜遅く帰るようにしたほうが、上司からの評価もよくなる」・「どんなに効率が悪かろうと、人件費が余分にかかろうと、遅くまで会社に残って頑張っている姿勢を見せることが大事なのです(中略)大事なのは姿勢です。たとえその先に何も得るものがなかったとしても、頑張っている姿勢を見せることがもっとも重要なのです」・「日本の会社で大事なのは仕事の"結果"ではなく"過程"」などと言っている。


ここで日野さんが残業している人を「ダラダラ仕事をしていて、頑張っている姿勢を見せているだけ」と評していることが分かる。しかし、この分析は妥当なのだろうか。僕も日野さんが触れた内閣府の調査を見てみたけれど、それを見る限り日野さんは「残業することで上司から"頑張っている"と思われると感じる」と答えた「1日の労働時間が長いグループ」の考えを歪曲しているように思えた。


というのも、日野さんが触れた内閣府の調査では「労働時間の長い人ほど、職場の雰囲気について"一人あたりの仕事量""突発的な仕事""締切に追われがち"など、業務体制に関する部分に課題を感じている」という結果が出ており、同時にこの結果が載っているページにあるグラフを見ると労働時間が多い人ほど「一人あたりの仕事の量が多い」と感じていることも分かる(http://wwwa.cao.go.jp/wlb/research/wlb_h2511/follow-up.pdf p.4)。即ち、この内閣府の調査における「1日の労働時間が長いグループ(12時間以上)」に属する人たちは膨大な仕事量と格闘していたり、突発的な仕事に対応しようとしたりしているだけで、日野さんが言うように「仕事はダラダラやって、とりあえず上司に頑張っている姿勢を見せられればそれでいい」と思っているわけではないんじゃないか。別の言葉で言えば、「1日の労働時間が長いグループ(12時間以上)」に属する人たちは「とりあえず残業さえしてれば、上司から"頑張っている"と思われると感じる」と思っていたのではなく、むしろ「残業して多くの仕事をすることで、上司から"頑張っている"と思われると感じる」と思っていたのではないか。


この結果を認識すると、日野さんの文章の妥当性が怪しくなってくる。例えば日野さんは「残業が"仕事が遅い"といったようなネガティブイメージにつながると感じている人は、長時間労働のグループではたったの26%しかいません」と批判的に書いているけれど、上記のように内閣府の調査に答えた人たちは「一人あたりの仕事量が多い」ために残業しているという意識なのだから、そのような人たちが「残業=仕事が遅いことの証」と考えないのも頷ける。僕としては、日野さんは「効率的に仕事をすれば定時で帰れるはずなのに、ダラダラ仕事をしているから残業することになる」という結論ありきで内閣府の調査を適当に読んだんじゃないかと思っている。


僕としては以上のように考えているので、日野さんの記事に「いいね!」が250近くついているのを見ると頭が痛くなる(もっとも僕の理解が間違っており、即ち僕の方こそバカだったという可能性もありますが・・・)。加えて、僕が「日野瑛太郎さんは言葉を恣意的に解釈することで、強引に企業を悪者に仕立て上げようとしていないか」にて批判した「従業員に"経営者目線を持て"という謎の要求」という記事にはなんと「いいね!」が3300程ついていた(本当に開いた口が塞がりませんでした)。去年の後半はブログの「ダメな就活生・労働者擁護論」というカテゴリで「企業を叩いている言説だからと言ってそれを雰囲気や印象論で支持するのではなくて、各主張の妥当性をきちんと検証する姿勢を持つ人が増えてほしい」という趣旨のことを何度も書いたけれど、今年もこのメッセージを継続的に発する必要があるようだ。

日野瑛太郎さんは内閣府の意識調査の結果を歪曲していないか?という意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly  
関連記事

日野瑛太郎さんが「脱社畜ブログファン」を利用するために仕掛けたであろう罠

つい最近「虎」さんから「日野さんの新作が昨日発売になったようですが、早速Amazonのレビューは惨憺たるものになってるようですね。前作からの間隔、最近のブログ内容の劣化から予想されたことですが、お読みになられたら是非感想をお聞かせ下さい」というコメントを頂いたことを受けて、日野瑛太郎さん著の「あ、"やりがい"とかいらないんで、とりあえず残業代ください」を買って読んでみた。日野さんは脱社畜ブログで本の宣伝を何回か行っており、その中で次のようなことを言っていた。

前著『脱社畜の働き方』は、一部ブログの文章がそのまま載っている部分などもありましたが、今回の本は完全書きおろしです(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/12/10/101407)。

それにも関わらず、Amazonのレビューには「主張には賛成だが、この本は買う価値なし。ブログのまんまだった・・・」・「内容自体は著者のブログに書かれていることとほぼ同じなので、あえてこの本を買う必要はない(中略)"書きおろし"が謳われていたので心底がっかりした」というものが見られる。僕は本の全ての内容がブログとほぼ同じとは思わなかったが、それでも相当程度話が重複している部分があったので、本を読んで「これ、ブログと同じじゃないか」とがっかりする気持ちは分かる。


上述のように、日野さんは「前著"脱社畜の働き方"は、一部ブログの文章がそのまま載っている部分などもありましたが、今回の本は完全書きおろし」と言っていたので、これを素直に読めば「この本はブログの文章がそのまま載っている部分などなく、完全にオリジナルの話が展開されているんだな」と認識することになるかと思う。しかし、例えば本のp.142から始まる「④会社の人間関係を絶対視するな」の内容は脱社畜ブログの「あなたのイヤな上司も、会社を出ればただの人である(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/11/12/210341)」の内容とほぼ同じである。本とブログから少し文章を引用したい。

・上司は、立場上あなたの仕事を指揮・監督し、時にはその仕事ぶりを評価して指導などを行うことがあります。このように、上司の指揮下に入って会社で働いていると、なんだか上司が人間的にも偉い人のように思えてきます。しかし、実際には上司があなたより人間的に偉いなんてことはありません。別に、あなたの上司は生まれた時からあなたの上司だった、というわけではないのです。現在、会社で「たまたま」そういうポジションにいるというだけです。会社では確かにあなたに対して命令を下す存在ですが、いったん会社を出てしまえばそこにあるのは「1人の人間と1人の人間」の関係です。そこに優劣を持ち出すのは不適切です。このことは言ってみれば「あたりまえ」のことなのですが、会社でずっと働いているとこの「あたりまえ」のことが分からなくなってきてしまいます(本 p.144)

・会社に入れば、よほど上のポジションでない限り、上司というものが存在する。上司はあなたに仕事上の命令を下し、あなたの仕事の進捗を管理して、あなたの仕事ぶりを評価してくる。こんな風に命令されたり、管理されたり、評価をされたりしていると、上司はとても偉い存在のような気がしてくる。しかし、よく考えてみると、あなたの上司も、生まれながらにしてあなたの上司だったわけではない。たまたま、その会社で、あなたよりも役職が上だったに過ぎない。会社というコンテキストにおいて上司だというだけで、一歩会社の外に出ればただの人であり、あなたより偉い人間だというわけでは決して無い。このことは、当たり前のことなのだけど、会社という組織でずっと働いていると、見過ごされがちなことだ(脱社畜ブログの記事)。

・・・ちなみにこの後、スタンフォード大学で行われた心理学の実験が紹介される点も本とブログで共通している。他にも、本の「お客様が神さまだから従業員が奴隷に」・「"モンスター消費者"がブラック企業を生み出す」とブログの「App Storeのレビューに、日本のモンスター消費者の片鱗を見る(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/12/04/213102)」の内容も見比べてみたい。

・値段に見合わないレベルのサービスを提供しようとすれば、サービス提供者には当然そのしわ寄せがくることになります。この場合、主に割を食っているのは従業員です(中略)厄介なのは、明らかに値段相応のでない過剰なサービスに多くの日本人の消費者は慣れきってしまっているということです(中略)日本人にとって、質の高いサービスは「あたりまえ」です。払う値段に関係なく、サービスの質が低ければ「客をなんだと思ってるんだ」と激怒する人はたくさんいます。高級レストランで店員の態度が悪いと苦情を言うのならばまだ理解できますが、ファストフード系牛丼屋などで380円の牛丼を注文し、それで店員の態度が悪いと大騒ぎするのは明らかに過剰要求です(中略)商売の世界ではよく「お客様は神様です」という言葉が使われますが、顧客を神様のような待遇で迎えるために、従業員がまるで奴隷のように割に合わない働きを強いられてしまっているのです(本:p.38-41)。

・無料アプリにすら全力で呪詛の言葉を投げかける日本のApp Storeのレビュワーを見ていると、日本の消費者がやはり諸外国に比べて要求過剰であることは間違いないと思ってしまう。飲食店で店員の些細なミスも許さず罵倒をしたり、電車が数分遅れたことにクレームを入れたり、24時間時刻指定配達をしろと言ってみたりと、日本の消費者は、はっきり言ってモンスターである。サービス提供者も、自分と同じ人間だということは完全に忘れ去られている。サービスを受ける「顧客」という立場になれば、王様のような横暴も許されるという考え方の人があまりにも多い。「お客様は神様です」という言葉は、店側が使うならわかるが、客側が使うとものすごくみっともないと僕には思えてしまう。そして、サービス提供者も、このモンスター消費者の過剰なサービス要求に答えてしまっている。そのしわ寄せは、従業員に来る。だから運送・飲食といった接客業は信じられないレベルでブラック化する。「値段相応」という考えが、日本のサービス業にはあまりない。確かに、1食数万円ぐらいかかるレストランであれば、「店員の態度」を気にするのも理解できる。しかし、吉野家で380円の牛丼を食べて、店員の態度が気に入らないと言って喧嘩をふっかけるのはどう考えても「値段相応」ではない。App Storeの無料アプリにキレるのも、これと変わらないと僕は思う(脱社畜ブログの記事)。

他にも、本の「"やりがい"にとらわれるな(p.130-135)」はブログの「職業選択マトリクス(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/03/12/211208)」とほぼ同じ話をしているし(ブログ記事にある図表がそのまま本に載っている)、あるいは本の「つらくなったらいつでも逃げていい(p.135-139)」もブログの「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/09/16/121455)・「"逃げる"のススメ(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/02/28/202641)」 と同じような話をしている・・・。最後に、本の第1章の目次を少し紹介したい。これを見れば「これ、ブログや連載でしてた話と同じなんじゃないの?」という気づきを得ることが出来るはずだ。

・日本の職場では残業をするのが当たり前 ・残業は「例外的なもの」のはず ・悲しきムダ残業 ・有給休暇を全部使い切れるのは3人に1人 ・有給休暇がとれないのは約束違反 ・日本は労働犯罪天国ー軽く見られるサービス残業 ・過労死って殺人罪じゃないの? ・「社会人」というヘンな言葉・・・

言うまでもないかもしれないが、ここまで長々と「あ、"やりがい"とかいらないんで、とりあえず残業代ください」と脱社畜ブログを比較してきたのは、当然日野さんが述べていた「今回の本は完全書きおろしです」という告知が詐欺レベルであることを示すためである。本を読んだ僕からすると、この告知は明らかに嘘だ。どう好意的に見ても、少なくとも「完全」書き下ろしではない。しかし日野さんはこう告知することで、特に「脱社畜ブログファン」が立ち読みをすることなくamazonで予約購入するように仕向けていたんじゃないかと思う。「脱社畜ブログに、日野さんが罠を仕掛けていた」と言っても言い過ぎではないだろう。Amazonのページにある「garusonterao」さんという方のレビューを見れば分かるが、本書は脱社畜ブログを好んで読み、且つ日野さんの告知を信頼した人ほど腹を立てたり落胆したりする本だと言える。


実は僕も本書のレビューを書いていて、そこで「購入を考えている方に対しては、購入前にせめて目次だけでも確認することを強く薦めたいです」と記した。今回の記事は、その記述を裏付けるための補足資料として活用していただければ幸いだ。amazonにも書いたけれど、数多くある「日本の労働環境を批判する本」の中で本文の多くをネットで見ることが出来たり議論に粗さが散見されたりする本書を手に取る意義はゼロに近く、ゆえに本書ではなく、より質が高く有意義な本を手に取る方が増えることを願っている。

日野瑛太郎さんの「今回の本は完全書きおろしです」という告知は詐欺レベルという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly      
関連記事

労基署を悪者にする前に考えるべきこと

posseが出した雑誌「ブラック企業対策会議」の良いところの一つは、現役の労働基準監督官のインタビューが載っていることだと思う。そのインタビューのタイトルは「なぜ労基署は"使いにくい"のか?」というものだ。


このタイトルから伺えるように、現状労働者の中には労基署を活用しにくいという声もあるようだ。posseに来る相談者の中にも「労働基準監督署に行くけれど、使えなくて困っている」と言う人がいるらしい。


勿論、中には怠惰な監督官もいるのかもしれない。しかし一方で、もしかすると労働者が労基署に抱いている不満が筋違いの可能性もある。「公務員」というと「税金泥棒」というイメージを持つ人もいるし(「公務員 税金泥棒」とググれば分かる)、そのイメージに基づいて「監督官がちゃんと仕事をしないから労働者が困っている」というストーリーを作るのは分かりやすいけれど、実際の問題点はそういうことじゃないということをposseのインタビューは教えてくれる。


例えば「労基署はすぐ動いてくれない」という労働者からの不満だが、これは当ブログの過去記事「"ブラック企業を何とかせよ"と言うけれど、そうは言っても労働基準監督官の人数が全然足りない」で触れた監督官不足という問題が大きく関わってくる。これについて、当の(posseのインタビューに答えた)監督官も「一人で多くの業務を抱えているのに、"言ったからすぐにやってくれると思っていた"と労働者から言われると困る」だとか「労働者からの情報提供の数と監督官の数が釣り合っておらず、事案に優先順位をつけざるを得ない」という趣旨のことを言っている。


あるいは、労働者が監督官の管轄でないことを監督官が解決してくれると思い込んでしまっている場合があり、この場合に労働者が「労基署が使えない」と不満を漏らしたとしても、その不満こそが無茶苦茶と評価すべきだろう。具体的には、パワハラ・セクハラ・退職勧奨など労基法などに具体的な義務規定のない分野の事案については監督官の権限行使ができない旨を監督官の方は述べており、にも関わらずそういう相談が監督官に寄せられることを受けて「守備範囲外のことを求められて、やってくれなかったという印象をもたれるケースはあると思います」と分析している。  


このことから、確かにどうしようもない監督官がいないとは言い切れないが、一方で不満を言っている労働者側が労基署に関する理解不足や、あるいは活用の仕方が下手という問題を抱えている場合もあることを認識する必要がある。そう認識することで、単に監督官を悪者に仕立て上げて終わるのではなく、現在の制度面の問題に目を向けることが可能になるのではないだろうか。ちなみにインタビューに答えた監督官も、業務に携わる中で法律上の限界から動きたくても動けない場合があったことを述べている。

労基署を悪者にする前に、労基署への不満が正当なものかを確認すべきだという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly     
関連記事

「休息時間」という観点から法整備を考えるアプローチ

2つ前の記事の最後で「労働時間を物理的に規制する法律がない」ことをルール・システムの不備と捉えた上で、新たなルール作りを提案する言説をいくつか紹介した(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-540.html)。恐らくその文章を受けて、はてなブックマークで「対処例はどこかで見たような意見ばかりだが」とコメントをした人がいたけれど(http://b.hatena.ne.jp/velvetten/20131226#bookmark-174839406)、そもそもあの文章は「この問題について、こんな議論がなされているんですよ」という紹介のために書いたものなので、「どこかで見たような意見」と感じて当たり前である(自分で考えた対処例なら「~という提言がなされている」という他人事のような文体にはしません)。


さて、その対処例の中で「"仕事から帰ってきたら、次の仕事までに最低でも11時間は休まなければならない"という休憩時間に関するルールを設けよう」というものを紹介していた。労働問題を考える際に「労働時間」に着目する人は多いと思うけれど、実のところ「休息時間」という観点から法整備を考えるアプローチもある。


ここからは主に、労働法を専門とする田端博邦先生(及び、彼のインタビューを掲載したposse)の考えの紹介になるけれど、田端先生によると、欧州委員会の2010年の「労働時間指令の各国における実施状況に関する報告」には休息時間の必要性に触れる次のような記述があるらしい。

多くの研究が以下のことを示している。すなわち、長い労働時間と、不十分な休息というものは、弊害をもたらしうる。(その弊害は)労働災害やミステイク、ストレスや疲労、さらに長期または短期の健康へのリスクを生み出す

例えばワタミの過労死のケースを考えると、この文章はもっともなことを言っていると感じる人が多いのではないだろうか。ただ田端先生によると、休息時間の重要性という発想は日本の法律や制度に組み込まれてこなかったのだという。


どういうことかというと、例えば労働基準法の休日に関する規定は「1週間に1日は休まなければならない」と定めているけれども、これは「連続2週間の中で2日間でもよい」となっているので、2週間近くずっと働き続けてもいいというルールになっていることが挙げられる。具体的には、先月で言えば「12月8日(日)」に休みがあった場合、法律上その後は「12月21日(土)」に休みを与えればそれで大丈夫という話。つまり、9日から20日まで連続で働かせても問題は無い(=2週間近くずっと働き続けてもいいという規定になっている)ということになる。


田端先生はこのルールに触れた上で、既存の労働基準法の規定を「勤務時間の長さだけを規制するという考え方で、労働者がどれだけ休養できるか、ということを考えていない」と批判している。勿論、別に「9日から20日まで連続で働くくらい、別に問題視する必要は無いだろう」という意見もあり得るかもしれないけれど、それでも一度は「休息時間」という観点から「既存の法規制は妥当なのか?」と見直してみることは必要だと思う。

「休息時間」という観点から法整備を考えるアプローチを検討すべきだという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly     
関連記事
main_line
main_line
ブログランキング
おかげさまで、ブログ村の「就職バイトブログ」のカテゴリで「1位」を取ることが出来ました。この場を借りて、お礼を申し上げます。これからも記事を多くの人に読んでいただけたらと思いますので、もし宜しければ、今後ともランキングへのご協力を宜しくお願いいたします。
RSSリンクの表示
follow us in feedly 
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
プロフィール

Author:lingmu
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。