スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

就職浪人生大量発生の予感~新卒至上主義脱却の際の弊害~

新卒一括採用という慣習への批判の一つとして、既卒者の就職の機会が著しく限定されるというものが挙げられる。また、「既卒者の就職の機会が著しく限定される」ということは、同時に大学生に対して「就職先を見つけないまま卒業したら、人生が終わってしまう・・・」という恐怖心を植えつけることにもつながる。

皮肉にも「大卒予定者の就職難」という問題が顕在化してきたことが引き金となって、大学を卒業した就業未経験者の就職について考える機会が増えたと思う。形だけかもしれないとはいえ、最近このブログで取り上げているソニー・ライフネット生命に限らずそこそこ多くの企業が、大学卒業後3年以内の既卒者を新卒枠に含めて彼らの就職の機会を確保しようとする動きを見せた。勿論、前々回の記事で「吊られた男」さんがコメントしてくださったように「既卒を新卒枠に入れること」が既卒者の就職の機会を確保する手法として妥当かどうか疑わしいのは事実だが、ひとまずは好意的に評価したいと僕は思っている。

一方で、既卒者も新卒採用の募集に応募できるようになったことには問題点もある。既にコメント欄で何人かが指摘してくださっているが、「現3年生」さんの言葉を借りれば「大手企業に入社するために何年も何年も就職浪人する人まで現れるかもしれない」という危険性がある。特にソニーのようにギャップイヤーを明確に認める企業が増えると、卒業後の体験を就活のネタにすることで、大学在学中での就活では受からなかった大手企業の選考に再チャレンジしようとする人が増えるかもしれない。

例えば学情ナビの就職希望人気ランキングを見れば、基本的に多くの学生が「大手企業」を就職先として希望していることが伺える。また、合同会社説明会などの様子を見ても、ブースが就活生で群がっているのは大概大手企業であり、一方で無名の企業のブースには人がほとんど寄り付かない・・・。

短絡的な考えだけれど、「大手企業=質が高い、中小企業=質が低い」という意識が就活生にいつの間にか刷り込まれているのかもしれない。例えば、このブログでも何回か取り上げている「カリスマ内定者100人の告白―大学生が書いた大学生が知りたい就活のホンネ」という本では「内定をもらったのは1社ですが、人気ランキングbest5のところ。量より質ですね」という内定者の声が紹介されている。「誰もが羨む人気企業(≒大手企業)」を質が高い企業と捉え、そのような企業に内定できたことからこそ自分の就活を誇りに感じているわけだ。

就活生が大手病を悪化させる原因の一つとしては、やはり就活生のブランド志向、即ち企業のネームバリューを就職希望先を決定する際の大きな基準にする姿勢が挙げられると思う。そして、就活生のブランド志向を促進させる背景として、就活コンサルタントなどが「大手企業への内定こそが、就職活動における成功だ」という価値観を広めていることが挙げられる・・・ということを以前、大手病にかかるバカ者、大手病をけなす大バカ者という記事でも書いた。

就活コンサルタントの何がクソかというと、彼らは「中小企業にも目を向けよう!」、「会社の名前で就職先を選ぶなんて、そんな甘い考えでよいのか?」と就活生に対して説教をしておいて、自分のホームページではちゃっかり、自分のセミナーの受講生の内定先を「大手○○会社」というように称すること。即ち「自分のセミナー受けると、誰もが羨む大手企業にいけるんだよ!すごいでしょ!これはうちのセミナー受けるしかないよね!」というメッセージをオブラートな表現を使って就活生に伝えていながら、就活生の大手病を「考えが甘い!」といって説教しているわけだ。

就活生のブランド志向が過熱すると、「中小企業に就職することのメリット」という情報が広まっていても、その情報は就活生の目には留まらないだろう。本田直之さん著の「レバレッジ・リーディング」という本で「カラーバス効果」という説が紹介されているのだが、人間は目的があると、自分の持っている目的や課題と照らし合わせて役立つことを要領よく拾うことができるらしい。この説を就活における情報収集の場面にも当てはまることが可能ならば、就活生が「大手企業に入社できるためのノウハウを身につける」という目的の下情報収集を行った場合、大手企業のことに関する情報ばかり手に入れて中小企業のことについては何も学んでいない・・・という状態に陥ることが考えられる。

就活コンサルタントの中には「うちは中小企業を就職先として選んだ人の事例も紹介しているから」という人も居るかもしれないけれど、「大手企業への内定こそが、就職活動における成功だ」という価値観を転換させるという難しいプロセスを経ない限り、就活生の大手病は無くならない。ひいては、就職浪人をして大手企業への再チャレンジをする人の増加を防ぐことは出来ない。「大手企業に入ると安泰だという時代は終わった」という声があるけれど、去年の東京電力の例があっても就活生の大企業信奉は変わらないでいるわけで、もうブランド志向から逃れることは無理なんじゃないかという気がする。

大手病にかかるか否かは個人の意識によるところが大きいので、就活コンサルタントが全て悪いと言うことはあり得ない。また、全ての就活生が大手病にかかっているということもあり得ない。そもそも、どの企業もこの先安泰とはいえない状況下で、相対的に安泰と思われる大手企業を就活生が志望することを責めることなんて出来るのか。一つ確かに思うのは、既卒者の受け入れを進める大手企業が増えていく中で、最終的に大手企業への内定を目論む就職浪人生が増える可能性については考えておかなければいけないということ。近い将来テレビで「就職浪人生が増えているみたいですけど、一体どうなっているんでしょうか!?」という報道がなされるのはあまりにも馬鹿げている。

「大手企業の既卒者受け入れが活発化することに伴い、就職浪人生が増加することの可能性について考えを深めるべきだ」という記述に共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。 
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

うーん・・・かなり難しい問題ですね。ブランド志向には学生側の調査能力不足、そして企業自体がブランドイメージを高めようとかなりのお金をつぎ込んでいること、労働環境などの正確な情報が分からないため無難に働きやすい環境をアピールしている企業に応募してしまうこと・・・ 色々考えられますね。
職務内容で契約するわけでもないので、自分の仕事をアピールするより自分の所属団体をアピールすることのほうが理にかなってもいます。

No title

>「大手企業に入社するために何年も何年も就職浪人する人まで現れるかもしれない」という危険性

はたして卒業後に変わった経験積んだからって大手に採用される可能性が上がるもんかな。
留学とか資格試験とかあるだろうけど、目的意識もなく「既卒の言い訳に使えるから」って動機が大半なんじゃね?
在学中にも留学や難関試験に挑戦する人がいるとは以前どこかでコメントしたが、学生時代特に打ち込んだものがない人がいきなり留学・資格試験に挑戦したところで企業に通用するとは思いにくいね。

逆に高度なスキルを身に着けることを求めると、それをニートの言い訳にする人が増える感じもする(医学部受験者司法受験者等に少なからずいる)し、それはそれで問題だと思うわ。

No title

続き

大手病については就活産業の煽り(まさにステマw)もあるだろうけど、それ以上に就活生による単純な名誉欲金銭欲、安定志向が大きいと思うけどね。

別に就活生に関わらず「大手・人気企業のほうが合コンでモテる(笑)とか、より給料稼げて勝ち組」って価値観は広がってるし、何より福利厚生がしっかりしてる。
今じゃ「ブラック企業」の実態を描いた本も出てるし、薄給激務で行きたくないっていう企業だってネットで検索すれば出てるしな。「そこそこの大学出てるのに・・・」って思いも強いだろう。

ブランド志向というより働くうえでの信念よりも金・名誉・安定が全てなのは仕方ないよ
原発で除染作業しててもリスペクトされるどころか逆に忘れ去られてる感があるぐらいだしね。

Re: No title

> ささくれさん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

ささくれさんがコメントをくださった後、記事の本文に「そもそも、どの企業もこの先安泰とはいえない状況下で、相対的に安泰と思われる大手企業を就活生が志望することを責めることなんて出来るのか」という記述を加えました。大手病の原因は一つではなく、就活生や企業の様々な思惑が背景にあるはずです。

個人的には就活生の大手病を責めるのは酷だと思っていますが、一方で、安易な(大手企業への)再チャレンジをする人が増える可能性、ブランド力の無い無名の企業が必要な人数を採用できなくなる可能性については考えるべきなのではないかと思って、問題提起の意味で今回の記事を書きました。難しいですよね・・・。

Re: No title

> のさん

いつもコメント有難うございます。

一部の例外を除いて、卒業後の体験を評価されて受かる人はあまりいないのではないかと・・・。受かる人は、そもそも在学中に受けてても内定をもらえたであろうレベルの人だけなのではないかと思います。ただ、「やってみないとわからない!」という言葉を振りかざして再チャレンジをする人は一定数入るのではないかと想像しています。ご指摘の通り、資格試験を言い訳に使う人も増加するかもですね・・・(真剣に目指すのは良いと思いますけどね)。


就活生による単純な名誉欲金銭欲、安定志向が大きいという事情は確かにあると思います。twitterでもつぶやきましたが、転職人気企業ランキングの上位も大手企業ばかりで(笑)、就活生だけでなく社会人も大手志向なのだと結論付けました。皆は、原発の除染作業のような作業の重要性を否定しているわけでは無いでしょうが、「そのような泥臭い仕事をするのは、自分の役目ではない」ということは思っているかもしれません。

No title

大学3年生です。

仮に、就職浪人性が増えたとしても、今のように「新卒で就職出来なかったら人生に絶望」という閉塞感のある状態よりはマシではないでしょうか?

それと、大企業もつぶれる時代になったとはいえ中小企業よりはつぶれないし、平均賃金でみれば大企業と中小企業で100万違ったりするわけです(もしかしたら、平均年齢違うのかもしれないですけど)。特別やりたい事ある人(たぶんそんな人ほとんどいない)以外はみんな大企業目指すのは当然じゃないでしょうか?

Re: No title

> むしこさん

はじめまして、コメント有難うございます。

>仮に、就職浪人性が増えたとしても、今のように「新卒で就職出来なかったら人生に絶望」という閉塞感のある状態よりはマシではないでしょうか?

僕もそう思います。記事で言いたかったのは「企業が既卒者を受け入れることで就職浪人生が増える可能性がある。だから、新卒一括採用を続けよう!」という主張ではありません。既卒者の就職の機会を拡充し、閉塞感を無くすことには意義があると思うのでその方向性自体には賛成しつつも、一応その方向性には問題点もあるんじゃないか?・・・という問題提起をしたかったのです。繰り返しになりますが、その問題提起をもって「だから、新卒一括採用を続けよう!」という結論を下す意図はありません。分かりにくくてすみません。

後半のご意見については、記事本文で「そもそも、どの企業もこの先安泰とはいえない状況下で、相対的に安泰と思われる大手企業を就活生が志望することを責めることなんて出来るのか」と書きましたように、僕もむしこさんの仰るとおり、就活生が大手企業を就職志望先の上位にすることは当然だと思っています。所謂大手病にかかっている人よりは、大手病に掛かっている人を「甘い!」と言っている人の方が無責任な気がしているくらいです。ただ、何度受けても受からないのに、それでもなお大手企業を受け続ける人が仮に出てくるとすれば、それはどうなのだろうとは思っていますが。

もし宜しければ、また記事を読みに来てくだされば嬉しいです。

はじめまして、よろしくお願いします。

世間は、狭いけど、
人生は、面白い、
だから、人生は、あきらめない。

Re: はじめまして、よろしくお願いします。

> テラゲン合格! さん

こちらの記事にもコメント有難うございます。

人生の面白さを感じにくい世の中かもしれませんが、あきらめたら「面白さ」を感じる余地は無くなります。仰るとおり、「人生は、あきらめない」ことが重要ですね。

No title

実際中小は給料や福利厚生が怪しい上いつ潰れるか分からない所が多い現状を考えたら、大手指向になるのは仕方がないんじゃないですかね。
大手指向は単なるブランドイメージだけの問題ではないと思いますよ。
失敗を恐れずにチャレンジしろと言われても、失業即ホームレスか餓死、自殺というルートになってしまうのが現実ですから。学生、というか求職者が大手企業に入りたがるのは当たり前だと思います。
要は日本に同一労働同一賃金の考えは全くない事、社会保障を国じゃなくて企業に依存している事に問題があるのでしょう。大手の正社員には当たり前にある病気休暇や育児休暇なんかも弱小企業には他人事ですから。
大手に入らなければ生活が不安なのに大手病になるなと言われても無理です。

Re: No title

> ななみさん

はじめまして、コメント有難うございます。

>実際中小は給料や福利厚生が怪しい上いつ潰れるか分からない所が多い現状を考えたら、大手指向になるのは仕方がないんじゃないですかね。
大手指向は単なるブランドイメージだけの問題ではないと思いますよ。
失敗を恐れずにチャレンジしろと言われても、失業即ホームレスか餓死、自殺というルートになってしまうのが現実ですから。学生、というか求職者が大手企業に入りたがるのは当たり前だと思います。

これは記事本文中の「どの企業もこの先安泰とはいえない状況下で、相対的に安泰と思われる大手企業を就活生が志望することを責めることなんて出来るのか」という記述と通じる点があるコメントといえますね。僕の意見としては、就活生が大手企業を第一志望にすること自体はまるで問題ないと思いますが、「中小企業より大手企業の方が明らかに安泰だから」との理由でいつまでも大手企業の選考を受け続ける姿勢はどうなのだろうと感じます。「中小企業に入社して苦しい生活を送るリスク」も確かに考慮して当たり前のものですが、それ以上に「いつまでも職を見つけられないリスク」の方が現在の日本においてはリスクの程度として深刻だと考えるからです。

>要は日本に同一労働同一賃金の考えは全くない事、社会保障を国じゃなくて企業に依存している事に問題があるのでしょう。大手の正社員には当たり前にある病気休暇や育児休暇なんかも弱小企業には他人事ですから。

僕もそう思います。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
main_line
main_line
ブログランキング
おかげさまで、ブログ村の「就職バイトブログ」のカテゴリで「1位」を取ることが出来ました。この場を借りて、お礼を申し上げます。これからも記事を多くの人に読んでいただけたらと思いますので、もし宜しければ、今後ともランキングへのご協力を宜しくお願いいたします。
RSSリンクの表示
follow us in feedly 
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
プロフィール

lingmu

Author:lingmu
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。