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就活による「学業阻害」とは、具体的にどのような状況を意味しているのか?

リクルートエージェントの「5分で読める採用の達人」というページに、「就活後ろ倒しの是非を考える」という記事が掲載された。具体的には、「企業の広報活動の開始=大学3年の10月1日以降、面接等の選考活動開始=大学4年の4月1日以降」から、選考開始時期は従来と変わらないまま、広報活動の開始時期が12月1日と2ヶ月後ろ倒しになった、経団連の倫理憲章の変更について書かれている。


今年、企業の採用活動が2ヶ月遅らされた趣旨は「学生の本分である学業に専念する十分な時間を確保する」というものだった。この考えの前提として、従来の、企業の広報活動が大学3年の10月に始まるという状況は、学生の勉強する時間を阻害するという現状認識が経団連の中であったのだろう。これに関して、すっかり就活コメンテーターと化している感のある石渡嶺司さんと常見陽平さん(なんで、いつもこの2人の意見ばかり取り上げられるんだろう・・・)が、そもそも「学業阻害」が本当にあったのかどうかという点について、それぞれ意見を発している。


ここで重要なのは、石渡さん・常見さんの意見そのものではない。「就活による学業阻害」という言葉の定義が人それぞれで違うかもしれないということを、石渡さんと常見さんの現状認識の違いから確認することこそが重要である。


「就活による学業阻害」という言葉をオーソドックスに定義しているのは石渡さんの方だと僕は感じた。石渡さんは記事の中で以下のように述べる。

以前は10月から、平日に会社説明会を開催する企業が結構あり、明らかに学業を阻害していたと思います。今回、夏休み中の実施が多かった1日インターンシップも禁止の対象になりましたが(筆者注:インターンシップは5日間以上かつ説明会ではなく実務型に限る、とされた)、これもよかったと私は思っています。というのも、インターンシップといっても名ばかりで、会社説明会同然のものが多かったからです。3年の夏休みはゼミ活動にとって重要な時期なのですが、インターンシップの準備や実際の参加によって、ゼミ活動に支障が出た学生も多かったようですから

石渡さんの考える「就活による学業阻害」とは、「授業が行われているorゼミなどの活動が行われている可能性が高い時間帯・期間に、企業が広報活動を行うこと」と称することが可能だろう。これは、就活デモが考える「就活による学業阻害」ともほぼ一致するのではないか。僕自身も「就活により学業が阻害される」というフレーズを用いる時はこのような意味で使っていた。


一方で、常見さんの意見は若干異なる。常見さんは記事で以下のように述べる。

「学業阻害論は感情論ではないか」(中略)「就職ナビサイトをチェックし、説明会にいくつか出かけることがなぜ学業阻害になるのか、よく分かりません。逆に、広報活動開始前であっても、就活のことが頭から離れず何も手につかないという学生がいたら、立派な学業阻害になっています。

最初は何を言っているのかよく分からなかったけれど、ツイッターにて、前半部分は「授業の合間に説明会を予約したり、行ったりすることが何故学業負担になるのが分からない」という意味、後半は「就活の後ろ倒し(企業の広報活動が10月→12月になったこと)によって学生が行き場のない不安に駆られ、学業が手につかなかったら、それは立派な学業阻害だ」という意味では?・・・と教えてくださった方がいた。僕も、確かにその通りかもしれないと感じた。教えてくださった方、有難うございました。


常見さんの発言を読むと『企業説明会に参加するかしないかは、自分の予定に合わせてコントロールできる。だから、授業が行われている可能性が高い時間帯に企業が広報活動を行っていても、その事実をもって「就活による学業阻害」とは見なせない』というように考えていると思われる。もし僕の解釈が正しければ、常見さんは石渡さんが言う「就活による学業阻害=授業が行われているorゼミなどの活動が行われている可能性が高い時間帯・期間に、企業が広報活動を行うこと」という定義付けには賛成しないことになる。


また、常見さんは石渡さんが述べていない要素を一つ挙げている。それは、「広報活動開始前であっても、就活のことが頭から離れず何も手につかないという学生がいたら、立派な学業阻害になる」という部分。この発言によると、就活のことが頭から離れないか否かは個人の問題の訳だから、同じ学年の就活生でも、ある人は学業が阻害されていて、また別の人は学業が阻害されていない・・・という状況が成立することになる。それとも、多くの学生が就活に不安を抱く蓋然性が高い状況になっていれば、全ての学生の学業が就活により阻害されていることになるのだろうか。そして、「多くの学生が就活に不安を抱く蓋然性が高い状況」とは一体どのような状況なのか?突き詰めて考えると、よく分からない。


ただ、あくまで今日の記事で大事なのは「就活による学業阻害」という定義は一つではないかもしれないということ。正直、「就活による学業阻害」と言う言葉を、石渡さんの言うような「授業が行われているorゼミなどの活動が行われている可能性が高い時間帯・期間に、企業が広報活動を行うこと」だという意味で、批判精神無しで使いすぎた。


でも、常見さんの言うように、いくらスケジュールを自分でコントロールする余地があるといっても(つまり、授業があるなら会社説明会に行かなければいいだけという考えを常見さんは持っている?)、企業の会社説明会は大概どこも同じような時期に集中的に開催されるので、いくら予定を調整しても、結局は学生にとって学業に取り組みにくい状況になっているんじゃないか。常見さんは「説明会にいくつか出かけること」という表現を使っていたけれど、正直説明会に「いくつか」出かけるくらいじゃ済まないのが現在の就職活動だろう。かといって、「説明会に行かずに授業に出る」という選択をして内定が取れなかった場合には「甘え!」「あなたが授業に出てた時に、私達は企業研究頑張ってたから。自業自得じゃない?」「努力が足りなかったんだ」という風に周囲から言われるのは容易に想像がつくし・・・。就活生は「どの企業の説明会に参加するのか」という選択権を有しているようで、実質的にはその選択権を自分の意思で行使することが困難な状況に置かれているのだと思う。


話がそれたが、就活に関して議論をする際には・・・例えば今回のように「学業阻害」について話しあう場合には、どのような状況を持って「学業阻害」とみなすのか、なぜそのような見なし方をすることが妥当なのか。要は、言葉の定義を明確にすることと、自分がなぜそのように定義したのかということを合理的に説明できるようにすることの必要性を各人が自覚しなければならない。

「学業阻害」について話しあう場合には、どのような状況を持って「学業阻害」とみなすのか、なぜそのような見なし方をすることが妥当なのかを明示した上で議論を進めるべきだという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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No title

今回の記事でスポットを当てられた点は、現在の就職活動において実はかなり大きな問題にも関わらず
就職活動であまり話題になりませんね。

もし話題になっても平日に説明会をやるのはけしからん「石渡氏派」or
第一に授業が優先であり、行く行かないは学生の自由。
説明会に行かなくても内定は取れるのでその点を考慮する必要はない「常見氏派」と大きく分けて2パターンに分かれ、両者自分の主張を一切譲らずという形で思考停止が続いている印象を受けます。

(あくまで便宜上二人の見解を対立させただけで、この問題に関する二人の詳細な意見については分かりかねますが、記事を元に上記に分類しました)

どちらも極端ですが、あえていうなら僕は石渡氏派です。常見氏の意見は正論ですが、この見解を主張するなら就職問題全般に関してあれこれ提言をする資格はないと思います。
だってそんなこと言い出したら、就職が現実には企業が学生を採用するという形である以上、どんなに理不尽な事やおかしなことがあっても嫌なら民間に就職するな、起業しろではい終わり!!になってしまうわけですよ。

完全に学業阻害を防ぐためには新卒採用という制度を禁止してしまうのが一番手っ取り早いわけですが、さすがにそれは現実を無視していると感じます。
ですので、このような問題において例え大きな成果は得られなくても修正すべき点を修正すべきと意見表明することは自然な事だと私は考えます

個人的には、
就職活動の解禁日は従来どおり10月1日からにする。
但し、12月まで説明会は基本的に土日のみ、又は平日の17時以降~などなるべく多くの学生が参加できる日時にする。もし平日の日中にやる場合、説明会の動画を自社サイトにて配信することが望ましいと考えます。

動画は批判もあることを理解していますが、よく言われる批判で説明会に直接来てくれる熱意ある学生が~や、自社のカラーを肌で感じて欲しいのでという意見はかなり怪しいものだと私は感じています(だから動画配信はしませんというのも)
そもそもネットで予約できる説明会に参加する事が熱意の表れだとは思えませんし、HPとIRをなぞっただけの話が多々見受けられる単調な説明会でどんなカラーを感じろというのか、今日4回目のセミナーで明らかにけだるそうな人事の顔からどのような印象を持ってほしいと会社は思っているんでしょうか?

もちろん直接社員さんと対話できる、人事と話す機会が多いセミナーもありますが、そのようなセミナーなら自然と多くの学生が来たがります。

少なくとも会社側が言うような動画配信にすると学生が説明会に参加せず済まそうと~というのは的外れだと思いますし、逆に志望する会社について全て配信される動画で情報収集を済まそうという安易な輩を判別できるわけですよ。

面接で御社が第一志望です!!と言われても、じゃあ動画だけでなく2月、3月に開かれた説明会にも直接来てくれたんですね?と確認できるじゃないですか。
それに動画だけに飽き足らず説明会に来てくれる学生はその会社をある程度以上志望してるわけで熱意ある学生を見極める手段にもなりえます。
少なくとも地方学生の救済という意味でも説明会の動画配信はもっと増えるべきだと私は考えています。

長々と読みづらい文章を申し訳ありません。
自分も授業と説明会の両立に苦慮したので強く思うところがあり、書かせていただきました。


Re: No title

> モコさん

いつもコメント有難うございます。モコさんに限らず、記事を読んでくださった方が長文のコメントをくださるのは、僕は嬉しく思っていますよ。

説明会の動画配信のことについてコメントいたしますと、僕も同意見です(というか、このことについて記事を書こうと思って放置してしまっていました・・・)。企業概要の説明をweb配信にして、その説明をきっかけに会社に興味を持った人が座談会に参加する。「会社説明会の後に座談会の時間を設ける」という企業も多いですが、就活生と社員が対面する場においては、人事のつまらない(というと失礼ですが!笑)プレゼンに時間を割くのではなく、説明会の時間フルに「質疑応答を中心とした座談会」のような形にした方が、就活生・企業(社員)双方にとって有意義且つ純粋に楽しいのではないかと思います。web配信にすると、コストが掛かるんですかねー・・・。

勿論、地方学生のことを考えても会社説明会のweb配信は重要です。仮にコストがかかっても、「地方学生のことを考え、弊社はCSRの一環としてweb会社説明会を開いています」というメッセージを載せれば、それは企業のイメージアップにもつながると思うんですけどね。

前半部分については、コメントの返信を少々待っていただけると助かります。

No title

説明会やセミナーに出なければ即アウトな企業ってそこまでないとは思うけどねー。

人気企業ですら(就活=人気企業への就活って感じがするのであまり好ましい書き方ではないが)
・応募人数をある程度篩い分けたいから説明会参加を選考での必要条件にしよう
・説明会に参加して第一志望アピールしかできない学生よりも、純粋に優秀な学生が欲しい
という二通りの解釈があるしな。

人気企業ともなると単純に人気だからエントリーする学生が大半で、選考側がウンザリしてるってのは容易に想像つくだろ。

webセミナー(あとは会社資料の送付)を開催するってことは「リアルで説明会に出られないような学生でも採用に値する人は選考しますよ」って言ってくれてるもんだと思うが、学生側も疑心暗鬼になってるわな。

Re: No title

> のさん

いつもコメント有難うございます。

本田由紀先生の「軋む社会」という本によると、応募者の「忠誠心」を試すために、あえて煩雑な手続き(説明会参加の強制など?)を就活生に課す企業もあるようです。「忠誠心」を試すためか否かは分かりませんが、確かに説明会必須の企業は多少あったような・・・(多数派というわけではありませんでしたが)。これについては、就活生に負担をかけさせて酷いという見方もあれば、企業側から見れば応募者の人数を絞れて合理的なやり方だという見方もあるでしょうね。

説明会に参加してようがいまいが、エントリーシートの出来がよければ面接に進ませれば良いじゃんともいえそうな気がしますが、企業側からすればエントリーシートを読み込む暇が無いのかも。以前僕自身が否定した、武田薬品工業の「TOEICの点数」により応募者の絞込みを行うのが、案外妥当な手法な気がしてきました・・・。

※すみません、コメントへの返信をする前に最新記事が更新されていますが、これは以前に書き終えて予約投稿していた記事が更新されただけなので、お気を悪くしないで頂ければ嬉しいです。重ね重ね、いつもコメント有難うございます。

No title

朝っぱらに、それもきりのいい時間に投稿されてたので何となく予約投稿ってのは想像できたw

説明会に参加するという「忠実度」を評価指標とする会社は確かにあるかもな。
ただTOEICみたいに(一側面ではあるが)英語力を評価指標とする場合に比べたらあまり合理的だといえないとも思う。

人気企業ランキング上位の常連の某商社はESすらない代わりに筆記の足切りが同業他社と比べて高いそうだ。
本当だとしたら指標も客観的だし、就活生側も納得いくよね。

Re: No title

>のさん

やはり予約投稿だと言うのはバレバレでしたね(笑)お気を悪くなさっておらず、ほっとしております。

確か住友商事はESが無くて、筆記試験の後に簡単に自己紹介用紙みたいなものを渡され、筆記通過者のみそれを書いて持ってくるという形だったと思います。仰るとおり、指標が客観的だというのもそうですし、就活生にかかる負担もそれほど大きくないので(且つ企業にとっても、それほど負担が掛からない?書類審査をしなくてよくなりますし、人物評価は面接でやればよいだけですし)、理想的な形の一つかもしれませんね。
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