スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「人物重視」なんてたいしたものじゃない、「人物重視(笑)」と称するくらいで丁度良い

常見陽平さん著の「親は知らない就活の鉄則」という本に「ソー活と学生のネット上の不祥事」という章がある。具体的には、ネット上で不謹慎な言動をしたり、動画を流したりすることによる「炎上」の危険性について指摘している。本では実際に起きた2件の「炎上」が取り上げられており、一つは大手電機メーカー内定者がホームレスを襲った動画を掲載した事例(http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20091029/Rocketnews24_17774.html参照。ただ、これは自作自演らしい)、もう一つは大手百貨店内定者がtwitterでレイプを容認するような発言をした事例(http://www.j-cast.com/s/2011/02/21088618.html?p=all)である。


これらの件に限らず、三井物産内定者が電車で寝ていた老人を勝手に撮りネットで晒した事例もあった(老人を盗撮しても、三井物産内定者・・・?~面接は所詮茶番なのか~  どちらかというと、http://omasoku.blog90.fc2.com/blog-entry-745.html参照。中には、「三井物産は俺を落としておいてこんな馬鹿をとったことを後悔しとけ」「こういうクズのほうが受けがいいからな。人間力で採用が聞いて呆れるよな」というレスも)。この件は、一体どのような結末になったのだろう。「三井物産」と検索するだけでこの不祥事について取り上げているページがあっさりヒットするので、相当マズいと思うのだが・・・。


これらのようなネット上の不祥事自体も、もちろん問題だ。しかし僕が興味があるのは、ネット上の不祥事を起こしている人たちは、まさに「人物重視」の選考を勝ち抜いている、すなわち面接官から「落とした何千もの学生よりも、この人と一緒に働きたい」と思われた人でもあるということ。以前、このブログでも三井物産内定者の事例を題材にして「企業は人物重視を謳いながら、実際は他人をバカにしているような人を採用している。面接官は自分の見る目に限界があることを認めるべきだ」ということを主張する記事を書いた。


しかし、今日書きたいのは「面接官の人を見る目の無さ」ではなく、「人物重視」という言葉の意味についてである。


「人物重視」という言葉はよく用いられる割には、その意味は実に曖昧なままにされているような気がする。「選考において、応募者の資格・能力よりも人間性を重視する考え方をいいます」と言われるとなんとなくそうなのかなと思うけれど、だったらなんでホームレスを襲う動画を掲載するような人が内定を得ているんだという疑問が浮かぶ。


ただ、当たり前だが、面接官も面接の時点て「この人、ホームレスを襲う動画を掲載してみんなで笑いものにしそうだな」なんてことを思えるわけが無い。面接での会話を通じて「人間的魅力がある」「一緒に働きたい」と思うに至ったから、選考を通過させたり、内定を出したりしたわけだ。「この人、本当はホームレスを笑いものにするような動画を撮影する人なんですよ!ちゃんと見抜いてくださいよ!」と言いたい人もいるかもしれないけれど、面接官にそこまで求めるのは酷だ。企業が自社の悪いところをごまかすように、就活生だって面接にて多かれ少なかれ演技をしている。その演技を確実に見抜く方法は僕には全く分からないので、面接官にもそれを求めることはできないと考えている。


ただ、各面接官は「人を見抜く目には限界がある」ということを認めることと同時に、「人物重視」という言葉の意味が「人間的にすばらしい人を採用することというよりは、あくまでも私たちが素晴らしいと『感じた』人を採用するのを目指すこと」というものであることを明確にする必要があるのではないかと感じる。本当に細かい話だけれど。


「キャリア教育ー小道具と本筋」という論文を書いている金子元久さんという方は「就職活動は単に多大な時間を要するだけではなく、学生が企業によって自分の価値を否定され続けるプロセスであるともいえる」と述べる。この記述には同意で、選考に落ちたときに苦しいと感じる理由は単に入社の道が絶たれたというもののみではなく、自分が人間として否定されたという気分を味わうことが大きい。そして、なぜ面接に落ちたことが人間として否定された気分になることにつながるのかというと、企業が「人物重視」を掲げている、すなわち「内定を得た人は人間性が優れていて、そうでない人は記号から人間として失格の烙印を押されたに等しい」というように就活生が解釈してしまうからではないか。


「面接官が採用を決めた人が必ずしも人間性が優れているとは限らない。もちろん、本当に素晴らしい人もたくさんいるだろうけれど、中にはクソみたいな奴もいる」というように、企業の掲げる「人物重視」なんて所詮はその程度のものだという意識が広まると良いのかもしれない。そのために、不謹慎だけれど、内定者のネット上の不祥事を有効活用することは役に立つ。彼らは「大手企業内定者だからといって、人間として完璧であるとは限らない」ことを身をもって実証してくれているのだから。自分を否定され続ける気分を味わうことは、うつ病、最悪の場合には自殺にも至る危険性があることは明白。このような危険性を少しでも除去するためにも、「人物重視」という言葉をあまり持ち上げるのは良くないのかもしれないと感じる。「人物重視(笑)」と称するくらいで丁度良いのではないか。

「人物重視」なんてたいしたものじゃない、「人物重視(笑)」と称するくらいで丁度良いという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

ネットによる不祥事はその会社の面接官の見る目がない証拠を教えてくれる。

面接重視=人物重視=その人のそれまでの人生の評価 とミスリードさせてしまう。

まったくそのとうりですね。

面接重視=その会社の論理に染まりやすいか ぐらいの認識に変わってほしいですね。

No title

また昔話でなんですが、
親戚で、経営していた会社をつぶされた人がいます。
会社の金を使い込まれて。当時経理を担当していた社員に。
採用の段階で、そのならず者社員をならず者と見抜けなかったようで。

雇う側にとって、本当に不祥事や問題のない潔白な人を雇いたいなら、
性悪説前提でコストをかけてでも内定者に強力な身辺調査をするしかないんでしょうね、
・・・・・色々嫌な話ではありますが。

Re: No title

> ツイッターリンクより さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

「面接重視=人物重視=その人のそれまでの人生の評価」という構図が出来上がることで、必要以上に苦しむ人たちが発生してしまいかねません。本当に認識の変化が必要だと思っています。

Re: No title

> L_z_m_i さん

こちらの記事にもコメントありがとうございます。

ビートたけし著の「私は世界で嫌われる」という本の中で、L_z_m_i さんがコメントしてくださったことと似たようなエピソードが書かれています。

<うちの社長に「最近、ろくなマネージャーいないんだよ」っておいらがこぼしたら、「今回は、私がびっちり面接して大丈夫だと言う奴を選びました」って胸張っている。そいつがわずか2週間後に、みんなの金持って逃げちゃった。怒るよりおかしくて皆でげらげら笑ったよ>

本で読む分には面白いですが、実際に起きたらたまったものじゃないでしょうね。「強力な身辺調査」ということに関しては、現在では応募者のtwitterやfacebookを確認するという手法を採る企業もあるかもしれません。効果はあるかもしれませんが、絶えず監視されているようで息が詰まりそうですね・・・。

No title

>そのために、不謹慎だけれど、内定者のネット上の不祥事を有効活用することは役に立つ。(中略)このような危険性を少しでも除去するためにも、「人物重視」という言葉をあまり持ち上げるのは良くないのかもしれないと感じる。「人物重視(笑)」と称するくらいで丁度良いのではないか。

人は人自分は自分って考え方すれば、大手内定者の人間性が必ずしもよいわけではないからって、何十社と企業に否定され続けて無内定の人が安心できるわけではない
とにかく自分が会社とマッチングするかって話で何十社と否定されるわけだし、無内定に終わるとどこからも「合う人」と言われなかったようなもん。
「就職できる人だからって~」と言えば安心できるのかもしれんが

勿論「人物重視(笑)」って姿勢も必要だけどね。
人事には配属面談で営業(メーカーだと生産管理)第1志望だったのに「人物重視」とやらで第3希望未満の人事に配属された人だっているしなww

No title

採用者の身辺調査に探偵社や興信所を使ったりするのは昔からあるようで、
母(団塊世代)が昔就職(今も有名な化粧品メーカーに)したときでも興信所に調査をされたとか。

自分は以前にも、とあるSNSのコミュニティでなんですが・・・
「うち採用時に素行調査してて探偵社変えたいんだけど、いいトコ知らない?」(意訳)と尋ねていた人事担当職らしい人がいて、ついカッとなってその人を叱ってしまったことがあります、
「いちいちソレ使わなければイカンほど雇った人を信用できないか?
人を信用できないなら何のために求人するのか?」と。
相手からは、
「社長がお金や情報漏洩で痛い目にあった事がある」「サラ金調査をしておきたい」などの旨の答えがあって、その時もここにも書かせて頂きました親戚の事例を思い出して
ちょっと気の毒になってきて相手をこれ以上叱れなくなった・・というようなことがありました・・。

Re: No title

>のさん

こちらの記事にもコメントありがとうございます。

仰るとおり、この記事のような話が無内定の人の安心につながるかといえば疑問で、今となってはむしろ「なんでこんな人が受かって、私が落ちるんだ!」という気持ちにさせるだけのような気がしてきました・・・。

「人物重視」は選考、あるいは配属における理不尽な決定を正当化するための魔法の言葉なのかもしれませんね(笑)

Re: No title

> L_z_m_iさん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

応募者の素性を徹底的に明らかにする姿勢は息苦しいものですが、何か問題を起こして会社の責任になってしまってからでは遅いですからね。その人事担当職の方の気持ちも分かります。仕方が無いことなのかもしれません・・・。
main_line
main_line
ブログランキング
おかげさまで、ブログ村の「就職バイトブログ」のカテゴリで「1位」を取ることが出来ました。この場を借りて、お礼を申し上げます。これからも記事を多くの人に読んでいただけたらと思いますので、もし宜しければ、今後ともランキングへのご協力を宜しくお願いいたします。
RSSリンクの表示
follow us in feedly 
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
プロフィール

Author:lingmu
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。