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就活デモのビジョンの無さを責めるなら、「就活のバカヤロー」の著者二人も同様に責めるべきでは?

「現在の就職活動は、やっぱりどこかおかしいんじゃないか?」


現在多くの人がこのような感覚を抱いているとしたら、その背景としては、石渡嶺司さん・常見陽平さん著の「就活のバカヤロー」が出版されたことが大きいと思う(表紙にある「大沢仁」さんというのは、常見さんのペンネームだったらしい)。

「企業と社会の未来をつくる行為」「学生個々人が未来に向けて大きな一歩を踏み出す行為」であったはずの就職活動は、いまや騙し合い、憎しみ合いの様相を呈し、嫌悪感と倦怠感が渦巻く茶番劇に成り下がった。さて、いったい誰が悪いのか。

このような問題意識を元に、学生・大学・企業・就職情報会社を批判していく様はそれなりに痛快で「やっぱり就活っておかしいんだな」という気持ちを後押しする本になっていると思う。


ただ、この本に対する重要な批判がある。それは、amazonのカスタマーレビューにある

著者らが現在の就活事情について各対象に”気持ち悪い”と感じていることは伝わったが、肝腎の「ではどうするのがよいか?」といった著者ら自身の主張が何も述べられていない。「体系的で、具体的な解決策は本書ではあえて提示していない」(p.271)・・・らしいが、言い訳であろう

という類のもの。カスタマーレビューを見てみると、同様の疑問を抱いている人は他にも数人いる。


これらのレビューとまさに同じようなことを、石渡さんが就活デモに対して言っているのが少し面白い。「就活デモは、そもそも目指す方向がどこにあるのか、全く見えませんでした。異議を表明するのはいいのですが、じゃ解決策は何?という出口が見えないのです」という評価をしているのだ(http://reiji0.exblog.jp/15247836/)。


ただ、解決策を示せていないのは何も就活デモだけじゃないんじゃないかという気がする。就活のバカヤローは2008年11月に初版が発行されたわけだが、あれから3年以上経っている現在、石渡さん・常見さんは「ではどうすれば良いのか?」という疑問に著書などを通じて答えたのだろうか。僕の感覚では、二人共「就活をどのように変えていきたいのか?」という点について、それほど明確なことは言っていないように思う。


贔屓目も入っているかもしれないけど、個人的には就活デモに対しては「新卒一括採用反対!」、「大学を就職予備校化するな」というビジョンを感じる。勿論、そのビジョンの内容が妥当かどうかはまた別の話なのだが・・・。一方で、石渡さん・常見さんに対しては「採用担当者・就活生の思惑の裏側を明かす人たち」という印象を持っていて、「就活をどのように変えていきたいのか?」という点に関する明確なビジョンを持っている人たち・・・という印象は殆ど無い(あくまで僕の「印象」であり、「事実」とは異なるかもしれない)。


なお、常見さんに関しては「くたばれ!就職氷河期」という本の中で「就活をどうするか」という章を設けている。その中で、例えば「就活改革に向けた提言 企業編」というように、就活に関する主体に対してそれぞれ提言を行っていることから、就活の改善策のビジョンをそれなりに示しているようにも思える。


しかし、この本に書いてあることが常見さんの本心なのか、疑問に思うところもあるのだ。例えば、「くたばれ!就職氷河期」には「エントリーシートをいっそのこと、廃止してしまってはどうか?」という主張がある。その理由として「エントリーシートは一生懸命書いたところで、必ずしも読まれるとは限らない。負荷ばかりかかって不透明感しか残らないものになっている」というものを挙げる。しかし一方で、自身のブログにて(http://blog.livedoor.jp/yoheitsunemi/archives/51352851.html

(就活の院内集会にて)「手書き履歴書を100枚書くのは嫌だ」というご意見があり、海外ではたいていPCで書いているという声があり、最もだと思いつつ、人事部は手書きに意味を感じていたりするからここも悩ましい(ここは特に理由がないこともあるが、意図がある企業もたしかにあるんだな)。

と書いていて、「いや、あなたはそもそもエントリーシート廃止派なんだから、ましてや学生に負担を課す手書きエントリーシートなんか論外でしょ。エントリーシートの無意味さを主張して、学生の味方してくださいよ」と思ったのである。「手書きエントリーシートに意図がある企業もたしかにあるんだな」とか言っている場合じゃないでしょ!と(笑)


まとめると、石渡さんに対しては「就活をどう是正したいのかが、よく分からない(勿論、僕が知らないだけで数多くの主張をしているのかもしれない)」、常見さんに対しては「就活をどう是正したいのかというビジョン自体は著書で示されているけど、本当にそのビジョンを実現したいのか疑わしい」という思いを抱いていることから、二人に対して「茶番である現在の就活を是正しようとする人たち」と言う印象を個人的には持てないでいるのである。石渡さんに限らず、就活デモに対して「デモを通じて、何を果たしたいのか分からない」という批判は寄せられていて、その批判自体は正しいのだけれど、本当にその批判は就活デモ「のみ」に向けられるべきものなのか。この点は疑問に思っている。


僕も含めて、「現在の就活のどのような点を、どのように変えるのが妥当なのか」ということをきちんと言えている人は、実際殆どいないんじゃないかと感じる。少なくとも今回の記事を書いたことで、これまでブログで行ってきた主張を体系的に整理し、現在の就活の問題点、及び対策を分かりやすくまとめることが必要なのではないかという思いを強くした。


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手書き履歴書にしても

「就活のバカヤロー」なる本を書いた人たちの件からはズレますが、

国内でいまだにこういう応募書類が電子化されないというのにしましても
「手書きでこそ意味重みがある」(<団塊以上の世代も十中八九そう言う)という日本特有の観念に加え、
少し以前の記事でも
今でこそ採用担当者がエントリーシートを読むのにいっぱいいっぱいになっている、という話がありましたように(特に就職人気ランキングで上位になるような企業では問題なんでしょうね)
ここで応募書類の電子化を認めるともっとエントリー数が増えて対応しきれなくなる、というのもあるのかなあ・・・とも思ったり思わなかったり。

Re: 手書き履歴書にしても

> L_z_m_i さん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。

確かに手書きエントリーシートにはエントリー数を抑える効果があると思います。やはり面倒ですからね。ただ、手書き自体は大して意味が無いと僕は思っているので、エントリー数を抑えるにしても別の手段を採った方が良いのではないかと考えています。

No title

石渡氏は非常にイタイ人だと思います。彼にはビジョンもロジックもありません。
過去の自分のブログエントリーですが、

[ブックレビュー]  『転職は1億円損をする』(石渡 嶺司) - 読む価値無し
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1472865.html

論理も何もない石渡嶺司氏の「就職悲惨日記」
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1472890.html

Re: No title

> 吊られた男 さん

こちらの記事にもコメント有難うございます。どちらも読ませていただきましたが、内容・文体共に痛快でした(笑)googleで「石渡嶺司」と検索しようとすると、検索候補に「石渡嶺司 バカ」というものが出てきますが、それも分かるような気がしました・・・。

石渡氏について

石渡氏が"就活をどう是正したいのかが、よく分からない"ということですが、分からないのも無理はないと思います。恐らくあらゆる著作をチェックしたところで具体的な是正案らしきものは見当たらないのではないでしょうか。なぜなら彼は「就活を特にどう是正したいとも思っていない」からです。

僕は就活どうにかしろデモの実行委員をしていた時に機会があって彼と1対1で1時間ほど話したことがあります。現行の就活に対する問題意識は共有するものの、改善案に対しては彼はことごとくデメリットを挙げて反対。改革のコストやリスクを考えたら現状維持がマシだそうです。

単に考え方が異なるというだけなら彼を嫌いになるほどのことではありませんが、僕がどうしても許せなかったのは「そんなことやったって何も変わらないんだから無駄な努力はやめるべき」といった具合に現状を変えようと行動を起こすこと自体を否定する発言が数多く見られたことでした。著作や口頭では就活の問題点を色々と指摘しているものの、一連の発言からは就活をどう是正したいといた類の意思は一切伝わってきませんでした。

彼のそういった発言や思想の背景については僕の知るところではありませんが、こういった経験から、石渡氏は現在の就活のルールの中で必死に内定を目指す学生には(少なくとも表面上は)好意的である意味味方かもしれないですが、ルール自体を疑う人にとっては味方でもなんでもないというのが僕の意見です。

Re: 石渡氏について

>William Yamin さん

こちらの記事にもコメント有難うございます。

>著作や口頭では就活の問題点を色々と指摘しているものの、一連の発言からは就活をどう是正したいといた類の意思は一切伝わってきませんでした。

じゃあ、なんで就活のバカヤローを書いたんだ!・・・というのが石渡さんに対する感想です(笑)なんで現状維持が一番マシなんだろう・・・。気になるところです。


僕は石渡さんが、就活デモの訴えの中身・目的をミスリードしようとしているんじゃないかと疑っているので(笑)、この点について今度記事を書いてみたいと思います。
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