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単線的な可能性のみではなく、複線的な進路を示す動きを高めるべきだ

新卒一括採用の問題点の一つとして、学生が「卒業までに就職先を見つけないと、社会から落伍者の烙印を押される」という不安を抱きやすくなることが挙げられると思う。このような不安は学生を精神的に追い詰めると共に、「大学の講義に出たいのに、就活のせいで出られない」という類の学業阻害論にもつながる。


この問題点を解決するための策として「新卒一括採用の廃止」を企業に訴えることが考えられる。ただ、これが唯一の策というわけではなく、「新卒で会社に入って、そのまま定年まで勤め上げる。あるいは、必要に応じてどこかの企業に転職する」というオーソドックスな価値観を壊すモデルケースを広めることも重要ではないかと考える。


僕は今、サッカーライターの川内イオさん著の「サッカー馬鹿 海を渡る」という本を読んでいる。川内さんは、当初は都内の広告代理店に勤めていた。仕事は多忙で、帰宅は連日終電だったとのこと。当然、当時開催されていた日韓ワールドカップも見れなかった。そんな中でも、会社から「日本VSトルコ」の観戦許可が出て、会議室で他の大勢の社員と盛り上がっていた。その最中に上司から取引先への届け物を命じられ、川内さんは「ワールドカップが観られない仕事はやめよう」と思い、サッカーライターとしての道に進むに至った。新卒で入った会社を僅か9ヶ月で辞めることとなった。


「サッカー馬鹿 海を渡る」という本には、スペインにて、サッカーライター・監督・コーチ・トレーナー・カメラマンなどの形でサッカーに携わって生計を立てている、あるいは過去に立てていた人たちの声が載っている。この人たちの特徴は、川内さんの言葉を借りれば「本当にただ好きなだけでスペインにやってきて、勢いとほんのちょっとの幸運でメディアの仕事に関わるようになった」という点にある。


スペインはとにかく大らかだから、過去の経験や指導暦などの実績は関係なく、熱意さえあれば可能性は十分あるとのこと。川内さん曰く「日本人がコーチングを学びたいと、どこかのクラブを訪ねた時、少なくとも門前払いはされないだろう」とのこと。この本でも、例えば野球経験しかなかった人が大学卒業後にスペインに渡り、2ヶ月間断られ続けた末に3部リーグのクラブでの練習に混ぜてもらう権利を獲得し、この経験を元にサッカーライターとしての活動をスタートした中嶋亨さんの声が載っている。


勿論、「大概の人には当ても無くスペインに行く行動力なんか無い」という意見もあるかもしれないけれど、「スペインでサッカーに関わる仕事に就くこと」のみが全てではない。当然、スペイン以外の他国で暮らすことも選択肢としてあっても良いし、もしかしたら日本で「何年か履歴書の空白期間があったけれど、今では普通に働けている」というケースもあるかもしれない。


新卒一括採用に対して異論を唱える人が求めるのは、「企業が既卒者に対しても門を開くこと」それ自体ではなく「新卒を逃したら人生が著しく不利になる、あるいは不利になるという不安を抱かせる状況を是正してくれ」というものであると僕は理解している。要は「大学卒業→企業への就職」という単線的な可能性のみが見えやすい状況がおかしいのであって、もっと複線的な進路の可能性が示されれば「新卒一括採用」に関する議論はそれなりに落ち着くような気がする(ドライな見方をすれば、そこにビジネスチャンスがあるといえるかもしれない)。



何も新卒一括採用に対して異論を唱える人に限らず、「レールから外れたら、社会から落伍者扱いされる状況」に閉塞感を抱いている人はそれなりにいるのではないか。海外ニートさんのブログが多くの人に支持されたのも、「28歳で職歴なしでも、意識・行動次第で楽しく人生を送ることが出来るんだ」という、普通に考えたらあり得ない、新たな進路の選択肢を示したからだと僕は思っている。理想を言えば、そもそも「既卒者を社会の落伍者扱いしない」方向に動いていくのが良いのだろうが、基本的には日本人にそんなことを期待しても無駄だろう。特定の層を社会の落伍者扱いする人は放っておいて、「大学卒業→企業への就職」という単線的な見方以外の視点を提示することが重要だと思う。


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No title

ツイッターでフォローさせていただき、いつも更新を拝見しています。

去年の冬に、日経BPというサイトで、短いながら就活について意見を述べさせていただいたことがあります(http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20120124/226451/
そのときは就活に対する考えも知識も浅く(今でもですが(笑))、グループメンバーの意見をそのまま書いていた部分もあるのですが、その中でも「新卒一括採用の改善」「履歴書に小さな傷(空白期間等)があったら即アウト」つまり仰るような「レールから外れたら、社会から落伍者扱いされる状態」という現実を鑑みる必要があるという意見は今でもほとんど変わっていません。(というのは、その空白期間に対する動機・意義と責任を見出すことは必要だ、とは思うからです)

現代では可視的で有意義な結果を低コストで短期で出すこと」が第一に求められていると思います。学校のテストしかり、会社の営業ノルマしかり、短期決戦の就活での即戦力神話しかり。それは不況だけでなく、「早く・安く・便利に」が生活で浸透していっただからだと私は考えています。もちろんメリットもあると思いますし、長期的な視野というのは変動的ですから、思い描いていても当てにならないかもしれません。ですが、最短ルートで得られる結果ばかりを追求していたら、無意識のうちにそれ以外の有意義な選択肢をを排除してしまうような気がします。(それに企業が理想とするような技能を持ち合わせた新人が22年で育つのだろうか、という疑問もあります)

大学卒業→入社という進路以外にも多数の進路があることを提示し、知ることはとても重要だと思います。しかし、それだけでは、「(そういう)選択肢があることは知っているけれど、それを選ぶことは非常に難しいまま」になるのではないか、という疑問はあります。パソコンで例えれば、とても魅力的なサイトに飛べそうなリンクを見つけたのに何度クリックしてもリンク先に飛べない、リンク切れ…というような。自分で違うルートでたどり着くか、サイトの管理人に直してもらうか…。内的・外的双方の障壁は高い…と感じます。

Re: No title

> harukaokumura さん

はじめまして、コメント有難うございます。

仰ってくださっていることは、僕自身も感じていました。ただ、「今すぐには役に立たないかもしれないけれど、長期的に見れば価値が発生するかもしれないんだ!」という理屈に説得力を付与する言葉が思い浮かばず、悶々としております(笑)harukaokumuraさんが仰る「最短ルートで得られる結果ばかりを追求していたら、無意識のうちにそれ以外の有意義な選択肢をを排除してしまうような気がします」というものも一つの説得力のある考え方だと僕は感じました。


また、「(そういう)選択肢があることは知っているけれど、それを選ぶことは非常に難しいまま」になるのではないか、という疑問は確かにその通りだと思うのですが・・・。でも、どんな選択をするにしてもそれなりに意志と能力は必要になってくると思うので、あまり使いたい言葉ではありませんが、ある程度は「自己責任」で頑張らなければならないのかもなぁ・・・と思っています。

お金がない人間はどうすればいいのか?

『大学卒業→就職』というのはたしかに単線的だと思います。
(前回のコメントと若干の矛盾がありますが)あらゆる進路の可能性があっていいと思います。

ただ、学生が茶番にひとしい就職戦線に駆り立てられるのには就職できなかった学生を落伍者扱いする風潮とは別に、学生個人の経済的事情も考えられるのではないでしょうか。

つまり就職しなければ家族を養うことができない。自分の生活ができない、ということです。

「金がないなら大学に行かなかったらいいだろ!」
と思う人もいることでしょう。ですが、いまの日本では「働くために大学に行く」という人間が少なからず存在するのです。いや、いまの学生の大半がそうではないでしょうか?

高卒と大卒、あるいは専門学校卒と大卒との給料格差ないし就職格差を見れば明らかです。“大卒”という肩書があったほうが色々な面――とくに就職活動において有利なのです。だから、経済的に苦しい家庭でも、奨学金などをしてまで子供を大学に通わせるのです(私の友人にはこのケースに当てはまる人間がいます)。

学歴社会による弊害が生んだ差別、遊び目的や就活を有利にするために大学に入るような輩が増えたためにいまの状況があると私は考えます。

学歴というのは線引きをするのに何かと便利ですが、その線引きのために本質の価値が失われているのが現状です。ほんとうに大事なのは「何を学んだか」であるわけです。ですが、いまは「dこの大学(あるいは専門学校)を出たか」ばかりが重要視されるわけです。

実践は難しいとは思いますが、企業も学生も、そして社会も、肩書を重視する風潮に対して意識改革を行うべきではないでしょうか?


いつもながら長文になってすみません。
なんかブログ記事のネタになりそうです……。

安全パイをツモりたがる日本企業

こんにちは

『学生が「卒業までに就職先を見つけないと、社会から落伍者の烙印を押される」という不安を抱きやすくなること』はまさにその通りだと思います。
企業はリスクを嫌う傾向にあるからです。それは株式会社であれば尚更株主への配当を考え、身動きできない事でもあります。
『トレハロース』の独占的な販売で有名な某企業の社長は、有限会社を貫いています。
その会社は、利益を出したトレハロースの大量生産を発見した過程を大事にするために、有限会社(株主のプレッシャーのないスタイル)として、直接利益に結びつかない研究者を多く抱え、化石研究や霊長類研究などにも研究者を自社雇用し、手を広げています。
そういう利益とは無関係な研究が、後にものを言う可能性があると社長が考えているからだそうです。ただ、そういう会社が少ないのも確かです。

多くの企業は、少ない可能性に掛ける余力が無いのも確かですし、そういうことに価値を見出さない上層部がいるのも確かですし、社員は駒だと思っている封建的な考えの経営者もいるので、革新的な海外企業と差をつけられていくのではないでしょうか。
例えば、学生時代に海外をあてもなく放浪の旅に出ていた人を、その人の話に魅力を感じるかもありますが、『面白みのある人間』と捉えるか、『いい加減な人間』と捉えるかで、結果が変わります。

孫正義氏が台頭し始めた頃、『彼は革新的で天才だ』という声よりも『あんな男はダメだ』という声の方が国内で多かったように記憶しています。
日本はそういう国民性なのだといってしまえばそれまでですが、企業が生き残る為にはアイデアが必要であり、そのためには考え方を変える必要があり、そのためには発想力が必要だと思っています。
人と違う発想をする人は、人と違う生き方をしてきた人に多くいると思います。
今は革新的な若い社長が起業し伸し上がって来ているので、古い体質の企業も真摯に向き合って欲しいと思っています。
ただ私は、こうも思っています。
企業が生き残る為のアイデアを出すという事は、就活生にも当てはまると。
革新的な新人が多く生まれ、就活に生き残るアイデアを自分で組み立て乗り越える事で、企業の体質も変わってくのだと。
何故なら、企業は人間集団の一形態だからです。そういう人間が多くなれば、結果その方向に行く可能性が出てきます。
ですので、私一個人の理想論ですが、企業も就活生も、そして我々一社員も、受動的ではなく能動的にやっていければと思っています。

No title

サラリーマン以外に生計を立てる方法ならば本来は大学生活のなかで模索すべきだとは思います
農業のようなキツい仕事は人手不足なのに誰もやりたがらないのは「大学出たのだからホワイトカラーでしょ」という考えもあるのでは
ただ本気で努力して勉強したのに就職先がない学生と、遊んでいたばかりに就職先がない学生とでは話は違うと思います。(黒紅茶さんの発言にもありますが多くの学生は遊び目的や学歴という肩書目的で大学に行くという感じは受けます)

Re: お金がない人間はどうすればいいのか?

> 黒 紅 茶 さん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。

>企業も学生も、そして社会も、肩書を重視する風潮に対して意識改革を行うべきではないでしょうか?

それが出来れば一番良いのでしょうが、現実性が無いのもまた事実であると思います。だからこそ、「肩書」が無くてもそれなりに出来るモデルケースを顕在化することに意義があるのではないかと僕は考え、今回の記事を書いたという所はあります。良かったら黒 紅 茶 さんのブログで考えをまとめていただければ嬉しいです。僕、たまに読んでいるので(笑)

Re: 安全パイをツモりたがる日本企業

> とんぷー さん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。「トレハロース」の件については僕は知らなかったので、勉強になりました。「利益とは無関係な研究が、後にものを言う可能性がある」・・・これは上のコメントでharukaokumuraさんが仰っている「長期的な視野」の重要性を支える考え方だと感じました。


複線的な進路が可視化されたとして、その中でどんな道を選ぶにしても、最終的には個人の能動的な姿勢が重要になることは間違いないでしょうね。

Re: No title

> サラリーマン以外に生計を立てる方法ならば本来は大学生活のなかで模索すべきだとは思います~ というコメントを下さった方へ

はじめまして、コメント有難うございます。

「遊んでいたばかりに就職先がない学生」の救いになるようなモデルケースがあっても良いと僕は思っています。記事で取り上げた海外ニートさんのブログ(今は閉鎖されています)はまさにそんなケースです。このブログは、28歳職歴なしで海外に行き(それまではパチンコでお金を稼いでいた)、且つ留年もしていた人によって書かれていたのですが、それでも海外で必死に英語・専門知識を勉強したことで、最終的に働きやすい会社で働くことが出来ています(確かシンガポールの会社だったかと)。この成功体験を一般化することは困難ですけれど、「もう適当に人生生きれば良いや」と思っている人にとっては、このようなモデルケースが人生に気合を入れなおすきっかけとなるかもしれません。

海外に行きたくても行動力以前に、渡航費用及び語学学校に通うお金がないので無理ですね。海外ニートさんだっておそらく親にお金を借りたのでしょう。
高校生大学生にならば資金援助してくれる団体もありますが、既に大人になってしまった人間に対しては冷淡なのが現実。
本来頼みの綱だった筈の左翼勢力は今や無職や非正規労働者はそっちのけで勝ち組目線での脱原発運動一色。これは絶望したくもなります。

Re: タイトルなし

> ななみさん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。

>海外に行きたくても行動力以前に、渡航費用及び語学学校に通うお金がないので無理ですね。海外ニートさんだっておそらく親にお金を借りたのでしょう。

いや、上のコメント返信にも書いてあるように、海外ニートさんの資金調達の手段はパチンコですよ。多分、親から借りたのではないはず。

この記事のタイトルは「単線的な可能性のみではなく、複線的な進路を示す動きを高めるべきだ」ですけど、さすがに複線的な可能性を実際に手に入れるためには、受身の姿勢ではなく何かしらの努力・行動が必要なのではないかと思います。
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