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「就活により学業が阻害されている」というフレーズにおける「学業」とは何だろう

今までこのブログでも何回か取り上げてきたが、現在の就活に対する不満の一つとして「就活により学業が阻害されている」という主張がある。この点、ここでいう「学業」という言葉の定義は一体何なのだろうという疑問を抱いている。恐らく「(大学での)学業」と耳にして、全員が同じイメージを共有することはないのではないかと想像する。


第一に「学業」を「卒業に必要な単位を取得すること」と定義することが考えられる。このように定義する人にとっては、「就活により学業が阻害されている」という主張は単なる甘えの発散としか見なせないのではないか。「就活が忙しくて卒業が危なくなるなんて、単なる自己責任だろ」という具合に。僕自身も、就活が原因で卒業が危なくなった人に対しては特に救済の必要を感じないけれど、就活による学業阻害を訴える人は別に「就活のせいで卒業が危なくなったんですよ!」とは考えていないだろう。


第二に「学業」を「登録した講義に欠かさず出席すること」と定義することが考えられて、就活による学業阻害を訴える人たちの殆どはこのような定義づけを行っていると想像する。このように定義した場合には、「卒業に必要な単位を取得すること」と定義した場合に比べて、学業が阻害されているという主張の切実さが伝わるのではないか。例えば、倫理憲章上は「採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する」と書かれているけれど、現実には講義が行われている時間帯に説明会が開かれることも珍しくない。また、全部の企業の事情は知らないけれど、倫理憲章にサインしていない企業が特段、大学の学事日程を尊重しているということは無いだろう。


ただ、このように定義した場合においても「確かに講義が行われている時間帯に説明会は開かれているかもしれないけれど、それでも講義に全部出れないと言うことは無いだろうし、自分の工夫次第で両立できるんじゃないの?」という反論を受けそうである。このような想いを抱いている人にとっては、「就活により学業が阻害されている」という訴えには共感し難いのだと思う。


第三に「学業」を「自分が学びたい分野を学びたいだけ学ぶこと」と定義することが出来ると考える。このように定義する人にとっては、現在の日本の就活の慣習には非常に憤りを覚えると思う。このような定義づけは「卒業後に就活をさせてくれ!」という訴えと結びつきやすい。


以前コメント欄で「(授業を受ける権利だけではなく)自主学習も阻害されてはならないものですよね?」 という意見を頂いたことがある。確かに「学業をする」というのは、何も講義を受けることで完結するものではない。講義はあくまできっかけであって、そこから自分の好奇心に従って探求したい分野を調査してこそ、「学問に打ち込んでいる」状態と言えるのではないか・・・と僕はイメージしている。この点、茂木健一郎さんはツイッターで「就活の片手間に出来るほど、学問というものは甘いものではない」と言っており、もし「就活と学問なんて、頑張れば両立できるでしょ?」という人がいるのならば、その人は実は学問を修められていないのかもしれない。


ただ、これに対して「本当に勉強したいなら大学院に行けば?」という反論を受けることが容易に予測される。また、大学の講義だけでなく自主学習まで含めて「学問」と称する人は正直少ないと思うので、そもそもこのような定義づけに基づく学業阻害論はあまり受け入れられないのかもしれない。


「学業」をどのように定義しようが、結局は何かしらの反論を受けることは避けられない。ただ、「就活により学業が阻害されている」という主張を耳にした時に、主張をしている人が「学業」をどのように定義しているかを掴まないと見当ハズレの反論をすることになるだろう。例えば、「学業」を「自分が学びたい分野を学びたいだけ学ぶ」と定義している人に対して、「別に就活してても、卒業は出来るでしょ(笑)」という批判を浴びせたら、もう何がなんだか分からない。裏を返せば、就活による学業阻害を訴える人も、自身が考える「学業」とは何なのかを明確にすることが求められる。


就活により学業が阻害されている」という主張をする際には、「学業」をどのように定義しているかを明確にすることが必要だという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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学業というイメージ

学業というとどうも座学や読書ばかりを想像してしまうのですが、ここが落とし穴なのだと思います。
勉強だけが目的なら放送大学でもいいわけでそもそもキャンパスを100%活用してないのでは?と。

結局、飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイトなども大学の「学業」なのだと思います。こういうのにある程度参加しないと企業が求めるコミュニケーション能力を身につけるのは至難の業かと。

世間では遊んでいるととやかく言われますが、これ全部が4年間で体験できるのは20代大学生の特権でもある訳で(専門学校や短大の実情は分かりませんが2年間ではおそらく無理なのでは、40歳過ぎて大学に入って20代大学生の輪に入れるのは中々難しそう)。

就職活動に時間が取られるといわれるかもしれませんが、大体上に書いたことのほとんどは1年生からでもできることですし。
大学院を目指さない限りは勉強50、その他の活動50ぐらいにしておくべきだと思います。

Re: 学業というイメージ

> しゃいたさん

はじめまして、コメント有難うございます。

>結局、飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイトなども大学の「学業」

なるほど、このような考え方はありませんでした。確かに、何も「学べる」のは文献と睨めっこするだけとは限らないですからね(まぁ、「学業」でもフィールドワークみたいなものもあるので、一概に「座学や読書」に限定することは出来ませんが)。

ただ、僕も断言は出来ませんが、就活デモなどで「大学は就職予備校じゃない!」と訴える人たちはしゃいたさんの
>こういうのにある程度参加しないと企業が求めるコミュニケーション能力を身につけるのは至難の業かと。

という文言には反発しそうな気がします(笑)まぁ、正解は無いのだと思っておりますが。

No title

>飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイトなども大学の「学業」

 そういう言い訳して飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイトが主になっているんですよ。
 日本人学生がそんなことでリア充している間に海外の学生に追い抜かれているというのに。

No title

海外だと確か単位認定がかなり厳密だと聞いたことがあります。「楽勝科目」をなくしていけばいいのかもしれないです。

海外の大学生の就職事情や大学生活は全く知らないのでなんともいえないです。

高校までの学習も国によってばらつきがありそうですしね。

そういえば、たまに新聞やテレビで海外の大学事情に触れたとしても、トップクラスの大学の話で終わってしまうんですよね。あまり参考にならないというかなんというか。

No title

>飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイト

これはどちらかというと「経験」な気がする。言いたいことはよく分かるが
特に飲み会や合コン、サークルやアルバイトなんて就職活動のネタ作りというより純粋に今を楽しんでやるもんじゃん?それを後付で誇張したり捏造したりして自己アピール用のエピソードに仕立てているだけでしょ

>こういうのにある程度参加しないと企業が求めるコミュニケーション能力を身につけるのは至難の業かと。
って考えにも疑問だな。「自分のアタマで考えてる」人が数あるアクティビティの中でやってるのを見てマネしてるだけの人が多いって印象。そうでなければバイトサークルネタしか話さない大学生はそう多くはいないw

Re: No title

> princessmiaさん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

下の「の」さんのコメントで僕自身も気づきましたが、「飲み会や合コン、ゼミ、サークル、インターンシップ、バイト」は学業というより「経験」と表した方が良さそうですね。確かにこれらの経験は大切ですが、「学業」が軽視されるのは確かにマズい気がしますよね・・・。

Re: No title

> しゃいたさん

またまたコメント有難うございます。就活の有識者の中には、「大学のあり方についてメスを入れるべき」、「入学・卒業の要件を厳しくするべきなのでは?」と問題提起する人もいます。「楽勝科目」をなくしていけばいいのかもしれない・・・というご意見は、それに通じるものがあると思います。

>新聞やテレビで海外の大学事情に触れたとしても、トップクラスの大学の話で終わってしまうんですよね。

これは気づかなかったです・・・。本当にどのレベルの大学も卒業要件が厳しかったりする&学生皆が一生懸命勉強していたりするんですかね?

No title

三度のコメントになるんですが(笑)

かなり前なんですけど朝日新聞のGlobeっていう記事に海外の大学事情がちょろっと載ってました
(やっと見つけた。。。)

http://globe.asahi.com/feature/090126/index.html

Re: No title

> のさん

こちらの記事にもコメント有難うございます。

まぁ、飲み会や合コンはともかく、サークルやアルバイトだと、中には単なる遊び・小遣い稼ぎを超える活動もあるかと思うので、一括りにして論じるのは難しいですかね・・・。また、どの役職を担当するかによって、一定の責任を持って活動に取り組むか否かが変わってきますから。

勿論、
>サークルやアルバイトなんて就職活動のネタ作りというより純粋に今を楽しんでやるもんじゃん?それを後付で誇張したり捏造したりして自己アピール用のエピソードに仕立てているだけでしょ

という記述は、現在の自己PEの実態を的確に表していると思います(笑)

Re: No title

> しゃいたさん

コメント&記事の紹介有難うございます。実際に記事を拝見しましたが、「教養教育の重み」が語られている箇所を見て、「あぁ、日本ダメかも・・・」と思ってしまいました(笑)僕自身も、「教養を身につけた」とはどのような状態のことを指すのかが分からないので、偉そうなことを言えないのですが・・・。

No title

別記事(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-219.html)から誘導されたのでもう一度コメント。

ウチが言いたかったのは
授業に出ることが学業の全てじゃないんだから、授業に出ないことが多少あっても補完することで勉強はできる。だから学生側もスケジュール調整する努力をすべき
ってこと。

だから「自分が学びたい分野を学びたいだけ学ぶこと」という主観的な学業観を振り回すのは賛同できないなあ。

「大学卒業したての(優秀な)人材が欲しい」という企業のニーズと
「大学卒業後即仕事に就きたい」という学生のニーズだってあるのに、
「自分はまだ学び足りてないから就職時期をずらせ!」って言うのには無理があるでしょ。
周りの環境を考えずに自分のペースでしか行動できない、したくない奴とかどこも採用したがらないだろうし。

それこそ本気で勉強したいなら院に行けばいい。
(大学時代の教授曰く本気で勉強できるのは大学院レベルであり、学部レベルは所詮勉強ごっこにすぎないとのことで、ウチもこれには共感してる。)

確かに平日の説明会参加が必須のような選考方法には賛同できないし、そこは企業の意識を改めるべきだとは思うけど、
一方で学生側も就職のために一定の配慮はするべきじゃないかなあ。

Re: No title

>のさん

こんばんは、コメント有難うございます。

>授業に出ることが学業の全てじゃないんだから、授業に出ないことが多少あっても補完することで勉強はできる。だから学生側もスケジュール調整する努力をすべき

>確かに平日の説明会参加が必須のような選考方法には賛同できないし、そこは企業の意識を改めるべきだとは思うけど、一方で学生側も就職のために一定の配慮はするべきじゃないかなあ。

要は企業と学生の利益の調整を図るべきだということですよね。僕はやや学生の利益を尊重する立場だと自覚していますが、ちょっと行き過ぎな主張もあるのかもしれません・・・。改めて過去記事を見直してみますね!

No title

一介の実験屋です。困っているのは、地方の修士の大学院生ですね。就活中は殆ど研究室に来ることが出来ません。実験系は研究室に来ない限り、何も出来ません(過去の論文を読むことは出来ますが、それは本人の実績にはなりません)。修士の場合、二年間しか時間はありません。時間との勝負なのに、就職活動で半年とか消えてしまうのです。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

理系だけかな?

大学で就活とぶつかるのは卒業研究だけです。
学士でも修士でも状況は変わらないはずです。

せっかく研究するので、学会発表して、論文も出したい。
そのためには、実験やデータまとめにすごく時間がかかる。
修士に進む学生と学士で就職する学生では4年生のときに研究に注げるエネルギーはぜんぜん違う。
なかには、人のデータで解釈できない分を興味深い現象が見つかったなどと書いてお茶を濁す。
教授も、就職して出て行くんだし良いか…と見逃す。

私が普通に感じていた就活が学問の邪魔をしている実態と言うのはそんな感じです。
茂木さんの言葉にも違和感はありません。

Re: No title

>alchemistさん

はじめまして、コメント有難うございます。

>困っているのは、地方の修士の大学院生ですね。就活中は殆ど研究室に来ることが出来ません。実験系は研究室に来ない限り、何も出来ません(中略)時間との勝負なのに、就職活動で半年とか消えてしまうのです。

そういえば、「就活が大学生の学業を阻害する」という議論はよくありますが、「就活が院生の学業を阻害する」という議論はあまり出てきませんね。学業阻害の深刻度でいったら院生の方が遥にヤバいはずなのですが・・・。なんで多額の学費を払って、専門的な研究の時間を奪われて就活をしなければいけないのか。ここで「就活をするもしないも個人の自由のはず」という人もいるかもしれませんが、既卒になったら未就業者を採用する企業も大いに減るのだから、事実上在学中に就活をしなければならない状況が出来ていますよね。深刻な問題だと思いますし、ゆえに今回の問題提起を嬉しく思います。

Re: No title

> 非公開コメントをくださった方

こんばんは、コメント有難うございます。いつもブログを読んでくださっているとのこと、大変嬉しく思います。

>M1の冬~M2の夏という、大学院生活の半分ほどを就職活動についやしました。

この記事に、alchemistさんも同じ事を仰っていました。院生の学業阻害の問題は、深刻な割にあまり取り上げられていない気がしますし、コメントを読んで僕も勉強になりました。


面接官の質問はちょっと嫌味が含まれていて嫌な感じですね。まぁ面接官に対しては、「大丈夫です!」「実はこの習い事、意外とお金かからないんですよ!」と元気に答えるしか選択肢はなかったのかもしれません・・・。

Re: 理系だけかな?

> なかさん

はじめまして、コメント有難うございます。

>せっかく研究するので、学会発表して、論文も出したい。そのためには、実験やデータまとめにすごく時間がかかる。

このような事情、気持ちは個人的にはよく分かります(笑)いろいろ論客の議論を見ていると「学業」を「登録した講義に欠かさず出席すること」に限定して定義づけしているように思えるので、そこには違和感を覚えています。ゆえに、

>茂木さんの言葉にも違和感はありません。

というのは、僕も同じ感覚ですね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

> 非公開コメントをくださった方へ

お久しぶりです、コメント有難うございます。そして、エピソードのご提供有難うございました。個人情報が載っていないことを考慮して掲載したとは言え、実際どのように感じているのか少し不安でしたが「たくさんの方々がこの話題を通じて意見なさっているのを見て、投稿して良かったと感じています」とのコメントを見て救われた気がしています。

>実際に、就活で学業が阻害されている少数派がいます。大多数が例え阻害されていないとしても、阻害されている少数派を無視していいのでしょうか?

現実問題、就活の専門家の中にも「(在学中の)就活が無くなったところで大多数の学生はどうせ勉強するのか?」と疑問を投げかける人もいます。確かにその疑問自体は正しいと思います。しかし僕は、これは「大学で学業に打ち込む学生」の数の問題では無いと考えています。この場合は、阻害されている「少数派」の意見を優先させるべきだと言うのが僕の立場です。
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