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「ノマドという選択肢もあるよ」という主張が「ノマドという生き方を選択すれば、全て救われるよ」という頭の悪い主張に置き換えられている・・・?

少し前の話になるが、TBSの「田村総研」という番組を見た。深夜に放送された番組なので知らない人も多いかもしれないが、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが司会を、荻上チキさんが助手(?)を務める討論番組である。ある社会問題について延々と話すという形式ではなく、ある論題を設定して、それについてのソリューションを議論することに力を入れた構成となっていた。


なぜこの番組を見たのかというと、番組が用意した論題の一つに「若者の雇用」があったからである。具体的には「仕事の無い若者によあけは来るの?」というテーマが設定されて、それに対して本田由紀先生・萱野稔人先生・安藤美冬さん・常見陽平さんがそれぞれ解決策を提示した。各人の解決策は番組のホームページで確認できる(http://www.tbs.co.jp/tamura-souken/)。


放送から少し間が開いたので僕自身記憶が薄れているのだが(じゃあ書くなよという話ですが笑)、確か議論の中で一番盛り上がったのは安藤さんが提示した「ノマドワーキング」についての話だった。ノマドワーキングとは、いつも決まった場所ではなく、カフェや公園、お客さんのオフィスなどでノートパソコン、スマートフォンなどを駆使しネットを介して場所を問わずに仕事を進める働き方のことを指す(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%DE%A5%C9%A5%EF%A1%BC%A5%AD%A5%F3%A5%B0)。番組では、実際に都内のカフェにてパソコンを開いて仕事に取り組む人の姿が紹介され、中には月50万ほど稼いでいる人も登場していた。


ただ安藤さんの解決策はあまり支持されず、確か萱野先生と常見さんがツッコミを入れていた。簡単に言えば、「ノマドでやっていけるのは勝ち組だけだから」みたいな反論だったかと記憶している。特に常見さんは元々自身の記事にて「ノマド礼賛」の風潮に批判的な見解を示していたこともあって、安藤さんにここぞとばかりに突っ込んでいたのが印象的だった。確かに、「仕事の無い若者によあけは来るの?」という問いへの解として「ノマドワーキング」を挙げることは少し不適切だったかもしれない。なぜなら、そもそもノマドでやっていけるような人なら、最初から職を得られずに困ることはないはずだからだ。


ただ、一つ気になることがあった。番組ではなく常見さんの記事の話になるのだが、そこでは「牧歌的なノマド礼賛」への警鐘が鳴らされている(http://agora-web.jp/archives/1441834.html)。しかし、この点についてそもそも「牧歌的なノマド礼賛」をしている人はいるのか?という疑問が浮かぶのだ。安藤さん?しかし、ノマドを支持する彼女にしても、確か番組の中で「ノマドは選択肢の一つ」と言っていた。仮にこれが僕の記憶違いだとしても、安藤さんは自身のtwitterにて「個人的には、フリーランスもノマドも働き方や生き方の選択肢のひとつとして実践者が増えていくと思う。ただ、選ぶのも選ばないのも個人の自由意志だからこその自己責任」とも言っている(http://favotter.net/user/andomifuyu?page=2)。これを見ても安藤さん自身は、「ノマド」という生き方をあくまで選択肢の一つとして提示している人だという認識が妥当だろう。


しかし、常見さんの記事や「田村総研」の放送を見た上での僕の印象を述べると、どうも常見さんは安藤さんに「ノマドという生き方こそが、悩む若者を救う!というメッセージを発している人」というレッテルを貼ってしまっているような気がしたのだ。要は常見さんは安藤さんの「ノマドという選択肢もあるよ」という本来の主張を「ノマドという生き方を選択すれば、全て救われるよ」という頭の悪い主張に勝手に置き換えてしまっているのではないかということだ。常見さんの記事にある「牧歌的なノマド礼賛」に関して、実はノマドの良さを語る人は「牧歌的なノマド礼賛」なんかしていなくて、メッセージの受け手の常見さんが、単にノマドの良さを語る人の主張の核を「ノマドはとにかく素晴らしいもの!このような生き方をすれば、皆幸せになれるよ」と規定したに過ぎないのではないか。当たり前だが、「ノマドは良いよ!」という主張と「ノマドという生き方を選択すれば、皆救われるよ」という主張の中身は全然違う。


ノマドに関する議論に限らず、「~な提言をする」・「~な行動をする」ことが、受け手によって「~な提言が実現すれば、全て上手くいく」、「~な行動をすれば、全て上手くいく」というメッセージに歪められるケースがあるのではないか。就活デモもその一例だ。以前、就活デモの実行者の方がコメント欄でデモへの批判者に対して「別に僕らはデモ『だけ』で解決しようなんて一言も言ってない。だから院内集会やったり申し入れやったりもしたわけですが、そんなことも知らずに、あるいは知ろうとせずに、『デモでは何も変わらない!』とか的外れな批判をされるわけです。政策にしろアピールの手段にしろ、そんな一撃必殺みたいな物があるとでも思っているのか。数あるプロセスの中のひとつとして何故認識出来ないのか」という疑問を呈している。単に「デモという行動を採る」ことが、メッセージの受け手によって勝手に「参加者はデモという行動を採れば、全て上手く良くと思いやがって。考えが甘い!」と認識される。一体、どうしてこうなってしまうのか。


ブログを書いている身として常見さんのような認識に対して危険さを感じるのは、「私は、就活を~のように変えたほうが良いと思う」という主張が、いつの間にか「就活を~のように変えれば全てが上手くいくんだ!」という主張に置き換えられてしまうことが考えられるからだ。例えば「新卒一括採用」というテーマについて、「新卒一括採用を見直せば、問題は全て解決するんだ!」と主張したならば、その主張の単純さについて批判を受けることは妥当だ。しかし単に「新卒一括採用の見直し」という意見を提示しただけで「新卒一括採用を見直せば、オールオッケー」と考えているかのような印象操作をされたら、意見の発信者としたらたまったものじゃない。


単一の主張・行動で問題の全てを解決できると考える人なんか、実際そこまでいないだろう。日本人はそこまでバカじゃないと思う。ある主張をしたからといって、またはある行動をとったからといって、主張者・行動者が「それさえすれば、全て上手くいく」と考えていると見なすことは止めるべきだ。


誰かがある主張をしたからといって、またはある行動をとったからといって、主張者・行動者が「それさえすれば、全て上手くいくんだ!」と考えていると見なすことは止めるべきだという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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非公開コメント

集団に馴染めないだけで、それ以外は有能な人だけしかノマドにはなれないんでしょうね。

Re: タイトルなし

>exciteさん

こんばんは、コメント有難うございます。

>集団に馴染めないだけで、それ以外は有能な人だけしかノマドにはなれないんでしょうね。

だからこそ、田村総研で議論された就職難の問題の解決策として、ノマドワーキングは不適切なのかもしれませんね。「ノマド」の良さを訴える安藤さん自身も集英社出身ですから、「ノマド」は優秀な人こそが選択できる生き方だというイメージは、正直拭いきれないでいます。

Re: タイトルなし

> excite さん

確か以前、就活デモの批判者の属性について気にされていたかと思いますが、Wiliam Yaminさんが就活デモの批判者の属性について詳しく語ってくださっていますので(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-198.html#comment728で)、もしまだご覧になっていなければぜひどうぞ!

常見さんを見ていると。

なんというか、常見さんという方はもはや商売人で、「べき」という言葉を多用して学生の危機感を煽り、自身の本を売る人という印象しかありません。


ブログを拝読したり講演やトークショーにも何度か足を運んでいますが、特に“ゆとり世代 = バカ”というレッテル貼りには怒りを覚えます。

氏は大学でキャリアカウンセリングをしているそうですが、学生をモチベートする立場の人間の物言いとは思えませんし、レッテルを貼れてしまうことがそもそも信じられません。
もちろん、氏の言いたいことも解かりますし、面接をしていて感じることもあります。しかし、学生全員がそうではないと、日本企業の面接官として声を大にして言い切ります。

そのレッテル貼りに対してツッコミが入ると「全てではありませんが」と逃げますが、それがいくら本当であっても、そう思っている人間ができる物言いではないことは確かです。
私はこの人が就活を食い物にしている筆頭だと思っています(笑

以前、“大学キャリアセンターのぶっちゃけ話”の著者である沢田健太さんとの対談記事を読んだことがあるのですが、本気で学生を想い、就活を真剣に考える沢田さんに終始歩調を合わせ、「うんうん、そうなんですよね」的なノリで終わったことが非常に気持ち悪かったです。普段のお前は学生をバカにしてるだろ!と(笑

まぁ、本人は中川淳一郎さんをリスペクトしている方なので、「尖ったこと言ってる俺カッコイイ!」みたいな感じがひしひしと伝わってきますね。

常見さんは「痛い学生になるな!」と学生に言っていますが、自分が十分痛い大人であることに早く気付いてもらいたいなぁと思う今日この頃です。
(常見さんの話は勉強になることも多々あるんですけどね)

牧歌にノマドに・・

ノマドっていうのにしましても
ホントそういうのが勤まるような器用な人は、日本が今のジンバブエのようになっても普通に生きていけそうなくらいですがかなり人を選ぶ職業な気がします、当方未経験ですが。

あまりに混迷な世の中ゆえに、
「これが勝利の鍵だ!」というようなわかりやすい唯一解を求めたくなってしまう心理もわからないでもないですが、大体実際世の中の揉め事困りごと、問題は複合的であることのほうが多いようで・・・

過去にもあったような……。

>>L_z_m_i様
あぁ、なんとなくわかる気がします。
混迷な世の中ではなく、バブル期の頃にも同じようなことがありました。

当時は、フジテレビの月曜9時のトレンディードラマ枠(月9:げっく)が流行しており、ドラマの主人公のほとんどが、だだっ広いマンションに一人暮らしをしている(主に広いリビングの画ですが)のです。
そして“広い高級マンションで一人暮らし”が流行った(というか憧れとなった)のでした。

なんだかそれと似たようなものを“ノマド”という言葉に感じます。
“憧れ”がキーワードのような気もしますね。
フリーオフィスやフリーランスをわざわざ“ノマド”と表現することで美化しようとしてますし。

きっとみんな、「そんな自由なスタイルで仕事がしたいな」と憧れているいるだけで、実際には“ならない(なれない)”のはわかっているのではないかな、なんて思ったりしました(笑
自由(っぽい)なオフィスの特集なんかも目にしますし、仕事環境に不満を持つ人(不満に気付いた人)が多くなったということなのでしょうか。

ミスマッチ論者は労働環境の議論を!

とりあえずミスマッチ解消論者や大手病論者は有効求人倍率みたいな表面的な数字を合わせるだけの議論に終始する姿勢から脱却して、労働環境の問題についてもっと積極的に発言して欲しい。

求人の多い企業や業種というのは成長著しく新しい労働力を必要としている場合もありますが、過酷な労働環境故に離職率が高く代替の労働力を必要としているケースも少なくありません。就活問題という枠組内での議論ではあたかも就職が一種のゴールかのように設定されがちですが、雇用問題という枠組では就職というのはスタートに過ぎず、その先にはワーキングプアや過労死・過労自殺といった様々な問題があります。

低収入で結婚すら出来ないかもしれない、身体を壊したり死に至るかもしれない、という現実的なリスクを前にして、ミスマッチ解消論者や大手病論者にありがちな「仕事を選ぶな!」という主張は乱暴で無責任だと言わざるを得ません。ワタミの例のように、実際には大手企業や有名企業だからといって労働環境が良いということは全くないんですけど、有名な企業だからきっと大丈夫だろうみたいな心理は分からなくもないです。労働環境がどうであるかも自己責任でちゃんと見抜けとか言うのであれば、それこそ36協定の内容を公開させるなど労働環境を可視化する為の制度を整備する余地は大いに残されていると思いますね。

先日安住財務大臣の話を生で聴く機会がありましたが、残念ながら現役の大臣ですら雇用のミスマッチに関して有効求人倍率がどうのといった程度の認識しかないようです。労働環境改善の為に欠かせない労働基準監督官という職業は国家公務員なので、民主党が推し進めている国家公務員削減はミスマッチ解消を目指すのであれば逆効果だとすら思うんですが。

安住大臣も言ってましたが、雇用のミスマッチを論じる際に「○○は人手不足なんだから○○になれば良い(行けば良い)」という主張が度々聞かれます。その○○の典型が介護福祉士ですが、こういった議論を(元)介護福祉士は実際どう思っているのか聞いてみるという企画をWilliam Yamin Instituteにて現在考案中です。またtwitterなどで告知させてもらいますので興味のある方はチェックよろしくお願いします。

Re: 常見さんを見ていると。

> おたけさん(「常見さんを見ていると。」というタイトルのコメントへの返信です)

お久しぶりです、コメント有難うございます。常見陽平さんをぶった切っていますね!

>講演やトークショーにも何度か足を運んでいますが、特に“ゆとり世代 = バカ”というレッテル貼りには怒りを覚えます。

これは採用担当者向けのセミナーとかで、常見さんがこのようなレッテルを貼っているということですかね。ただ面白いことに、このページ(http://social.ferret-plus.com/posts/?pid=550268)を見ると常見さんが「メディアからだいぶ「ゆとり世代」「ゆとり教育世代」という言葉が消えたように思う。いいことだ。ゆとりにも色々ある。特に伝統校、進学校とそれ以外での差が顕著だ。そして、ゆとりなのは世代ではなく、環境ではないかね」と言っていることが分かります(笑)

一般人向けには「ゆとり世代という言葉を使うべきではない!」というメッセージを届けて、採用担当者には「ゆとり世代はバカですよ。気をつけてください・・・」というメッセージを届けている状況が仮にあるならば、常見さんには「場面に応じて、自分の意見を都合よく変える人」というレッテルを貼らざるを得ませんね(笑)

雇用のミスマッチの話題が出ていたので、ブログ主さんの嫌いな(笑)ちきりんさんのブログから以下のエントリを引っ張ってきました。

http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/touch/20090106

本当にこれは問題だと思います。自分の周りも含め、大学生には【外食産業とコンビニ業界はブラック】という、ある意味常識のような考え方が広まっていますし、単に有効求人倍率だけでは議論は進展しないと思いました。

資本主義社会において、競争は無くてはならないにしても、伝統的なの日本的企業に入ってしまうと【職業=身分】になってしまう、という現状も考えていかなければ、と思います。

Re: 過去にもあったような……。

> L_z_m_iさん、おたけさん

L_z_m_iさん、お久しぶりです。おたけさん、こちらの記事にもコメントを有難うございます。

実際には、ノマドの良さを語る安藤美冬さんのような方は「ノマド」という選択肢をただ提示しているだけで、メッセージを受け取った側こそが安藤さんの主張を「ノマドって生き方を選べば救われる!」という唯一解として置き換えている状況があるのではないかと僕は感じています。


まぁ、ノマドの良さを語る声が大きくなってきましたが、真にノマドに向いている人は安藤さんのような方々に啓蒙されて初めて行動する人ではなく、誰に啓蒙されるでもなく勝手にノマドとして生きている人なのでしょうね。

Re: ミスマッチ論者は労働環境の議論を!

> William Yaminさん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。コメント返信の順番がおかしくなっていますが、まずはこちらのコメントへの返信をさせていただきたく思います。


田村総研のページを見てみると、萱野先生が「構造的ミスマッチの解消」、常見さんが「仕事をくばれ!(要は求人自体はあるので、職の無い学生をそこに送り込むということだったかと)」という提言をしていますね。この2人がWilliam Yaminさんの言う「ミスマッチ解消論者や大手病論者」に該当するでしょうか。


William Yaminさんの仰るとおり、単に「有効求人倍率」に目を向ける議論は実益に乏しく、それよりも労働環境の整備の問題について議論すべきだと僕も考えます(それが結果的に就活の問題の解決にもつながるというのが僕の問題意識です)。このような考えから、以前ワタミの過労死の問題についてブログで取り上げたことがあります(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-169.html)。あのような環境で働けばいいじゃないかと言われても「嫌です!」と言うしかない(笑)中には過去記事にて「問題の本質はブラック企業の存在にあるんじゃないか」という旨のコメントをくださった方もいます。


>雇用のミスマッチを論じる際に「○○は人手不足なんだから○○になれば良い(行けば良い)」という主張が度々聞かれます。その○○の典型が介護福祉士ですが、こういった議論を(元)介護福祉士は実際どう思っているのか聞いてみるという企画をWilliam Yamin Instituteにて現在考案中です。

これは非常に面白い企画ですね。介護福祉士の方がどのようなことを考えているのか。ぜひ注目したい企画です。

Re: タイトルなし

> toyaさん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

そして、記事有難うございます。まさに、William Yaminさんが仰っていることに関連する記事ですね。労働環境を整備することのデメリットについても触れてある良記事だと思いました。ちきりんさんは時に文面がうざいですが(笑)、この記事は素直に読めてよかったと感じています。ご紹介有難うございました。
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