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就活デモに対する「学生の都合だけ一方的に主張するのはおかしい。企業の都合も考えろ!」という批判は、程々に聞くくらいで丁度良い

昨日の読売新聞の夕刊の1面に「短い就活 焦る」というタイトルの記事が載っていた。倫理憲章の変更により就活期間が2ヶ月短くなったことで、学生・企業それぞれが不利益を蒙っているということを伝える記事である。


記事には、学生たちの生の声も載っている。例えば、法政大学の林さんは「2ヶ月短縮された影響で企業説明会の日程が重なりがちで、参加できずに苦労している(中略)説明会が集中するとアルバイトも出来ず交通費もかかり金銭面でも大変」と述べる。また、青山学院大学の大川原さんは「短縮化したことで企業や業界の研究をする時間が減り、スケジュールが詰まって困る」と述べる。


元々倫理憲章の変更は「学生の勉強時間を確保する」ことが趣旨であった。しかし、大川原さんは「12月から1月にかけて学校の授業とのやりくりも大変だった」とも述べており、むしろ学生の学業への取り組みを阻害している実態が明らかになった。また記事とは関係ないが、「就活革命」の著者として知られる辻太一朗さんが代表を務めるNPO「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会(略称DSS) 」の調査によると、「就活開始が2ヶ月遅らされることで、学生は学業に真剣に取り組むのか」という設問に対して、70%を超える学生が否定的に考えていることが明らかになっている(http://www.npo-dss.com/data/shukatsu_list.pdf なお、調査の対象となった大学は都内の約10大学)。


今回の読売新聞の記事やDSSの調査結果を見ると、経団連はもっと学生の立場を考えた上でルールを定めるべきだったのではないかと思わされる。経団連が少し学生にヒヤリングをすれば、企業の広報活動開始を2ヶ月遅らせることの効果はなく、むしろ有害であることが明らかになり、この度の変更は無かったかもしれない。「相手の立場にたって考える」という面接での自己PRの鉄板ネタとなっている要素が経団連の方々には欠けている。


この点、「私たちの声を聞いてくれ!」と就活デモなどの形で声を上げようとすると「もっと企業のことを考えるべき」という反論に晒される。実際に、2010年に行われた「就活どうにかしろデモ」には「学生の都合だけ一方的に主張するのはおかしい。企業の都合も考えろ!」という批判が寄せられた(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-198.html#cm)。また、ダイヤモンド・オンラインに掲載されている石渡嶺司さんの記事には、「就活どうにかしろデモ」代表・本間さんに対する「学生の気持ちもわかるのですが、採用側のことも考えてあげる、という発想も必要です」という記述がある(http://diamond.jp/articles/-/10781?page=3)。


しかし、相手の都合を考えない一方的な姿勢がおかしいと述べる石渡さんのような人は、経団連・企業に対しても就活デモにしたのと同じような批判をしないと筋が通らないのではないか。少なくとも、経団連は「就活期間を2ヶ月遅らせれば、学生の勉強時間は確保できる!」という訳の分からない理屈に基づき、学生の都合を考えないで倫理憲章を改定している。就活デモばかり批判しないで、ぜひそちらも批判して欲しい。


恐らく経団連や一部の企業人は、石渡さんと同じように就活の問題を訴える声に対して「学生の気持ちも分かるけど・・・」と諭すのかもしれない。しかし僕に言わせれば、ここでいう「学生の気持ちもわかる」という言葉は、所詮グループディスカッションにおける「○○さんの意見も分かるのですが・・・」という発言と同じ程度のものだ。一見相手の意見に耳を傾けているようで、実際には他人の意見なんかどうでも良いと思っている。学生の味方をするポーズだけとっておいて、結局は「俺らのやりたいようにやるから」と自分勝手の姿勢を貫いている。そういう人たちには、ぜひ会社説明会をwebで配信するなど、実際に具体的な努力をしてくださっている企業の取り組みに目を向けて欲しい。


僕は東浩紀さんらが著者の「思想地図β vol.2 震災以後」を読んで知ったのだけれど、去年の震災直後に竹熊健太郎さんが「今の日本には『本当の大人』は殆どいない。『大人のふりをした子供』がいるだけだ」とtwitterでつぶやいたそうだ。竹熊さんの定義とは異なるかもしれないけれど、経団連・企業のことは批判せずに単に就活デモに対して「学生の都合だけ一方的に主張するのはおかしい。企業の都合も考えろ!」という批判をした人たちには、まさに「大人のふりをした子供」という表現がよく似合う。そんな「大人のふりをした子供」の意見は程々に耳に入れるくらいで丁度良く、「もっと、学生の声を就活に関するルールに反映してくれ!」という声は強化されるべきだと思う。


就活デモに対する「学生の都合だけ一方的に主張するのはおかしい。企業の都合も考えろ!」という批判は、程々に聞くくらいで丁度良いという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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関係者に思惑アリ

政治活動に“票・政治資金の獲得”という思惑、裏面があるように、

・企業の企業活動における“他社に勝つための採用”という思惑
・学生の就活における“でも遊びたい”という思惑
・大学の新入生獲得における“就職率向上”という思惑


全ての人・団体がそうではないにしろ、就活に関わるそれぞれに、正直に言えない隠している本音があり、他者を責めることで思惑を通そうとするような感じが窺えて、真面目に就活を考えると気持ち悪くなったりもする今日この頃です。

ホント、政治と変わりませんね、就活論議って。
政治の方が、まだ政党に代表がいるだけマシなのかも知れません。

就活に関しては、上記の思惑に加え、個人の思惑も加わるわけですし。


と悲観的になっても仕方ないので、現場サイドの私としては、今この瞬間で最良な方法を選択するのみです。
(難しいことは識者、先生方にオマカセします(笑)

企業活動としての良い採用、かつ、不合格だったとしても学生に「あれでダメなら仕方ないよね」と思ってもらえるような、学生の意思を引き出し、不発感を与えない選考。
(実際にどうなのかは、声として聴いたことがないのでなんとも……ですが)

そんな選考も結局は自分のエゴですが、相手は人であるということを絶対に忘れず、選考を作業にしない、個人を見つめるということに注力しているつもりです。

正解のない世界ですが、今、相手も自分も立てられるという条件の中で、最良のことをするというのが、私のテーマです。

Re: 関係者に思惑アリ

> おたけさん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。

>正解のない世界ですが、今、相手も自分も立てられるという条件の中で、最良のことをする

これが全てだと思います。ただ、このような意識を持ってくださっている方がどのくらいいるのか。何も「構造的な問題」という大げさなものじゃなくて、例えば企業が「サイレントお祈りを止める」という簡単なことを意識するだけで、現在の就活のあり方を少しは向上させられるのではないかと思うのですが・・・。

お互いが譲歩しないからスパイラルは続く……?

こんにちは、復活(笑)しました。
久しぶりにコメントします。

大学・企業・そして学生……。
それぞれに思惑があるというおたけさんの意見はまさにその
通りだと思います。
お互いがお互いのことを少しでも考慮できれば負担を軽減することも
できるのでしょうけど、難しいですね。

企業(とくに大企業)におけるお祈りメール。
私はあれをよく思っていません。電話や手書きの手紙による通知の方が
心がこもっている感じがするからです。ですが、企業としてはコスパの問題がある。
電話や手紙を送るよりもお祈りメールを一斉配信した方がお金がかからない。
だからお祈りメールをするのでしょうね。
それに、学生の中には冷やかし目的で説明会や選考に参加する人間も
存在するのです(先週、この目で見ました!!!)。
企業としては、やってくる学生に対して疑いの目を持つほかない場合も
あるわけですから、採用担当も大変だと思います。

学生の場合。
リクナビやマイナビなどを通じて大手を受ける人が多いけれど、
中小を見る人は意外と少ない。たぶん、大手の方が給料が良いからでしょう。
けれども、大手の企業ばかりにこだわったがゆえに内定を取れず、
ルサンチマン化するケースがあとを絶たない。かの就活生組合も、もしかしたら
就活で“負けた”ルサンチマンだったのかもしれません。
問題は、そうではない人間も一緒の存在と見なされることです。
企業の一方的な都合で残り少ない学生生活を振り回された揚句に採用ゼロと
いう人だっているだろうと思います。

大学の場合。
とにかく学生の就職率で大学のステータスを上げたい。
だから学生の希望とか関係なく、とにかく就職しなさいと発破をかける。
大学院や海外留学をする学生の数が減り、アカデミックな環境が危機的状況に
あるにもかかわらず、目先の大学経営にしか目がいかず、長期的視野が欠落。
これは少子化がそもそもの原因ですから、大学ばかりに責任を求めるのも
無理な話でしょうが……。


どの立場の思いもなんとなくわかってしまうというのが
悩ましい問題ですね。

政治家や“大人”の方々にもこの問題を真剣に考え、問題解決のための
思索を行ってほしいのですが、なかなか居ないですよね……そういう人が。

Re: お互いが譲歩しないからスパイラルは続く……?

> 黒 紅 茶 さん

お久しぶりです、コメント有難うございます。ブログにアップされた大変長文の記事、ただいま読んでいる最中です(笑)

「お互いがお互いのことを少しでも考慮できれば負担を軽減することもできるのでしょうけど、難しいですね」という記述が全てかと思いますが、一方でそれを完全に実現できることが考えられないのもまた事実。「負の連鎖をどこまで抑えられるのか(完全に抑えることは目指さない)」という視点が必要なのかもしれませんね。

No title

この問題は、「もっと企業の声を聞く」とか「もっと学生の声を聞く」という話ではなく、「企業/学生のためになるか」をしっかりとして論拠に基づいて語っていないことだと思っています。

【問題視すべきは「就活の長期化」よりも「就活の期間限定性」】でも触れられているように、「就職活動が早期化・長期化を続けていること」はそもそも就職活動に対する学生からの異議として出ています。
学生の声を聞いても同じような短縮化の流れになった可能性は高いと思われます。

学生は就職活動未経験者です。特に就業後の就業前とのイメージギャップのような話まで含めて就活と考えると、無知など素人です。
そんな学生の声を聴くここと、学生のためになるかは切り離して考えられるべきだと思います。(会社においてもその業務経験がない人の声を聴くことが業務を良くすることは・・・そう多くありません。)

大事なのは就職活動を分かっている人がしっかり考えることではないでしょうか。就活デモなどが就職活動期間の短縮を求めていた時に、「短縮化しても集中して厳しくなるだけだ」という意見もありました。推測ですが、主に就活経験者ではないでしょうか。
就活生の立場を考えられるのは就活経験者だと思います。例えば社会人1年目~10年目くらいの人たちを取り込んで就活の問題を議論するのが良いのではないかと思います。(就活生組合は学生だけの集まりであった点は致命的だった。なぜOB達に組織に入ってもらわなかったのか・・・)

Re: No title

> 吊られた男さん

こちらの記事にもコメント有難うございます。

「学生の声を聞く=学生のためになる仕組みが作られる」とは限らない、というご意見かと思いますが、非常に重要なご指摘だと思います。僕自身もこの点について、少し無自覚だったかもしれません。

「大事なのは就職活動を分かっている人がしっかり考えることではないでしょうか」というご意見にも賛成ですが、逆に言えばこのようなご意見が提起されると言うことは、吊られた男さんの嫌いな(笑)石渡さんら、現在の就活の有識者らがその役割を果たせていないということですね。ちなみに元就活デモの実行委員で、このブログにもコメントを下さるWilliam Yaminさんによると、石渡さんは「現在の就活には問題点はあるが、それでも現状がベスト」という立場らしいです。


追記
>吊られた男さん
ブログで僕の記事(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-188.html)を取り上げてくださり有難うございました!これからも(良い意味で)紹介していただけるような記事を書いていけたらと思います。

追記2
>ブログを読んでくださっている皆様
吊られた男さんは、何回かにわたって(活動休止した)就活生組合の活動についての感想をブログに書いています。例えば「就活生組合の理念の矛盾(http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/cat_21150.html)」という記事などがあります。就活の問題点を訴える活動が外部からどのように見られているのかに興味がある方は、もし宜しければどうぞ。

追記3
>吊られた男さん、皆様
吊られた男さんのブログは「投資ブログ」ですが、「仕事・給与」カテゴリで就職問題についても指摘をなさっています。このブログのリンクに追加いたしますので、良かったらそこから飛んでいただけたらと思います(吊られた男さんのブログ紹介に「リンクフリー」とありましたのでリンクに追加させていただきますが、望ましくないようでしたらご指摘ください)。
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