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なぜ就活生を企業・面接官から保護する必要があるのか

少し前の話になるが、東洋経済オンラインに掲載された、ステーキ「けん」井戸実社長の以下の発言が話題になった(http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/3fc35ce7d89afe3a899df17e9b4e2444/page/4/)。

――過去、ファミリーレストランなどでは、アルバイトを休ませて店長が代わりに入ることで、コストを圧縮する動きがあった。すかいらーくでは業務委託契約の店長が過労死した事件もあり、外食業界では労働管理を徹底してきた。そういった流れに逆行しないか。

(井戸社長)倒れるのはそいつが悪いだけ。自己管理の問題だ。利益を出すにはそれしかない。僕の立場で言っていいかわからないが、そもそも労働基準法がおかしい。なぜ週40時間以上の労働が残業になるのか。そんな環境にあるのは公務員だけだ。労働関係の法規制は、いろんな働き方や仕事がある現在の状況に合ってない

井戸社長の発言には続きがあって、井戸社長も一応は労働者の権利について考えているらしい。しかしそれでも、同時に「倒れるのはそいつが悪いだけ。自己管理の問題」、「そもそも労働基準法がおかしい。なぜ週40時間以上の労働が残業になるのか」などの発言はおかしい。


そもそも、労働法はどうしようもない使用者から労働者を守るために存在するものだ。どう考えても労働者は使用者と比べて力が弱いことに加えて、労働者は自分が生活していくために酷い労働条件の下で働くことを受け入れざるを得なくなる場合もあり得る(まぁ、それについて「そんな条件の会社に入社しなければ苦しむことは無かった。自己責任だ!」と言う人も残念ながらいるのだろうが・・・)。だからこそ、労働者を使用者と対等の立場に立たせるために労働基準法などの法律があるのだと思っていたのだが・・・。井戸社長は「(現在は)いろんな働き方や仕事がある」と言っているけれど、それでも認められない働き方もあるはずだろう。ちなみに今回引用した井戸社長のインタビューのタイトルは「今後10年間は僕が独走する」なのだが、これは「独走」じゃなくて「暴走」の方が表現として適している。


「労働者は使用者より力が弱い。だから、都合良くこき使われる危険性がある。従って、労働者の保護を図らなければならない」という考え方は、就活生の保護を考える際にも応用できるのではないか。就活の問題点を訴える主張は数多くあれど、僕を含めて「そもそも、なぜ就活生を企業・面接官などから保護する必要があるのか」という前提について説明をしている人がそれほど多くない気がしていた。この課題に対して、労働法の趣旨を借りることは有益だと思う。


例えば「就活生は社会人より力が弱い。だから、採用されるために講義を休んで参加必須の説明会に参加することを強いられる場合がある。だから、就活生の保護を図らなければいけない」など。これに対して「日中に説明会を開く企業の説明会に参加しなければいい」という意見もあるかもしれない。しかし恐らく多くの就活生は「新卒を逃したら終わり、もしくは相当厳しい」という強迫観念から職を見つけるために必死になっているのだから、そんな心理状態で「説明会への参加を差し置いて、講義に参加する」という意思決定は事実上出来ないだろう。そういう状態を無視して「別に講義に出たければ、会社説明会に行かなければいいだけの話でしょ?」と結論付けるのは、就活生に対する想像力が欠けている。


「就活生は社会人より力が弱い。だから、その力関係の差を極力是正する。」まさにこのような考えを理念に活動していたのが「(現在活動停止している)就活生組合」だった。僕がヤバいと思ったのは、就活生組合が活動を始めた時に「学生と雇用する側が対等なんてあり得ないぞ」、「採用するのは企業なんだから、企業の論理で採用するのは当たり前じゃん」などの批判がなされたことだ。この考え方を貫いたら「お前らを働かせてやってるのは企業。企業に従うのは当たり前でしょ。だから、長時間労働させられても文句を言うな」と使用者から言われたら、労働者はそれに文句を言えなくなると思うのだけれど、自分がいくら苦しんでも「企業」の存在が大事なのだろうか。よく分からない。


それとも「労働者には保護を受ける権利があるけど、就活生にはそんな権利は無い」という意見なのだろうか。現状は確かにそうかもしれないけれど、その現状を変えることに就活生組合・就活デモの目的はあるはずだから、そんな意見は何の効力も持たないだろう。僕は、別に就活生に法律上の保護を与えるべきとまでは思わないけれど(勿論僕が実感していないだけで、中には法律による保護が必要な権利を就活生は有しているのかもしれない)、いくら企業に採用活動の自由が認められるといっても、それでも尊重されなければならない就活生の利益を確定する試みには意義があると思う。


余談だが最近、英語の勉強を兼ねて海外のサイトを見るのだけれど、そこで「面接官がバカな質問をしてきて困る」というのは海外でも同様らしいことが分かっている。例えば "If you were an animal, what would you be?・・・These types of questions make me laugh(中略)If you think that if a person wanting to be a lion tells you that he'd make an excellent leader, you need to go back to school and learn something useful(http://www.madmanweb.com/archives/0208stupid_interview_questions.html)"と言っている人がいて面白かった(笑)就活生・・・というか求職者の不満を吸い上げて、それを受けて企業に改善を主張する試みは、もしかすると世界でも受け入れられるものなのかもしれない。


就活生は社会人より弱い立場に置かれがち。だから、その力関係の差を極力是正する必要があるという考えに共感してくださる方は、もし宜しければクリックをお願いします。
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No title

>僕がヤバいと思ったのは、就活生組合が活動を始めた時に「学生と雇用する側が対等なんてあり得ないぞ」、「採用するのは企業なんだから、企業の論理で採用するのは当たり前じゃん」などの批判がなされたことだ。

全く同感です。日本の未来に対して大いに不安を煽るような意見です。
奴隷根性と言うとちょっとへんかもしれませんが、企業と個人の力の差を全く認めて、力の差が大きいからどんな不正があろうがどうしようもないという考えは卑屈かつ危険ですね。そんな考えがはびこっていたら人権なんてほとんどないに等しい。
就活生組合や就活デモは権利という点に気がついただけでも大したものだと思います。
グローバル人材だとかいろいろ言われるなかで、確かなのは学生には大学の授業等教育課程を受ける権利があり、それが侵害されているというのは全く当然の主張だと思うのですが・・・
企業が苦しくても守るべきルールがあり、それを守らせようと要求したらなぜ批判されなければいけないのか私には理解しかねます。 

あの大事故を起こした大阪の某バス会社もそうだけど、そういう人の命を預かる仕事で人件費をケチっていたんじゃ例え儲かったとしても絶対どこかで躓きが出てくる。しかも取り返しのつかないような大きな大きな躓き。


あの事故をきっかけにワークシェアリングの重要性を少しでも感じてくれる企業が増えることを願っています。

Re: No title

> ささくれさん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

>学生には大学の授業等教育課程を受ける権利があり、それが侵害されているというのは全く当然の主張だと思うのですが

そこなんですよね。正直「就活生」と一言で言っても、その中には講義を休みたくないという人もいれば、別に普段から講義には出ないから「就活が学業を侵害する」状況は全く問題ないという人もいるはずです(つまり「就活生」と一括りにして論じることは不可能に近い)。だからこそ、どのような思いを抱いている就活生の利益が最優先に尊重されるかを考えるべきであり、その際に「学生には大学の授業等教育課程を受ける権利がある」という理屈を持ち出すことが有効だと考えています。

Re: タイトルなし

> 雨宮さん

こんばんは、いつもコメント有難うございます。

過労により、この度のバス事故のような事態が再び引き起こされかねないですよね。それに加えて、恐らく仕事が無くて困っている人も沢山いる。仰るとおり、ワークシェアリングの重要性を感じる企業が増えれば良いですね。もう雇用のあり方を根本的に見直さないとやっていけない時代なのかもしれません。
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