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リクルートワークス研究所の求人倍率調査などを根拠に「求人はある!」と述べる論者は、「空求人」の存在に自覚的であるべきだ

今月の8日に渋谷の鉢山公園で開かれた「既卒者問題フューチャーセッション」について、「僕が"制度や周りのせいにしないで、自分が今の環境に順応するべきだ"という主張を嫌う理由」という過去記事で触れたが、そこでこのツイートを引用したことを覚えているだろうか。過去記事では、「制度や周りのせいにしないで、自分が今の環境に順応するべきだ」という記述に焦点を当てたわけだが、今回の記事では「空求人」に注目してみたい。空求人とは、人を雇う気が無いにも関わらず、企業がハローワークやネット上に求人を出すことを言う。次のツイートは「空求人」の典型的な例と言えるのではないだろうか。また、他にもというツイートも目にした。


「既卒者問題フューチャーセッション」では、「空求人」に関して「人を雇う気が無いのに、企業が求人を出す訳が無い」という点で議論になったそうだ。正直僕も「空求人」について調べる前は「確かに、人を雇う気が無いのに採用活動をするのは無駄でしかないし、企業はそんな非効率なことをするのだろうか」と考えていたし、他にも同様の疑問を抱いた方はいるのではないかと察する。


しかし、僕は全く知らなかったのだが、経済学者の田中秀臣先生や岡田靖先生が「空求人」の問題を取り上げていたことが分かり、専門家によって議論がなされたレベルのトピックであることを確認した。田中先生は自身のブログで「いわゆる"空求人"問題についてのtwitterでの情報交換」というエントリーを書き、そこで岡田先生による「実は、公共職業安定所の世話になった人々から聞いてみると、求人を出しながらいつまでたっても実際には採用しない企業は少なからず存在すると言うのである。景気の悪い時期に公共職業紹介所が努力して求職票を増やそうとするために、結果的に労働需要の実態に合わない求職票が増え欠員率が見かけ上増えているのではないか?」という分析を紹介している(http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20101222#p2)。


また田中先生は、中小企業で人事・総務を担当している人によって書かれた「空求人」というエントリーも紹介している。この記事では、本当は求人を出す余裕なんか無いのだが、ハローワーク職員が商工会議所の専務理事を連れて会社の社長に求人を出すように求めた結果、嫌々求人を出すはめになったらしい。もっとも採用意欲は全く無いので、求める人物像を高度なものにして、且つ待遇は「ブラック企業」と評して良いレベルのものにしたのだが、それでもその求人に応募してきた人は一定数いて、無駄な面接をした挙句に全員不採用にしたそうだ。


以前「すみ」さんが、ライターページに寄稿してくださった記事にて「ハロワの職員は、求人開拓を怠っている」と怒っていたが(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-336.html)、この記事を書くに当たって「空求人」について調べてみたことで、企業に無理やり求人を出させようとするとそれがただの「空求人」となってしまう場合があることが分かり、なかなか難しい問題だなと感じた。さすがに、企業に対して「採用する余裕が無いのは分かるけど、それでも何とか若者を採用してよ!」とは言えないし・・・。


それにしても、今まで就活関連の論客の文献に多く目を通してきたけれど、リクルートワークス社や厚生労働省が算出した有効求人倍率を根拠に「求人はある」と論じる人は見たことがあるが、「空求人」という事情に触れている人を僕は知らない。前回の記事のタイトルは「初めから若者を使い捨てることを前提としている会社の求人を含めて"求人はある!"なんて言うべきではない」というものだったが、同様に「空求人を出している会社を含めて"求人はある"なんて言うべきではない」とも言えないか。例えば三菱商事から内定を取れるような人でも「空求人」を出してくる会社から内定を取ることはさすがに不可能だろうし、そんな求人を含めて「求人はある!」なんて言われても「いじめですか?」としか思えない。


空求人であるかどうかを見分けるヒントとして、上で触れた「空求人」というエントリーに書かれている①求める人物像が無駄に高度②ブラック企業といえるような待遇、という要素が挙げられると思う。空求人を出す企業には、なるべく面接などで時間を取られたくないという考えがあるわけで、ゆえに求職者が応募をためらうような求人内容であればあるほど望ましいというのは容易に想像がつく。ハロワでそういう求人を見つけたら、ぜひ当ブログのライターページに寄稿して欲しいです。


記事の締めくくりとして、「空求人」というエントリーの最後の記述を引用したい。

今求職活動をしている人たちは本当大変だと思う。うちだって本当は求人を取り下げたい。取り下げることで、求職者たちの精度や確率だって上がるだろうし、余計な時間や手間隙だってかけなくて済む。国も、思い切って35歳以上のニートやフリーターの数を弾き出して、きちんと公表したら良いと思うんだ。くさいものに蓋みたいな状態だし。

とりあえず、うちに面接に来る前に限らず、ハローワークで「どれくらいの人が応募していて、不採用者はどれくらいなのか」というのをきちんと調べてもらったほうが良いと思う。


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No title

超同意です。特に空求人のエントリーの(思い切って35歳以上のニートやフリーターの数を弾き出して、きちんと公表したら良いと思うんだ。くさいものに蓋みたいな状態だし。)部分に。
あとハローワーク職員に求人開拓のノルマを課されているのかもしれませんね。

少し話がずれますが、職業訓練に関してもちと問題があると思っています。
知人が職業訓練を受けていて、講師にとにかくアルバイトだろうと、なんだろうと就職しなさいと言われたらしく同様のケースが何件もあるらしいです。つまり職業訓練の「就職」という名のみかけの数値の中に正社員以外は相当含まれているという事です。
それは話を聞くに民間委託の際にどうも「就職」の数値目標を高くしろ、と行政にいわれているそうで。←これに関しては正確な情報ではないのでご注意を。

なんか有効求人倍率が低かったりり、若年層の失業率が高かったりしたら問題はあるのだろうか。とにかくすべての数値に関して正確な情報をだしてほしいです。




No title

12月から就活していますが、
エントリーしたのに何にも連絡してこない企業がありました

学歴フィルターもそうですが、
これも空求人なんでしょうか?

金のかかる大人の遊びですね
広告の一環のでしょうか?

Re: No title

> takeshi さん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

>知人が職業訓練を受けていて、講師にとにかくアルバイトだろうと、なんだろうと就職しなさいと言われたらしく同様のケースが何件もあるらしいです。つまり職業訓練の「就職」という名のみかけの数値の中に正社員以外は相当含まれているという事です。

本当ですか!こういう話を耳にすると、ますます「みかけの数値」を信頼するわけにはいかないですね。

>なんか有効求人倍率が低かったりり、若年層の失業率が高かったりしたら問題はあるのだろうか。とにかくすべての数値に関して正確な情報をだしてほしいです。

「空求人」というエントリーを書いた人が述べているように、とにかく「くさいものに蓋」をして誤魔化したいのではないでしょうか・・・と疑っています(笑)加えて、論者でも「このデータの、この数字は疑ったほうが良い」ということを言う人は少ないような・・・。もう、「就活論壇」はボロボロですね。

Re: No title

> PIRO さん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

>12月から就活していますが、
エントリーしたのに何にも連絡してこない企業がありました
学歴フィルターもそうですが、

それは多分、学歴フィルターでは。「何にも連絡してこない」というところが、根本的に就活生を舐めきってますよね。これだったら、「○○大学の人だけ採用します!」と宣言したほうがまだマシかもしれません。

No title

最近の記事は問題の核心に迫るようなものが並んでいて、とても勉強になります。
空求人をするメリットよりも、空求人をしない(断る)デメリットを考えた方がいいように思います。
中小零細企業はどこもぎりぎりでやっているようで、弱点を突かれるとあっという間に倒産、社員は失業、という例が現実に起こっているようです。
お上は怖い、が本音でしょう。

昔は書類を出す段階で振り分けされていましたが(応募書類を請求した時点で、学歴フィルター)、今は表向き平等なので、返事も来ないということになるのだと思います。
表向き平等の嘘が多くの人を苦しめていると感じます。

それにしても、空求人は一種の詐欺だと思いますが、詐欺だということになった場合、いやいやながら空求人させられている企業が罪をかぶるのだろうかと思うと、この世はとことん弱者が被害をこうむるようになっているのだなあと。
職安の方は、空求人しろといったわけじゃない、といえば大丈夫ですから。

結局、求人が足りないのが事実で、ハロワは雇用を作り出すことはできないのが当たり前なのに、あたかも求人があるかのように偽装するのはなぜなのか。
それは、求人が足りないという事実を認めてしまうと、みんな絶望して、社会が不安になる。だから、求人はあるという嘘をみんなで作ることで、なんとか社会を安定させようとしている、としか思えません。放射能に害はないといって、不安をなくそうとするように。
ここで批判されている論者は原発問題の安全論者と同じ、と考えれば、わかるような気がします。

No title

私は意外と優良企業とよばれるところでも空求人はあると思っています。
いつも就活について相談させて頂いていた社会人の方に空求人について話を振ったところ

「うちも就活サイトに広告出してるけど、新卒の採用予定ないよ」

と返答が来ました。
その方にいつも会社の話を聞いていて、優良企業だなと思っていたので「こういう会社でもそんなことあるんだ」と驚きました。残念ながら、空求人を出す理由についてはよくわからないとのことでした。

たぶん理由として

・欠員が出た時のため
・「継続会員特約」や「年単位のパック料金制度」が存在するため
・就活サイトに求人が載っていると「この会社は新卒雇うだけの余裕がある」というイメージがつき、取引に有利になるため
・単純に割安で出せる広告として出している
・「リク●ート」など広告会社との別のところでのおつきあいがあってなりゆき

といったところだと思います。

これはあくまでも私が勝手に妄想(?)した就活サイトにおいての企業が空求人を出すメリットです。きっと大人の事情があるのでしょう。

しかしそう仮定すると、就職サイトの有効求人倍率も実は結構水増しされてる可能性があるわけです。就活サイトだって慈善事業じゃないからあたりまえなんですが、怪しい求人とか別の使い方する企業だってあると思うんです。ある程度就活生も一般社会も信頼しきってしまっている部分があるわけで、本当は半分信じて半分疑うくらいのものでないといけないのではと私は考えています。

思いっきり主観で書いたコメントなので、論理性が乏しく申し訳ないです。

Re: No title

> ななし さん

こちらの記事にもコメント有難うございます。

>最近の記事は問題の核心に迫るようなものが並んでいて、とても勉強になります。

さっきのコメントと評価が違いすぎる・・・(笑)まぁ、僕もこういう方向性の記事のほうが書いていて楽しいですよ。

>空求人は一種の詐欺だと思いますが、詐欺だということになった場合、いやいやながら空求人させられている企業が罪をかぶるのだろうかと思うと、この世はとことん弱者が被害をこうむるようになっているのだなあと

この件に関しては、さすがに企業を責めることは難しいですよね。

>求人が足りないという事実を認めてしまうと、みんな絶望して、社会が不安になる。だから、求人はあるという嘘をみんなで作ることで、なんとか社会を安定させようとしている

まさに「くさいものに蓋みたいな状態」といえるでしょうね。「空求人」に関しては企業・就活生双方が不利益を蒙ることは明らかなので何とかすべきだと思いますが、そこを何とかすると「実は求人なんかあまり無かったんです!」というネガティブなニュースが流通し、そういうニュースを望まない人も多くいるのでしょう。

Re: No title

>にーさん

お久しぶりです、コメント有難うございます。

>私は意外と優良企業とよばれるところでも空求人はあると思っています。
いつも就活について相談させて頂いていた社会人の方に空求人について話を振ったところ

「うちも就活サイトに広告出してるけど、新卒の採用予定ないよ」と返答が来ました。

ええ・・・。もう何がどうなってるのか全く分からない(笑)

>・「継続会員特約」や「年単位のパック料金制度」が存在するため

これについては正直今まで特に考えたことは無かったのですが、確かにこういう特典はありそうですし、その特典の恩恵を受けるために惰性で求人サイトに登録する企業も多くありそうです。

>就職サイトの有効求人倍率も実は結構水増しされてる可能性があるわけです

そうなると、ますます海老原さん辺りが発表した論考の価値が無くなっていきますね・・(笑)

No title

こんにちは。つい最近このブログを初めて知り、とても興味深く拝見させて頂いております。
おととしの春に労働局をクビ(笑)にされて以来、緊急雇用とか期間職員など、非正規の仕事を渡り歩いております。
ブランクが空くとハローワークに通う日々となったのですが、明らかに「これは空求人」と断定できる求人がやはりありましたね。
求人出して1ヶ月で190人もの応募が殺到したのに、結局ひとりも採用しなかったとか(笑)。
190人全員がロクでもねえ奴ばかりだったということでしょうか?(爆)
本当に人が欲しいのなら、いくら採用基準が高かろうが、絶対誰か採るでしょう。
そもそもハローワークに求人開拓員なんてものが存在している理由がよくわかりません。
本当に人手不足なら、開拓なんかしなくても企業の方から求人を出すはずです。
あの連中の仕事は「空求人」を生み出すための営業活動ではないのでしょうか。

起業支援型地域雇用創造事業

「起業支援型地域雇用創造事業」は、地方自治体が企業等に委託して事業を実施し、当該事業の実施のために失業者を雇い入れることにより失業者の雇用の場を確保するという雇用創出基金事業の枠組みの中で、特に、雇用創出力のあると考えられる「起業後10年以内」の企業等を委託先として、地域の産業振興・雇用施策に沿って、当該委託先の事業拡大等に資する事業を実施することにより、失業者の一時的な雇用の場を確保するだけでなく、地域に根ざした事業による地域の雇用の受け皿を創造することを目指す事業です。事業の受託により、企業等は、事業拡大等に資する事業を人件費の負担なく実施できるほか、失業者を最大1年間雇用する中で必要な人材を確保できるといったメリットがあります。

このタイプの求人は助成金目当ての空求人である可能性が高いです。
これらの求人には、
・たいして応募も集まっていないのに、求人を出して数日で募集を打ち切る
・応募書類を返却しない
という妙な点が共通しています。
つまり人を採る気がないから応募が殺到しすぎると困る、でも助成金をもらうためにはハローワークから紹介された人間を採ることが前提のため、その個人情報を入手するだけのために履歴書を集めるということです。
ある求人の場合、応募したのが私ともうひとりしかいなかったにもかかわらず、求人を出してから3日で募集が打ち切られ、しかもふたりとも不採用となりました。
にもかかわらず、その会社からはハローワーク宛に私を「採用」したという連絡がFAXで届いていたのです。
これが盲点でして、ハローワークは応募者からの申し出がない限り、企業からの連絡を鵜呑みにしてしまうため、今回も私がこれについて申告しない限り、ハローワークの紹介履歴には私が「採用」されたということになってしまうのです。
そうして実際には採用したいない人間の個人情報を入手して助成金をだましとるという立派な詐欺なのですが、役所は仕事がいい加減なので、まだ発覚していないみたいですね。
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