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「やりがい搾取」という概念を作ったのは本田由紀先生です

去年の9月に、may_romaさんが常見さんの「僕は最近、英語をやり直しているんですが、NHKの教材は最強です。初歩的なことから高度なことまで、月に数百円で学べるなんてすごいですよ(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33615?page=9)」という発言に対して「私は英語だけじゃなくノマドのまとめとなどもあまりにも(私がこれまで述べてきたことと)似ているから怒っているんです」と怒りを顕にするという出来事があった。このやり取りは、一部togetterでまとめられている(「常見さんへの@May_Romaさんからのパクリ疑惑 の続きのまとめ」)。


正直英語の学習法のくだりに関してはmay_romaさんの言いがかりだと思っているが(ノマドについては分かりません)、この出来事以来これまで以上に「プレジャリズム」という言葉を頭の隅に置くようになった。あるサイトでは「プレジャリズム」とは「思考、考案、文章などの剽窃(ひょうせつ-盗んで自作として使うこと)」のことを意味し、その行為の例として「ほかの人のアイデアやワーク、リサーチデータをリファレンス無しに使用すること」が挙げられると説明されていた(http://www.interq.or.jp/pacific/rikki/html/plagiarism.html)。僕は記事を書く際に参考文献を参照することが多いので、ある概念・考えを紹介するときは、そのアイディアを生み出した人を明記するよう心がけている。


そんなことを思いながら、久しぶりにふと「やりがい搾取」について調べ、その一環で常見さんの「アップルが新入社員に渡すメッセージがブラック企業みたいな件」という記事を読み返したところ、ある違和感を覚えた。それは「この記事だけ見ると、"やりがい搾取"という言葉は常見さんが考え出したものみたいだな・・・」と。


記事の詳しい内容はリンク先に飛んで見て欲しいのだが、記事には「若者たちよ、"やりがい搾取""明るい過労"に負けてはいけないのだ」、「"やりがい搾取になっていないか?"冷静に見て頂きたい」と、2度「やりがい搾取」という言葉が使われている。これに対して、記事を読んだ人の中に次のようなツイートをした人がいる。特にこのツイートの「"やりがい搾取"とはうまいネーミング」という感想にムッとした。なぜなら、この「やりがい搾取」は本田由紀先生が名づけた概念のはずなのに、あたかも常見さんがこのような概念を編み出したかのような読まれ方をされているように感じたからだ。本田先生は2007年に「やりがいの搾取 拡大する新たな働きすぎ」という論考の中で、阿部真大先生の「自己実現系ワーカホリック」という概念をさらに発展させる形で「やりがいの搾取」という概念を作っているのだ。ちなみに、常見さんの記事には本田先生の名は出てこない。 


さらにもう少し調べたところ、「常見さんが"やりがい搾取"という言葉・現象を発明した」と勘違いする人がいても全然おかしくないなと感じた。例えば、常見さんの著書「僕たちはガンダムのジムである」には「僕たちがジムになる理由3―会社員という日々」という見出しがあり、その中に「企業は個人を飲み込みつつも、その個人を主役であるかのように演出するのが実に上手なのである(p.83)という記述や、「がんばってしまう自分に酔ってしまう構造とは?」という小見出しがあり、明らかに「やりがい搾取」という現象について説明している箇所が見られる。しかし、本文中には本田先生の名は出てこない。もっとも、p206の参考文献一覧で本田先生の「軋む社会」を参照した旨は書かれているのでこれはセーフといえるのかもしれないけれど、僕としてはちゃんと本文中で本田先生の「軋む社会」を参照した旨を明記して欲しいと思った。


ここでは常見さんの文章が「プレジャリズム」にあたるか否かを論証するつもりはない。単に、僕が最も勉強させてもらっている先生の概念が、僕が最も評価できないと感じている人が編み出した概念とみなされる場合があることに苛立ちを覚えたということだ(笑)だからここで、「やりがい搾取」という概念を作ったのは本田先生だし、その概念について勉強する場合は本田先生の文献を目にして欲しいということを伝えたい。「軋む社会」という本は800円くらいで買えます。


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No title

常見さんは、やりがい搾取という言葉はすでに十分流通していて、いちいち出典を明らかにする必要はないと思っている可能性が高い。

本田教授がこの言葉を発明してからすでに5年以上たっているから、この方面の人には十分わかっていることだと思う。

また、やりがい搾取という状況自体は本田教授が発見したものではないので、状況に言及すること自体はなんら問題はない。(複数の人が発見していたが、それを公の場所で言って注目されたのが本田教授ということ)

ただ、世の中には無知な人が多いので、無知な人は最初に言葉を発明した人のことは知らない。
本田教授の本は値段は安いが、誰でも気楽に読める本ではない。

この件で誰かを責めるとしたら、それは、常見さんの読みやすい記事しか読めない人たちであって、常見さんではないと思う。

また、やりがい搾取という言葉自体、公の場所で最初に使ったのは本田教授であっても、公の場所でないところで誰かが先に使っていた可能性はある。

誰でも自分が一番最初に考えたと思いたがるが、実際は、同じことを多くの人が考えていることが多い。それを目立つ場所で言った人が注目される、という現実がある。
今回の件も、その例だと思う。

というか、「やりがい搾取」を発明したのは本田教授ですよ、と、間違えた人に対してツイートしたりレスしたりする方が効果的では?

追記

常見さんが何か言うたびにここで突っ込みをいれたくなる、という気持ちはわかるけどね。

私も、ここで、何かひっかかるたびにコメントしたくなるので、気持ちとしてはたぶん、似たようなものかと。

どっちも、それだけ人気があるってことですね(笑)。

Re: No title

> ななしさん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>やりがい搾取という言葉自体、公の場所で最初に使ったのは本田教授であっても、公の場所でないところで誰かが先に使っていた可能性はある。誰でも自分が一番最初に考えたと思いたがるが、実際は、同じことを多くの人が考えていることが多い。それを目立つ場所で言った人が注目される、という現実がある。

僕の考えとしては「ある現象に気づき、それについて考えること」と「ある現象を概念化すること」には似ているようで大きな差があると思っていて、後者ができるからこそ学者の仕事には価値があるのだと思っています。確かに「公の場所でないところで誰かが先に使っていた可能性」を全否定することはできませんが、ただ本田先生が論考において行った「"やりがい搾取が起きている"と評価できる会社の要件」を抽出し、それを言語化するレベルまでやった人は多分いないと思います。

>また、やりがい搾取という状況自体は本田教授が発見したものではないので、状況に言及すること自体はなんら問題はない。(複数の人が発見していたが、それを公の場所で言って注目されたのが本田教授ということ)

僕としては先行研究(本田先生の論考のこと)がある以上は、その存在について本文中に触れないというのはおかしいと感じますね・・・。先行研究の存在に一言触れた上で、その研究の内容を肉付けしていく分には何も問題ないと思いますが。

>というか、「やりがい搾取」を発明したのは本田教授ですよ、と、間違えた人に対してツイートしたりレスしたりする方が効果的では?

僕の考えは「ななし」さんとは異なり、「無知で、常見さんの読みやすい記事しか読めない人」ではなく常見さんの文章に責められる点があると思っているので、今回のような記事を書くにいたりました。それに、googleで「やりがい搾取」と検索すると僕のブログが2番目にヒットするので、ブログ記事にするという形で取り上げようと考えました。

>常見さんが何か言うたびにここで突っ込みをいれたくなる、という気持ちはわかるけどね。私も、ここで、何かひっかかるたびにコメントしたくなるので、気持ちとしてはたぶん、似たようなものかと。

引っかかるところがあると、それを取り上げたくなりますよね。ただ僕の場合は、常見さんへの嫌悪感が常見さんの記事を批判するにあたってのモチベーションになっているので(勿論、嫌いだからといっても、良い記事には「良い」と言います)、そこは「気持ちとしてはたぶん、似たようなもの」では困ります(笑)しばらくは、常見さん(の文章)批判が続くかもしれません。
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