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海老原嗣生さんとposseの公開討論において「日本型雇用」についてどのような議論がなされるだろうか

ここ最近、海老原嗣生さんがお忙しい中僕のブログにコメントを下さっている。一連のコメントの中で海老原さんが、NPO法人"posse"の代表であり、且つ「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」の著者でもある今野晴貴さんとの公開討論に臨む旨が記されている(イベントの詳細はこちら→http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/6fd69b0cd0d794de420aa44cabd3187f)。予約は不要らしいので、参加できる人は北沢タウンホールに足を運んでみてはいかがだろうか。


そして対談に先立ち、海老原さんはposseのブログに「なぜ若者の敵=海老原が、POSSEで語るのか?」という記事を寄稿している。その中で海老原さんが、自身の著書などで「中小のブラック(企業)排除」を掲げ、ゆえにposseと協働する旨を述べている。さすがに、この点に関して海老原さんを批判する気は全くない(笑)


僕はこの公開討論には行けないので、代わりに気になる点を一つ書いておきたいと思う。それは「公開討論において、終身雇用や年功賃金を特徴とする"日本型雇用"の評価について、どのような議論がなされるのか」ということだ。なぜなら、僕の理解ではposseと海老原さんの間には「日本型雇用」の評価に差があると感じているからだ。具体的には「雇用契約それ自体の中に具体的な職務が定められていない」ことが特徴のメンバーシップ型契約(http://homepage3.nifty.com/hamachan/kaikakusha1011.html)をどう評価するかという点に違いがあるように感じている。これは労働者が長期雇用されることにつながる契約であると同時に、企業の「命令の権利」を拡大する側面を持つ契約でもある。


海老原さんは著書「雇用の常識 本当に見えるウソ 決着版」において、日本型雇用のメリットを複数述べている。その一つに「公平化・シャッフル化効果」というものが挙げられている。これは海老原さん曰く「異動・転勤がつきものの働き方だと、嫌な上司、ソリが合わない部下とチームを組んだ時でも、人事でそれが解消される」効果のことを意味する。ここでいう「異動・転勤がつきもの」というところに、企業の「命令の権利」の大きさが感じられる。


一方でposseの今野さんの見解。まず前提として今野さんの著書「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」における議論の中ではブラック企業の特徴の一つに「異常な命令」が含まれることになっている。その上で、日本型雇用の特徴である「異動・転勤がつきものの働き方」について「単身赴任という言葉は日本では一般的なものである。遠隔地赴任は1週間前、1ヶ月前といった直前に配置が決まることも珍しくない。当然、単身で何年もの長期間暮らすことは心身共に大きな負担であるだが、日本ではこうした一方的な命令を拒否することはできない」と今野さんは評している。


また、海老原さんは日本型雇用の長所として「適材適所効果」を挙げている。これは欧米型の職種別採用だと未経験者はまず採用されないことに加えて経験者が自分の踏み入れた仕事以外の可能性を開けないのに対して、日本の総合職採用は未経験者を採用して、いくつかの仕事を経験させた上で一番適した部署に根付くというスムーズな人材登用法と結びついているという議論だ。ここでいう「いくつかの仕事を経験させた上で」という文言も、企業が労働者に対して「あなたは~な仕事をすることになったから」と柔軟に命令してくる姿勢を感じさせる。


しかし一方で今野さんは、日本の総合職採用に関して「命令に制限が少なく、その分雇用が保障されるシステムは非常に合理的に思えるかもしれない。だが命令の契約内容に制限がない状態は世界的にもかなり特殊であり、働く者には相当の負担がかかるシステムだと言って良い」と評している。これは「どんな命令がくるか分からない(具体的には、どの部署に配属されるかわからない、勤務地がどこになるかわからない)」という状態が労働者に心理的な負担をかけるという話だろう。この点も、海老原さんの評価と対立しているように僕には思える。


この他にも、海老原さんと今野さんの間の見解の相違は挙げられるのだが一旦ストップしておく。要は、海老原さんが日本型雇用の良さを認めている一方で、今野さんは上に示した理屈などをもって、日本型雇用の特性がブラックな労働環境を生み出すことにつながっている旨を論証しているのではないかという話である。ゆえに、この点がどう議論されるのかに興味があった。


もっとも海老原さんも、メンバーシップ型契約を礼賛しているわけではない。僕も過去記事で取り上げたけれど、海老原さんは「若者はかわいそう論のウソ」の中で、「そこまで出世はしないし、給料もそれほどでもないけれど、職務はきちんと決まっている正社員枠」の導入を提案している(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-392.html)。簡単に言えば、エリートにはバリバリ働いてもらうけれども、一方で過度に働きたくない人に関しては待遇を下げる代わりに各々が従事する職務をきちんと決めて、彼ら・彼女らを長時間労働から守ろうとする考え方だ。多分公開討論でもこのアイディアが語られるのではないかと勝手に思っている。


ただこのような枠を設けると、海老原さんが日本型雇用の長所として挙げている「一律競争型マネジメント(同年次者を一線上で並べて、ある年代まで一律に競争させることで全体の底上げを図るマネジメントのこと)」という長所が失われることが予測される。それでも企業に対してこのような枠を設けるべきことを説得できるのか。この点も興味があるところである。海老原さんからコメント欄で「2/2のPOSSEのイベントにぜひ来て欲しい。そして、ぜひ、辛辣な質問をしてください」とお誘いを受けたにも関わらず参加できないので、以上、ブログで気になる点をつらつらと書いてみました(笑)


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No title

俺が日本型雇用が嫌いなのはマネージメントとかいいつつ下に仕事をただ投げて怒鳴ってるだけで高い給料がもらえる奴がいる、という事実です。
それマネージメントじゃねえーよ。
http://togetter.com/li/426766(May_Romaさん連続Tweet:幹部の仕事は成果評価指標の「設計」です。)

>日本の外の先進国では、たとえIT業界でも「泥の様に働け」なんて組織はありません。良い会社になればなるほど業務量をうまく調整するし、酷い残業なんてやらせない。その調整をうまくやれるのが良いPMであり良いマネージャ。できないのは無能な人。
>(続)日本の外の先進国の会社では、幹部は成果指標の設計や調整に時間をさきます。設計は難しいので給料が高いのです。各従業員に細分化した指標は取りまとめて幹部の指標となりそれをまとめた物が会社全体の指標になります。残念ながら日本の幹部はその仕組みすらわかっていません

>日本の外の先進国のそこそこの規模の企業はなぜ残業が無いかというと、まず、幹部は戦略を作ってそれを従業員に十分伝えます。次に戦中長期のかまり細かい戦術(どうやってやるか)に落とし込み細かいスケジューリングを作ります。それに沿って予算や人員をみっちり計画するのでうまく運営できるのです


posseは関西住まいなので行けませんでした。

Re: No title

> takeshiさん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

http://togetter.com/li/426766(May_Romaさん連続Tweet:幹部の仕事は成果評価指標の「設計」です。)

あぁ、メイロマさんこういうことつぶやいていましたね。「こういう形でマネジメントがなされていれば、労働者のストレスもあまり大きくならないのかな」と感じたことを覚えています。
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