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「企業の採用基準が"神様スペック"と揶揄されるほど上がっている」という議論は結局何だったのか

8日の毎日新聞に「キャンパる:2012〜13就活最前線 人材コンサルタント・常見陽平さんに聞く どう臨む?心構えは?」という記事が載っていた。記事の中で次のような記述がある。

1、2年生の時から積極的に就活に取り組む学生も多く存在するという。彼らはインターンシップに参加したり、企業人を招いた講演会を開催したりするなどして、早いうちから社会人との交流を行っている。留学や資格取得にも積極的だ。もしそのような友人が周囲にいれば、自分は遅れているのだと焦ってしまいそう。

常見さんによれば、無理に意識してそうなろうとする必要はないそうだ。「多くの大学生って学業もバイトも部活やサークルも、いつも全神経を投入するわけではないけれど、力を入れるところは本当に頑張って、後は遊んだりデートしたり。気がつけば3年生の12月を迎えている。大学院には行かないし、さあ就活しなきゃって感じだと思うんです」

なるほど。確かに記者もそうだった。

でも実際、そんな“普通の大学生”たちは先行している層に比べ不利にならないのだろうか。実は、企業側も特別なことをしたすごい学生だけを欲しがっているのではないのだそう。読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材を採りたいのだという。

これと同様の発言は、常見さんと海老原嗣生さん・飯田泰之さんとの対談「学生は自分の”キャラクターにあった企業”を探せ!"ニコ生×BLOGOS特別編~就活の真実~"」でも見られる。具体的には常見さんは飯田さんの「俺、大学時代に他の人が体験していないようなことは何もしていないですよ。普通にバイトして、サークル行ったり、旅行したり、合コンしたり。普通の人生でした。(就活生が面接で)特別な体験を語らなきゃいけないプレッシャーって結構多いと思うんですよ」という発言に対して「僕はよくないなと思ってて、人事は"何をやったか、よりもどうやったか"を見ているんですよ。今は結構、誤解されている部分だと思う。凄い体験が必要だといって、被災地に行って、ボランティアしている様子をガッツポーズして写真をとったりとか」と答えている(http://blogos.com/article/44854/?axis=&p=3)。この見解自体は正しいと思う。


ただ、この見解が正しいとなると「常見さんが語っていた"神様スペック採用への警鐘"の議論はなんだったんだ?」という違和感を覚える。これだけだと何を言っているかわからないと思うので、2010年10月の朝日新聞の「"神様スペック採用"見直しを」という記事を紹介したい。そこで常見さんは次のように述べていた。

数年前だったら通ったレベルの学生が通らない。理由は求人数の減少によるものだけではない。グローバル化など環境の変化などから、企業が学生に期待する力は上がっている。気づけば企業の採用基準は「神様スペック」と揶揄(やゆ)されるほど上がってしまった。普通の学生はスゴイ力と経験がなく焦り、就職対策に躍起になりマニュアル人間になる。内定を3~6持っている「内定長者」と、内定がゼロの「無い内定」に2極化。企業側も内定長者に逃げられている。あえて青臭いことを言わせて頂くと、大学の教育がイマイチでも、そこそこの人材でも育成し、化けさせることが日本企業の強みだと信じたい。若者への責任転嫁はいかがなものか

これを読むと、企業が人材育成を放棄してはじめからハイスペックな若者を求めている現状があり、スゴイ力と経験があるハイスペックな若者は「内定長者」となり、そうでない普通の若者が「無い内定」となる構図があるように思える。加えて常見さんは去年の1月の「富士通の職種別採用...、真の意図とは?」という記事でも次のように述べている。

正社員の総合職は、いわば幹部候補生として採用されるわけで、求める能力の高度化が進んでいます。気づけば、どの企業も採用基準がハイパー総合商社マンみたいになっています

これを読むと、冒頭に紹介した記事の「読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材を採りたい」という記述は一体何だったんだという気がしてくる。


仮に多くの企業が就活生に求める基準が「基礎能力があって成長が見込める」程度のものなら、上述の朝日新聞の記事のように企業に対して「(神様スペック採用をして)若者への責任転嫁はいかがなものか」と突っ込むのは妥当ではないはずだ。また、もし企業が就活生に「神様スペックを備えること」を採用の必要条件に据えているのならば、上述の毎日新聞の記事にある「実は、企業側も特別なことをしたすごい学生だけを欲しがっているのではない」なんてことは言っちゃいけないだろう。常見さんの記述を追っていくと「結局、真実は何なんだ?」という疑問を抱かずにはいられない。まぁ、常識的に考えて「神様スペック」を備えている人「だけ」が内定をとるなんてことはある訳がないので、個人的には朝日新聞の記事などでなされている「神様スペック採用への警鐘」に関する議論の方に違和感を覚えるというわけだ。


なおこれは余談だけれど、常見さんは「就活 "意識の高い学生w"はもはや大学では公害で人害と識者」という記事や著書「"意識高い系"という病」で学生生活、特に就活に前のめりで取り組んでいる学生を「痛い」と評しているけれど、そういう学生を生み出したのは「企業の採用基準は神様スペック揶揄されるほど上がっている」と発信した常見さんの影響もあるんじゃないか?と感じた。「企業が就活生に求めるスペックを高度化させている」という発信がなされていれば、学生もそれに合わせて就活を見据えた学生生活を送るのも無理はないと思うので・・・。常見さんの「企業は神様スペックの学生を求めるようになっている!→学生生活にやたらと前のめりな人、痛くない?」という発信の流れ、こういうのを「マッチポンプ」と言うんじゃないだろうか。


常見さんの一連の発信は「マッチポンプ」と評価できるんじゃないか?という意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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正直、常見さんが言っていたような所謂「リア充」って実際の就職活動では有るなら有るで有利なんでしょうけど、企業に対してはそれ以上になぜこの企業を選んだのか、自分がどう貢献できるか、要点を絞って伝える事が必要なんだと思います。けれども常見さんのような影響力のある人だけに、就活生達はその一挙手一動作に振り回されてしまうのでしょうね。常見さんには自分の持つ影響力をもう少し考えて責任ある行動をとっていただきたいものです。まあ、実際に海老原嗣夫さんのようにコメント欄に来ていただくと面白いかもしれませんど(笑)

Re: タイトルなし

> たろう さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>正直、常見さんが言っていたような所謂「リア充」って実際の就職活動では有るなら有るで有利なんでしょうけど、企業に対してはそれ以上になぜこの企業を選んだのか、自分がどう貢献できるか、要点を絞って伝える事が必要なんだと思います。

常見さんも、毎日新聞の記事・BLOGOSでの対談においては「たろう」さんと同様のことをおっしゃっていると言えます。ただ、朝日新聞の記事などでは「企業の採用基準は"神様スペック"と揶揄されるほど上がってしまっている」「採用基準がハイパー総合商社マンみたいになっている」という話をしているので、「なぜこの企業を選んだのか、自分がどう貢献できるか、要点を絞って伝える事」ができてもそれでは不十分なのではないか?という印象を受けます。個人的にはそこに違和感を覚えるというわけです。

No title

朝日新聞の記事の際は、厳しいコメントをお願いしますと頼まれ、今回は、就活生や保護者を安心させるようなコメントをお願いしますとでも頼まれたのでは?と思ってしまいます。
常見さんは就活関連の論者の中でも色々語れる方なので、様々なところから頼まれるのかもしれませんが。
(だからこそ、記事により意見が変わり、矛盾も生じるため、lingmuさんが度々批判するという事になっていると言えるのかもしれません)

私自身、特別な体験がなければ内定が取れないと言うわけではないのですが、常見さんや飯田さん、常見さんに同意している記者の人の言う普通が本当の意味で「普通」なのか疑問だったりします。
かなり前に読んだ就活関連の本で特別な体験がなくても大丈夫みたいな部分があったのですが、文章例を見ると、正直、これが特別な体験じゃないのか?というような例があったので……

同時に読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材と言いますが、意外とこういった基礎条件が全て揃った人というのは少ないのではと思います。(これは就活生に限らずです)
常見さんが色々なところでコメントしているのも、就活や就活問題を語る際の基礎的条件(学歴や経歴、学生と接している頻度等)が揃っている人がいないからだと思っています。

Re: No title

> 11卒業務未経験無職 さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>朝日新聞の記事の際は、厳しいコメントをお願いしますと頼まれ、今回は、就活生や保護者を安心させるようなコメントをお願いしますとでも頼まれたのでは?と思ってしまいます(中略)だからこそ、記事により意見が変わり、矛盾も生じるため、lingmuさんが度々批判するという事になっていると言えるのかもしれません

そう思っても全然不思議ではないと思います。僕の常見さんに対する信頼度は海老原さんに対するそれをはるかに下回ります(笑)正直、コメントをくださる方の意見の方がきちんとしていると思います。

>私自身、特別な体験がなければ内定が取れないと言うわけではないのですが、常見さんや飯田さん、常見さんに同意している記者の人の言う普通が本当の意味で「普通」なのか疑問だったりします。かなり前に読んだ就活関連の本で特別な体験がなくても大丈夫みたいな部分があったのですが、文章例を見ると、正直、これが特別な体験じゃないのか?というような例があったので……

なるほど。考えてみれば、何をもって「普通の体験」といえるかは人それぞれ違いそうですね。例えば「海外留学」というエピソードに対して「すごい」と感じる人もいれば「海外留学なんてありきたりだな~。普通でしょ」と感じる人もいそうです。

>同時に読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材と言いますが、意外とこういった基礎条件が全て揃った人というのは少ないのではと思います

確かにそうかもしれないですね。

まずは矛盾をなくすべきだよな。

即戦力を求めてる癖に何の知識も経験もない新卒ばかり採用したがるからな日本企業は。

海外は卒業したあとも一定の空白期間を経て30前後で職に就く人が珍しくないのは何故か?

知識・経験を得るためで海外企業もそれを理解してるからだよ。

日本企業は就活生の空白期間に対して「何もしていない」というイメージが強すぎるんじゃないか?

あんたらの求めてる即戦力の準備をしてる人だって一定数いるはずなのにね。

No title

>なるほど。考えてみれば、何をもって「普通の体験」といえるかは人それぞれ違いそうですね。例えば「海外留学」というエピソードに対して「すごい」と感じる人もいれば「海外留学なんてありきたりだな~。普通でしょ」と感じる人もいそうです。

この記事に限らず、「僕たちはガンダムのジムである」の書評記事でもlingmuさんが書いていたり、そのコメント欄で他の方も書いていますが、常見さんの「普通」をどうとらえるべきなのか色々疑問があります。
分かりやすい例で言えば常見さんは札幌南高校を卒業していますが、この学校の卒業生は数多くの人が北海道大学に進学しており、この学校としては北海道大学進学は「普通」なのかもしれませんが、果たして世間的に見れば「普通」なのか?という疑問が生じます。
常見さんの言う「普通」は自身の経験等から出てくるものだと思いますが、常見さん自身の大学時代や常見さんが面接官時代、そして現在接している大学生の「普通」と本当に普通というか平凡的な大学生の「普通」は同じなのか?とどうも思ってしまいます。
(100社受けるということもがあくまでもエントリーと解釈していた事からも。多分、常見さんは12~3月期には4年生よりも3年生の動向に注目しているため、こういった例を知らないのでは?と個人的に思います)
そういう意味でももしかすると常見さんの普通=神様スペックまではいかないけれどかなり高いレベルのものでは?とも思ってしまいます。
勿論、常見さんの視野に入っている企業は大企業やそれに近い中堅企業、優良中小企業のような気がするので、上記のような企業に入るのには必要でそれらの企業以外ではそこまでのスペックは必要ないのかもしれませんが。

また、飯田さんや毎日新聞の記者の方が特別な事はしていないと言いますが、そのコメント後に(東大卒)とか(一流大学卒)、というように書いて補足すると大分印象が変わるような気がします。

>確かにそうかもしれないですね。

普通位の容姿で、普通位の大学に所属していて、サークル、ゼミ、アルバイトを人並みにしていて、読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材と言うと、簡単そうでなかなか難しいような気がします。
以前、何かの記事で見たのですが、あなたの考える「普通」の結婚相手はほとんど存在しないというのと似ていますが。

No title

その常見さんの記事の2ページ目にあるのは、

>ただし、基礎能力が基準以下の学生が多く存在するのもまた事実だと常見さんは指摘する。「模擬面接の面接官をやると、人に自分の価値を伝える話し方や文章の書き方ができていない学生が特に多い。せっかく海外経験があるのにただの思い出話になってしまっていたりね。企業側も全ての大学にアプローチはできないから、過去に良い人材が出ている大学に“当たりをつける”。学歴差別という批判もあるけれど、それが現実です」

常見さんも、普通の学生は基準以下だと認めているのですね。
また、「せっかく海外経験があるのに」という言葉には、「海外経験があるのが普通で、それだけでは基準以下」という本音が見えます。
雲の上の人には下界が見えないのでしょう。下界があることは知っていても。

Re: タイトルなし

> 雨宮さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>まずは矛盾をなくすべきだよな。即戦力を求めてる癖に何の知識も経験もない新卒ばかり採用したがるからな日本企業は。

矛盾が存在するか否かは「即戦力」という言葉の定義によるかと思います。「即戦力=即日から既存の社員とほぼ同等の仕事ができる」だとすれば新卒にそのような脂質を求めるのはナンセンスですが、「即戦力=(例えば)飲み込みの速さ」と捉えれば別に矛盾していないことになりますから。

>日本企業は就活生の空白期間に対して「何もしていない」というイメージが強すぎるんじゃないか?

「何もしていない」というよりは、「何かをしていたとしても、正社員としての勤務経験以外は価値なし!」という表現の方が適切なのではないか?と個人的には感じました。

Re: No title

> 11卒業務未経験無職 さん

こんばんは、またまたコメントありがとうございます。

>この記事に限らず、「僕たちはガンダムのジムである」の書評記事でもlingmuさんが書いていたり、そのコメント欄で他の方も書いていますが、常見さんの「普通」をどうとらえるべきなのか色々疑問があります。

まぁ、「僕たちはガンダムのジムである」も「99%の人のためのキャリア論」を謳っていながら、実際は「リクルート→バンダイ」というキャリアを歩んだ常見さんの話がだらだらと書かれているだけの薄っぺらいものでしたしね・・・と僕は思っていたのですがなぜか世間からのこの本の評価は高い(笑)

>また、飯田さんや毎日新聞の記者の方が特別な事はしていないと言いますが、そのコメント後に(東大卒)とか(一流大学卒)、というように書いて補足すると大分印象が変わるような気がします。

確かに。言われるまで気づきませんでしたが、めちゃめちゃ印象変わりましたよ(笑)

>普通位の容姿で、普通位の大学に所属していて、サークル、ゼミ、アルバイトを人並みにしていて、読む、聞く、書く、話す、考えるなどの基礎能力があり、成長が見込め会社に合った人材と言うと、簡単そうでなかなか難しいような気がします

そうですね。毎日新聞の記事の文を読む限りでは、この資質はさほど高度なものとみなされていないっぽいですが(「すごい体験は無くても、基礎能力があればいいんだ」という書き方なので)、言われてみれば簡単そうで備えるのが難しい資質と言えそうです。

Re: No title

> ななしさん

>常見さんも、普通の学生は基準以下だと認めているのですね。

これを読むと、就活生が就活に苦戦する理由は「企業の採用基準の高度化」よりも「学生の能力の問題」と捉えるのが適切かのように思えてしまいますね。

>また、「せっかく海外経験があるのに」という言葉には、「海外経験があるのが普通で、それだけでは基準以下」という本音が見えます。

これに関しては、僕は「海外経験があるのが普通で、それだけでは基準以下」というメッセージではなく「海外経験は良いエピソードだけれど、伝え方の問題でエピソードの良さが殺されている」というメッセージを発信しているのだと受け取りました。
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