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バズワード化していく「新卒一括採用」

現在の就活に関する議論の中で最も議論の遡上に載せられるトピックの一つが「新卒一括採用」である。ただこのトピックに関しては、その是非云々を問うこと以前に、そもそも言葉の定義が定まっていないように思われる。このことを確認するために、ここ最近記事で取り上げている茂木・常見対談(http://www.youtube.com/watch?v=wDIGqSxX1bk)の9分過ぎから始まる話を紹介したい。

常見:茂木さんの言う「新卒一括採用」って、どのことを言ってますか?

茂木:各社のエントリーシート、というかエントリーポイントがありますよね。そこに「何年以降に生まれた者」だとか、「○年新卒見込みの者」と書いてあるじゃないですか。それ以外の人は、我が社を受けに来るなってことでしょ?

(中略)

常見:まず「新卒一括採用は何か」って聞いて、そこを茂木さんはちゃんと答えていない、あるいは答えたけれども、今の新卒一括採用を誤解されてます。まず、これは経団連の調査なんですけれども、今採用活動において年齢に関して要件を設けてない会社が、経団連の調べによると、経団連加盟企業の中、つまりそこは大手企業中心なんですけども7割がそうです(11:30~)


(中略)

常見:丁寧に新卒一括採用の現状を見ると既卒者採ってるし、既卒者に門開いてるし、3年以内にフリーターから5割が正社員に変わってますっていうのが、ちゃんとデータで出てるんですよ(14:16~)

この点、多くの人は「新卒一括採用」という言葉を聞いて、茂木さんが説明したような採用方式を思い浮かべたのではないか。wikipediaでは「新卒」という言葉が「大学や専門学校、高校などを今年度中に卒業する学生を表す用語」であると説明されているが、確かに「新卒」をそのような意味と認識し、ゆえに「新卒一括採用」を「卒業見込みの者のみを対象にした採用方式」と捉える人は多くいると思う。


加えて、「現代思想 2013年4月号 特集=就活のリアル」に収録されている児美川孝一郎さんのインタビューを読み、児美川さんも「新卒一括採用」という言葉の意味について茂木さんと同じようなイメージを抱いているのではないかと僕は推測した。というのも、児美川さんは「それでも僕は、新卒一括採用というシステムはもはや限界を超えており、メリットよりも弊害の方が遥かに大きいと判断しています」と述べた後に「(新卒一括採用というシステムで)疲弊し消耗しているのは学生だけではありません。学生も企業も大学も、みな膨大な時間とエネルギーを就活に傾けていて、それでいて結果に満足しているわけではありません」と発言しており、これらの発言からは、児美川さんが「新卒一括採用とは、学生のみを対象とした採用方式である」という認識を持っていることが伺える。


一方で常見さんの話を追っていくと、頭が混乱してくる。特に14分過ぎからの「丁寧に新卒一括採用の現状を見ると既卒者採ってるし」という発言は一見訳が分からない。既卒者を採用しているのなら、それはもはや「新卒一括」採用とは言えないだろうと感じるのが普通だと思う。しかし現実として、常見さんは既卒者(具体的には、既卒無業者)も採用の対象となっている採用方式であっても、それを「新卒一括採用」と見なしている。ここで「新卒一括採用」という言葉を、茂木さんのように「卒業見込みの者のみを対象とする採用」と捉える立場と、常見さんのように「既卒者からの応募をも受け付ける採用」と捉える立場があることが伺える。


見ての通りこの2つの立場は「新卒一括採用」という言葉の定義の捉え方が異なっており、ゆえに単に「私は新卒一括採用を肯定しますor新卒一括採用には否定的です」という意見を目にしただけでは、その人が何を考えているのかは依然としてはっきりとしないこととなる。例えばこのような意見を述べた人に「そうは言っても、新卒一括採用は既卒者にとっては厳しいのではないですか?」という批判をしたとしても、それに対して「え?現在の新卒一括採用は既卒者も採用しているわけで、だから肯定してるんですが・・・」と言われたりすることが考えられる。本当は考えていることは同じなのに「私は新卒一括採用に反対です」、「いや、私は良いと思いますけど・・・」という、あまりにも不毛な意見の対立を生みかねない(まぁ、この件に関しては互いに話せばすぐに分かり合えるでしょうが)。


はじめに述べた通り、「新卒一括採用」は就活の問題点を考察する際に議論される最も代表的なトピックであるにも関わらず、議論が整理されていくどころか、むしろ「新卒一括採用」という言葉のバズワード化が進んでいるような気がしてならない。このような流れを歓迎するのは、就活の問題点を考察する文章を書いて金を稼ぎたい人だけなんじゃないか。失礼なことを書いているは自覚あるけれど、普通時が経てば議論は成熟していくはずなのに、むしろ後退しているというのは一体どういうことなんだと思わずにはいられない。もっとも、ブログを書き始めてからもう1年半ほど経っているはずなのに、今頃になって「新卒一括採用」の定義について混乱している僕も相当しょうもないけれど・・・。

「新卒一括採用」という言葉のバズワード化を招いた「就活論壇」はしょうもないという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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何と言うか、流行り言葉を流行らせて云々、というのが大手の広告代理店のやり方に酷似していますね。恐らく常見さんもそれを意識してのことなんでしょうけど。それにしても、僕は新卒一括採用というのが文字通りの新卒のみの採用という意味だと思っていたので、人によって解釈が違うというのは正直言って驚きでした。でも個人的な意見としては、無用の混乱を避けるために、茂木さんと同じ考えで統一するべきだと思いますね。関係無いですけど、常見さんと茂木さんの対話は就活の諸問題を立場の違う二人が喋りあうという点でかなり面白いですね。今度は海老原嗣夫さんと渡邉美樹・ワタミ代表との対話が見てみたいです。テーマは「努力は裏切らない」辺りでどうでしょうか。かなり不謹慎な話ですが、この対話をネタに1月は記事が書けるのでは…?

Re: タイトルなし

> たろう さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>何と言うか、流行り言葉を流行らせて云々、というのが大手の広告代理店のやり方に酷似していますね。恐らく常見さんもそれを意識してのことなんでしょうけど

僕の感覚では、この意見はあまりピンとこないですね・・・。「大手の広告代理店のやり方に酷似」云々というよりは、単に常見さんが勝手に言葉の定義をぐちゃぐちゃにしているというだけの話だと思っています。

>今度は海老原嗣夫さんと渡邉美樹・ワタミ代表との対話が見てみたいです。テーマは「努力は裏切らない」辺りでどうでしょうか。かなり不謹慎な話ですが、この対話をネタに1月は記事が書けるのでは…?

確かにこの2人の立場はかなり違いますね。多分、まったく話が噛み合わないと思います(笑)その噛み合わなさを観察するのも面白いかもしれませんね。

No title

茂木の意見は単なる言葉の問題でしょう。
現状は常見の言う「既卒無業者も一応同じ土俵に乗れるけど、基本は新卒予定の大学生が卒業直後にそのまま就職する」というスタイルが通用しているのだし、
それを「新卒一括採用」と言い表していいんじゃない?
そこは別にバズってるわけではない。

むしろバズるとすれば、
「職歴未所持者がポテンシャルで採用してもらえるスタイル」だとか
「就職形態就職経歴が人生の一時点での景気・採用動向で非常に左右され、かつ固定化されるスタイル」
「一度新卒枠から外れると(相対的な事実として)復帰が困難なスタイル」みたいな
結果として新卒一括採用がもたらす側面についてのが多いんじゃないかと

Re: No title

> の さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>現状は常見の言う「既卒無業者も一応同じ土俵に乗れるけど、基本は新卒予定の大学生が卒業直後にそのまま就職する」というスタイルが通用しているのだし、それを「新卒一括採用」と言い表していいんじゃない?

なるほど、そういう考え方もありえますね。ただ僕としては「言葉の定義を明確にして欲しい」という思いを持っているので、ゆえに「新卒一括採用」が「卒業見込みの者のみを対象にした採用」のことなのか、それとも「原則、卒業見込みの者が採用の対象だけども、既卒者の応募も受け付ける採用」のことなのか、それがはっきりしない状態にはちょっとイライラしますね(笑)
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