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「人を育てる機能をどこが担うか」という課題

ジョブウェブの佐藤孝治さんが著書「就活廃止論」で問題提起したことの一つは「人を育てる機能をどこが担うか」というトピックである(http://koji.jobweb.jp/?p=3672)。


この問題提起の背景は、同じく佐藤さんの記事「企業から人材育成力が失われた」を読むと理解しやすい。従来は企業が人材を育てる機能を担ってきたけれども、現在は企業が人材を育てるコストを負担することが難しくなってきているという話だ。俗に言う「"即戦力"を求める動き」というのは、このような事情のことを言い表しているといって良い。


正直、実際のところ企業がどのくらい人材育成にかけるコストを減らしてきているのかは僕には分からない。しかし当ブログにも、例えばwilliam yaminさんが、高知県の建築業界が近年教育コストのかかる新卒採用を忌避する傾向があり、以前ならいきなり正社員として採用されていた「工業高校で建築専攻」だったような学生が正社員になれなくなってきているという事情を教えてくださっている。


この事情を受けてwilliam yaminさんは「新卒一括採用の持続可能性に疑問を投げかけるべき」と問題提起していたが、本当にその通りだと思う。これまでは企業が「未経験の若者を自分で育てるから」という考えを持っていたわけだが、企業がその考えを持ち続ける可能性が減少してきている以上、企業外における職業訓練機会をいかに整備するかという点を考えるべきではないか。ここでいう「企業外」というのは公的な機関でも良いし、大学でも構わない。


一方で、常見陽平さんがハフィントンポストに寄稿した記事で述べたような「政府、および経済団体が、このたび就活を後ろ倒しする意図について"学生生活で存分に成長してもらいたい"というものがある。聞こえはいいが、ややうがった見方をすると、企業が人材を育成する余裕がない中、またこれが新卒の採用要件が高度化するのにもつながっている中、"大学時代に就活のために、何かやってこい"という話にもなりえないか」と懸念を示す意見もある(http://www.huffingtonpost.jp/yohei-tsunemi/post_4755_b_3227761.html?utm_hp_ref=tw)。しかし個人的には、この懸念はただの「人気取り」に過ぎないと思っている。


大体、企業が人材を育成する余裕を失っているにもかかわらず、学生が今まで通りあくまでも「ポテンシャル」を武器に企業にエントリーする流れを肯定する意味が全く分からない。企業からしたら「だから、人を育てる余裕が無いって言ってるだろ」としか思えないのではないか。常見さんが自身の懸念を押し通すなら「何だかんだで企業は人を育てる余裕がありますよ。だから、新卒の採用要件を高度化する必要はありません」という論証をしないと筋が通らないと思うけれど、おそらくそれは無理でしょう。


僕、そして恐らくwilliam yaminさんが考えるのは「確かに従来のポテンシャル採用と比べて採用要件は高度化するけれど、その代わり就活生にどのような資質を求めるのかは明確にするし、且つその資質を磨く環境を企業外に整備する」という姿だ。そしてこの姿を具現化するためには「人を育てる機能をどこが担うか」という点を考え直す、具体的にはその機能を企業に専属的に担わせるのを止めて大学などの教育機関にもその機能を担わせることが必要だ。


「人を育てる機能をどこが担うか」という観点から就活問題を捉える視点が必要だという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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ブログ主さんの金沢星陵大学のような学問の場としてではなくあからさまな就活予備校になった大学への意見を聞いてみたいです。

国が補助金を出してまで運営する価値があるのか?と感じます。

学問と資本主義社会に望まれるスキルないし知識は重複する部分が非常に限られてます。
そして大学(特に私立)も利潤を追求する以上就職率を増やすインセンティブは強いので金沢星陵大学のような方向に行くのは不思議ではありません。

マイケルムーアの作品「キャピタリズム」で表されてるように資本主義の利潤追求が必ずしも良い結果、良い変化を生まないと考える必要があると感じました。

No title

企業っていうけど、大手企業だとまだまだ人材育成の余力が残ってるんだがね。
ちゃんとした所は研修もしっかり組むし、その間ちゃんと給料をきちんと払ってくれるわけです。
問題はそういう企業はおろか、どこの企業にも(正社員として)入れない人の人材育成をどうするかで、
新卒採用云々の問題ではないでしょう。

>「確かに従来のポテンシャル採用と比べて採用要件は高度化するけれど、その代わり就活生にどのような資質を求めるのかは明確にするし、且つその資質を磨く環境を企業外に整備する」

とは言うけど、結局コミュニケーション能力という名の
「相対的に年相応でまともそうな奴」選びが行われるのは仕方ないよ。
現に採用要件として就活生に求められる資質を磨く環境は企業外(=大学)で整備されてるんだからさ。
ブログ主さん達は一定の育成カリキュラムみたいなのをこなせば手に入れられるものを「資質」って定義づけてる気がするんだけど。

そもそも、ポテンシャルって就業経験がないことに対するポテンシャルじゃないのかなあ。

名無しさんへの意見

就職予備校って、

じゃあ、
教育学部は教員になるための就職予備校
医学部は医者になるための就職予備校
看護学部は看護師になるための就職予備校

で、どこが悪いんですか?

理系なんかあからさまに就職予備校でしょう。

学問研究をするために大学へ行く人よりも、就職のために大学に行く人の方が圧倒的多数であり、それをけしからんとか、理解不能。
要するに、国民の税金を使って、学生が就職予備校の恩恵にあずかるのがけしからんという意味なのかな。
でも、仕事する人はそれなりにみんな、社会の役に立ってるんだけど。
国民が教育を受けてそれなりに仕事を得た方が社会のためになるから、それに税金を使っている、という発想がないんだろうね。
公教育は社会のため、という発想がなく、ただ、個人が得するだけ、という発想だと、そういうことになる。(内田樹氏がそのことについてブログに書いている。)
金沢星陵大学って、別にけなされるような大学には思えないが。

No title

>「相対的に年相応でまともそうな奴」選びが行われるのは仕方ないよ。
ボッチ系学生で「まとも」に苦手意識の学生には辛い言葉
死にてえ

私も就職予備校でよいと思いますし、金沢星陵大学は、それだけではなく、学問の方も面倒見が良い大学だと思います。段階を踏んで学習できるプログラムになっているようですし(私の大学はそうなっていない(涙))、講義一辺倒ではなく、ゼミも受けられるようです。名無しさんが取り上げてくれた事で、この大学の認知度が高まるのはうれしい。

今からでも金沢星陵大学に行きたいよー
大学代わりてーーー

Re: タイトルなし

> 名無しさん(+ななしさん)

はじめまして、コメントありがとうございます。

コメント返信ですが、僕が考えたことは概ね最新記事に書きましたので、それを見ていただければと思います。

Re: No title

> のさん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>企業っていうけど、大手企業だとまだまだ人材育成の余力が残ってるんだがね

このような考えは分かります。だから僕も記事の第3段落で「正直、実際のところ企業がどのくらい人材育成にかけるコストを減らしてきているのかは僕には分からない」と疑問を投げかけているわけです。

>問題はそういう企業はおろか、どこの企業にも(正社員として)入れない人の人材育成をどうするかで、新卒採用云々の問題ではないでしょう

仰るようなことも、そして企業が「何の知識・経験もない人を長期的に育てていく」動きを取れなくなった場合における人材育成をどう考えるかということも、どちらも考える必要性はあるんじゃないでしょうか。緊急度で言ったら「の」さんが仰る問題の方が上でしょうけども。

>結局コミュニケーション能力という名の「相対的に年相応でまともそうな奴」選びが行われるのは仕方ないよ。現に採用要件として就活生に求められる資質を磨く環境は企業外(=大学)で整備されてるんだからさ

その「まともそう」か否かの判断の精度が不確かになりがちだから、それに戸惑う企業・就活生は少なくないんじゃないでしょうか。

Re: No title

> おださん

はじめまして、コメントありがとうございます。

>私も就職予備校でよいと思いますし、金沢星陵大学は、それだけではなく、学問の方も面倒見が良い大学だと思います。段階を踏んで学習できるプログラムになっているようですし(私の大学はそうなっていない(涙))、講義一辺倒ではなく、ゼミも受けられるようです

ゼミ活動が早くから行われるのは良いことだと思いました。特に人間科学部は1年からゼミが必修になっているので(http://www.seiryo-u.ac.jp/seminar/)、学ぶ意欲を持つ人にとっては嬉しいことなのではないでしょうか。

曖昧な採用基準

変なタイミングでのコメントになってすいません。あ、取り上げて頂いてありがとうございます。

この常見氏の記事がまさに今の就活の混迷具合を表しているというか、とにかく構造が複雑なので何をどうコメントすれば良いのか困るんですけども、人材育成に関する話題ということで、最近求職者(新卒学生)のキャリア形成や大学側の教育内容にも大きく関わるであろう企業の「採用基準」について思うことがありましたのでせっかく取り上げて頂いたことですしコメントを投稿させてもらいます。


5月1日の日経新聞一面「働けない若者の危機第6部②提言、企業・学生に本音で語ろう」という記事に興味深い記述がありました。長いですが引用します。

---以下引用---

(前略)
 アベノミクス効果で景気に明るさが見え始めているとはいえ就職戦線はまだまだ厳しい。小林は「面接でコミュニケーションがとれなかった」と反省する。
 学生は自らの力不足や技術不足が敗因と謙虚に分析する傾向が強い。だが、必ずしも当たっているわけではない。
 人材サービスのリクルートキャリアが今春卒業の学生に聞いた調査によると「企業の採用基準を知ることができた」のは29%にとどまる。人気企業が採用サイトに掲げる「求める人物像」を見れば理由は一目瞭然だ。「コミュニケーション能力がある人」「チャレンジ精神が旺盛な人」。あいまいな表現が並んでいる。
 こうした人材を選ぶ決め手となるのは面接だ。企業の人事担当者に基準を聞いてみた。「話が具体的か」「互いの話を客観的に分析できるか」。チェック項目はあるようだがわかりにくい。もう一押しするとこんな答えが返ってきた。「結局はフィーリング」(電機メーカー)、「一緒に働きたいと思うかが重要だ」(食品会社)。表立って公表はしないが語学力や出身大学といった基準がある場合も少なくない。
 学生が分析する敗因と企業の「本音」のずれ。それが人気企業に何万人もの応募が殺到するミスマッチと、就職できない若者を生み出す原因のひとつなのではないか。
 その問題点に企業も気づき始めた。就職支援のジョブウェブの佐藤孝治は「落とした応募者には理由を伝えるべきだ」と提唱、自社でも実施している。経済界からも「求めている語学力や資格などの基準を見せたほうが学生のためだ」(経済同友会)との声も出てきた。
(以下略)

---引用終了---


 皆さんご存知かとは思いますが、この「採用基準が曖昧」という問題は今就活している平成26年3月卒の就活生が初めて直面する新しい問題というわけではなく、数年前(少なくとも僕が就活問題に関わり始めてから)から指摘され続けていることです。

 記事内でも少し触れられていますが、就活する側にとっては企業の採用基準がそもそも曖昧なので不採用になっても何が原因で落とされたのかが分からないし、今後内定を獲得する為にどういった努力をすれば良いのかも分からない。大学およびその他の教育機関にとっても、どういった教育を行って学生にどんな能力を身に着けさせれば良いのか分からない。その為一見「それは努力の方向がおかしくないか?」と思うようなことを就活生がやり始めたり、それを煽る就活ビジネスが登場したり・・・といった具合かと思います。


 こういった背景を知っている立場として、僕はこの日経新聞の記事を読んで色々な意味で驚きました。こうやって随分前から採用基準が曖昧であることの問題が指摘され続けているのに企業側が採用基準を見直そうとする動きがこれまであまりなかった(と少なくとも僕はそう感じています。人によっては異論はあるかと思います。)のは、『企業側としても問題意識は持っているけれども、具体的な採用基準を示そうにも示せない』からだと僕はずっと思っていました。

 示せない理由として僕が考えていたのは、新卒就活生の多くが目指している大卒総合職というのはジョブローテーションや転勤を前提としたポストで、採用段階においては職務が決まっていないことが多いからです。何の仕事をするのかも決まってないのだからその仕事に必要な能力や資格が示せるはずはないだろう、という。その状態で新卒学生に対して示せるのはせいぜい会社としての方向性や社長の考えぐらいで、採用基準としてはやはり曖昧にならざるを得ません。


 しかし、この記事から伝わってくる曖昧な採用基準に対する企業側の考えというのはそうした僕の推測とは全く異なり、むしろ『これまでは問題意識を持っていなかっただけで、やろうと思えばいつでも具体的な採用基準を示せる』とでも言わんばかりです。これは僕にとっては①今更問題に気付いたのかよ、遅!②やろうと思えば出来るのかよ!、という二重の意味で驚きです。

 「落とした応募者には理由を伝えるべきだ」「求めている語学力や資格などの基準を見せた方が学生のためだ」とは言うけれども、それが本当に多くの企業にとってやろうと思えば出来ることなのか僕には甚だ疑問です。本当にやろうと思えば出来るのなら何故今までやらなかったのか。問題意識がなかっただけというのはちょっと感覚的に信じ難いです。

 やはり大卒総合職というのはさっき挙げたような労務管理上の特徴があるので、職務遂行に必要な具体的な能力や資質を示しようがないし、無理矢理示そうとすればさらに就活が歪むだけではないかと思います。恐らくその歪みというのは既に始まっていて、例えば「TOEIC○○○点以上」というのが企業側のいう具体的な採用基準のひとつなのではないでしょうか。"語学力や資格などの基準・・・"と言ってるわけですし。

 これだって英語力の基準としてTOEICを用いるのはいかがなものか?という問題ももちろんありますが、絶対に仕事で英語なんて使わないでしょという企業でも採用基準として用いられていたり、TOEICを採用基準や評価の対象として用いた割にまず英語を使うことのない部署や支社に配属されたり、といった問題があるわけです。

 きっとそうこうしているうちに採用基準として今度は簿記3級なんかが加わって、まあ経理の仕事がない企業はないにせよ、採用基準として挙げられているから皆学生時代に勉強して取得するものの採用後は全く違う仕事をやらされて簿記の知識を活かすことがない、みたいな話になるんではないでしょうか?


 「落とした理由」に関しても実際ジョブウェブがどんなことを言っているのかは分かりませんが、明確な採用基準が示せない以上、理由を挙げたところで結局「フィーリングが合わない」とか「キラリと光るものがなかった」とかいう抽象的な理由しか出てこないのではないでしょうか。そんな理由なら教えてもらったところで新卒学生にとっては何の参考にもならないわけで。

 
 近年日本の労働問題・就活問題に対する解決策のひとつとして、総合職と非正規雇用の中間的な位置付けとしての職種限定正社員や地域限定正社員という雇用形態を導入することを提案する人が増えています。例えばこういった制度が普及して採用時点で職務が決まっていることが普通にでもならないと、今の大卒総合職の雇用管理を前提にして、「具体的な採用基準を示す」「落とした理由を伝える」というのをやったところで何の解決にもならない中途半端な取り組みになるどころか、むしろ事態を悪化させることにさえなるのではないかという気がしています。

 逆に企業側は場合によってはジョブローテーションや転勤といった労務管理まで見直すことを覚悟した上で"曖昧な採用基準が問題"と言っているのか?と疑ってしまいます。まあもっと突き詰めればジョブローテーションや転勤なんかは労働法上解雇回避の為に用いるべき手段と位置付けられているので、止めるには解雇規制緩和が必要という話になると思いますが。

 職種限定正社員や地域限定正社員は「その仕事・支社が存在する限り雇用され続ける社員」と説明されることが多いです。裏を返せば仕事が無くなっても別の部門に異動になったり、業績不振で支社が撤退になった時に本社や別の支社に移されたりして雇用自体は継続される・・・といったことはない、という意味です。こういう説明を聞いていると、ジョブローテーションや転勤は(他にも意図はあるにせよ)解雇規制とセットなんだなとつくづく感じます。

Re: 曖昧な採用基準

> William Yamin さん

お久しぶりです、コメントありがとうございます。

>こういった背景を知っている立場として、僕はこの日経新聞の記事を読んで色々な意味で驚きました。こうやって随分前から採用基準が曖昧であることの問題が指摘され続けているのに企業側が採用基準を見直そうとする動きがこれまであまりなかった(と少なくとも僕はそう感じています。人によっては異論はあるかと思います。)のは、『企業側としても問題意識は持っているけれども、具体的な採用基準を示そうにも示せない』からだと僕はずっと思っていました。

過去記事のコメント欄に「私も自分の部署の中途採用の募集要項作成にかかわったことがありますが、適切な表現は如何に難しいか・・・」と、具体的な採用基準を示すことの困難さを述べる意見が寄せられていました(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-115.html)。中には「やろうと思えばやれる」のにやっていない企業もあるかと思いますが。

>「落とした理由」に関しても実際ジョブウェブがどんなことを言っているのかは分かりませんが、明確な採用基準が示せない以上、理由を挙げたところで結局「フィーリングが合わない」とか「キラリと光るものがなかった」とかいう抽象的な理由しか出てこないのではないでしょうか。そんな理由なら教えてもらったところで新卒学生にとっては何の参考にもならないわけで(中略)今の大卒総合職の雇用管理を前提にして、「具体的な採用基準を示す」「落とした理由を伝える」というのをやったところで何の解決にもならない中途半端な取り組みになるどころか、むしろ事態を悪化させることにさえなるのではないかという気がしています。

おっしゃる通りです。僕もこのブログで2回くらい、企業が就活生を面接で落とした理由を伝えることには何の意味もないと主張してきました。「フィーリングが合わない」とか言われても、別に就活生は納得しないでしょう。

>まあもっと突き詰めればジョブローテーションや転勤なんかは労働法上解雇回避の為に用いるべき手段と位置付けられているので、止めるには解雇規制緩和が必要という話になると思いますが。職種限定正社員や地域限定正社員は「その仕事・支社が存在する限り雇用され続ける社員」と説明されることが多いです。裏を返せば仕事が無くなっても別の部門に異動になったり、業績不振で支社が撤退になった時に本社や別の支社に移されたりして雇用自体は継続される・・・といったことはない、という意味です。

俗にいう「日本型雇用」は「いろいろな仕事をやらせるけれど、その代わりそう簡単に解雇しないよ」という考え方で、一方で「職種限定正社員や地域限定正社員」は「仕事の範囲・勤務地を明確にする。その代わり、仕事がなくなっても別の部署に配転しない」という考え方に立脚した考え方ですね。必然的に、後者の形の方が解雇のハードルが下がると言えると思います。

No title

William Yaminさんのコメントで採用基準についてのお話があったので、僕からも一つ。

巷に溢れる自己啓発法を科学的調査から検証するという本がありまして、その中に企業の採用面接について書かれている箇所がありました。

その本には、2004年にワシントン大学で行われた調査によると、新卒採用試験に挑む100人以上の大学生のうち、感じのいい印象を面接官に与えた学生の方が合格の割合が高く、仕事の適性やこれまで学生がしてきた経験よりも、応募した学生の「好感度」が採用のポイントとなる、とありました。

この調査で企業側は「感じが良く(つまり面接官から見て好感度が高く)社交性があるので、すぐ職場に馴染んでくれるだろう」とコメントしてました。
(すぐ職場に馴染む=即戦力ととらえるのは間違ってないと個人的には考えます。)

好感度が大事とか何を今更という感じかもしれませんが、この調査から、企業の面接官は「応募者の好感度」という不確かな能力を「採用の決め手」にするので、いくら企業に「採用基準を明確にしろ」とか「落ちた理由を伝えろ」といっても、おそらく不可能ではないかと思います。「落ちた理由」については管理人さんの過去の主張には僕も賛成です。


ところでこの「好感度」とやらいう曖昧で不明確、なのに面接官が採用の決め手として利用している能力を、
いったいどこが育成してくれるのでしょうか。
というかそもそも育てるものかすら疑問ですが。

No title

コマンドーさん、コメントありがとうございます。納得出来る話ですし、コマンドーさんのおっしゃりたいことすごくよく分かります。

ただそうなると分からないのが、採用基準が曖昧なせいで単に新卒学生が困っている、支援の仕方が分からないから大学も政府も困っている、という話なら理解出来るのですが(決してそれならば問題ではないと意味ではありません!)、加えて企業側も「学生の質が下がった」とか「採用したい学生がいない」とか「ミスマッチが・・・」とか言って困っており、大学に教育の見直しを要請したりするじゃないですか。で、それに対しては「大学は就職予備校じゃない!」と反発がおこるわけですが。

採用基準が面接での好感度といった曖昧なものでしかなく、具体的に示しようがないのなら、「学生の質が下がった」とはどういう意味なのか?そして企業は大学にいったい何を要請しているのか?その点が意味不明だし、多分大学側としてもよく状況が飲み込めてないんじゃないでしょうか?

質が上がったとか下がったとか言うのはそこに何かの基準が存在するからですよね?いくら曖昧と、は言っても、そこまで言うからには何か基準を示せるだろうと思うわけです。学生の質が絶対的に下がったのか、企業の求める水準が上がったが為に相対的に下がったのか。後者ならどう水準が変化したのか示せるはずですし。また「これから必要とされる人材」みたいな類も、要するにこれまでとは採用の基準・水準が変わってきますよという話なので、じゃあ何がどう変わるのか示せるだろうと。

別に企業側は困ってないならわざわざ学生や大学の為に採用の方法を変える必要はないのかもしれませんが、企業側も困っているなら職務を限定するなどこれまでの雇用のシステムを変えてでも具体的な能力や資格を示すなりしないと、採用基準は好感度です、好感度の高い学生を育てて下さいと要請してもそりゃ大学側としても分かりましたとはならないでしょう。おっしゃるようにそもそも大学で育てられるものなのかどうかもよく分からないですし。その点の企業側の姿勢が矛盾しているように思えてなりません。

No title

William Yamin さん コメントありがとうございます。

>企業側も「学生の質が下がった」とか「採用したい学生がいない」とか「ミスマッチが・・・」とか言って困っており

この部分を「(面接に来た)学生の質が下がった」「(面接に来た学生の中で)採用したい学生がいない」と解釈しました。企業が内々定を出した学生の質ではなく、内々定を出すかどうか判断中の学生の質について企業が困っているという感じです。

>採用基準が面接での好感度といった曖昧なものでしかなく、具体的に示しようがないのなら、「学生の質が下がった」とはどういう意味なのか?そして企業は大学にいったい何を要請しているのか?

前のコメントで出した例はアメリカの調査なのでわかりませんが、
日本の場合は「忠誠心」を試すかのような複雑な採用が行われてるとよく言われます。
6次面接などもあるくらい何回も面接を重ねるのもその複雑さの1つでしょう。

そして、面接が進んでいくに従って、面接官の「組織内での偉さ」は大きくなっていくことが多いかと思います。
最終面接だと役員クラスとか社長とかが出ますよね。
そうすると最初の方の面接官に好感度が高いと判断され、面接に進んだとしても、
次の「偉い」面接官からは「なんでこんな能力の低い学生が面接に通ったんだ!」ってなることもありえます。
好感度なんて面接官次第です。また偉い人は責任も大きいから多少は厳しい目で学生を見るんじゃないかなと思います。

で、「学生の質が低い」と、メディアに出て言う企業の人は、「組織で結構偉い人」ではないでしょうか。
あるいは役員クラスから「なんであんな質の低い学生を落とさなかったんだ!」と言われた人事部長さんなんかが偉い人の代弁で「質が低い」とメディアで発言したのでは?

そうするとよくいわれる「質が低い」の基準は「企業の偉い人が決めた理想みたいもの」なんじゃないかと思います。
一応(7割は課長にすらなれないらしいのですが)大卒総合職は将来の幹部候補であり、しかも今の世の中何が起こるか分からない、さらに偉い人と学生の歳もすごく離れていて好感度もさらにおかしくなるので、(企業側から見て)相対的に学生の質は低くならざるをえないです。

Re: No title

>コマンドーさん(一つ目のコメントへの返信です)

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>その本には、2004年にワシントン大学で行われた調査によると、新卒採用試験に挑む100人以上の大学のうち、感じのいい印象を面接官に与えた学生の方が合格の割合が高く、仕事の適性やこれまで学生がしてきた経験よりも、応募した学生の「好感度」が採用のポイントとなる、とありました。

この調査で企業側は「感じが良く(つまり面接官から見て好感度が高く)社交性があるので、すぐ職場に馴染んでくれるだろう」とコメントしてました。

なんだか日本の面接とあまり変わらないですね。恐らく日本よりは「仕事の適性」、「学生の経験」をきちんと聞くのでしょうが、最終的に採用の決め手となるポイントは同じなのかも。ところで、本のタイトルは何ですか?(笑)気になります!

>ところでこの「好感度」とやらいう曖昧で不明確、なのに面接官が採用の決め手として利用している能力を、 いったいどこが育成してくれるのでしょうか。というかそもそも育てるものかすら疑問ですが。

この話と近い議論が「格差社会という不幸」という本でなされていますが、本田由紀先生曰く「どうしたらハイパーメリトクラシー的な能力が身に付くかはまだ研究が進んでいません」とのことです・・・。唯一「家庭環境が大事」ということは分かっているようですが。

Re: No title

> William Yamin さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>採用基準が面接での好感度といった曖昧なものでしかなく、具体的に示しようがないのなら、「学生の質が下がった」とはどういう意味なのか?

僕は単純に「コミュニケーションが成立させることができない学生が増えた」という話をしているのかなと考えていました。質問に直接対応する答えが言えなかったり、一つの質問に長々と答えたり・・・というような。つまり、そもそも選考の際に好感度云々を語るまでもなく不合格となる就活生が沢山いるということではないでしょうか。もっとも「世のおっさん・おばさんの学生時の能力はどうだったんだ?」と疑問を持つ余地は大いにあると思いますが(笑)

>そして企業は大学にいったい何を要請しているのか?

現時点では何も期待してないのではないでしょうか。だったら高卒をとれば良いじゃんという話になりそうですが、そこは「大学受験の成功体験」、「大学に進学できるだけの育ちの良さ」を備えた人を採用したいという企業の思惑からそういう話にはならないのでしょう。社会における大学の位置づけは正直ぐだぐだすぎると思っています。

Re: No title

>コマンドーさん(二つ目のコメントへの返信)

またまたコメントありがとうございます。

>そうすると最初の方の面接官に好感度が高いと判断され、面接に進んだとしても、次の「偉い」面接官からは「なんでこんな能力の低い学生が面接に通ったんだ!」ってなることもありえます。好感度なんて面接官次第です(中略)で、「学生の質が低い」と、メディアに出て言う企業の人は「組織で結構偉い人」ではないでしょうか。

僕の考えはwilliam yaminさんへのコメント返信で書きましたが、「コマンドー」さんがおっしゃることも正しそうな気がしました。

>そうするとよくいわれる「質が低い」の基準は「企業の偉い人が決めた理想みたいもの」なんじゃないかと思います。

william yaminさんがおっしゃっているのは「学生の質が下がった」なので、つまりおっさん・おばさんらが発する「自分たちの時代と比べて、現在の学生の質は下がった」という主張のことを意味しているのだと思います。まぁ、その主張が正しいのか、あるいはただの妄想なのかは僕にはわかりませんが(笑)

No title

管理人さん
コメントありがとうございます。
文春文庫の「その科学が成功を決める」という本です。(リチャード・ワイズマン著)

就職面接については他にも「弱点は最初に言う。その後に長所を言ったほうが好感度が高まる」「他人は自分のミスをそんなに気にしない」なども科学的実験で証明されているらしいです。
(面接官によっては学生の長所を聞いてから短所を聞く人もいるので実用出来るかは結局運ですが)

後、「学生の質が下がってる」を「質が低い」と読み間違いしてしまいましたね。すいません。

Re: No title

> コマンドー さん

こんばんは、いつもコメントありがとうございます。

>文春文庫の「その科学が成功を決める」という本です。(リチャード・ワイズマン著)

ご紹介ありがとうございます!めちゃくちゃ読みたいです(笑)

>就職面接については他にも「弱点は最初に言う。その後に長所を言ったほうが好感度が高まる」

なるほど。はじめに弱点を言うことで面接官が「この就活生は本当のことを喋ってるな」と信頼するに至ったのかもしれませんね。
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