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「会社員=社畜」という見方はおかしくないか

「社畜」という言葉を見たり耳にしたりした時に、その言葉が一体何を意味するのかがよく分からないと感じたことはないか。この点、wikipediaでは「勤めている会社(営利企業)に飼い慣らされてしまい自分の意思と良心を放棄し奴隷(家畜)と化したサラリーマンの状態を揶揄したもの」と説明されている。


このwikipediaの定義と方向性が同じで、且つ具体性を高めた定義を作ったのが今は無き「ニートの海外就職日記」というブログの管理人であった海外ニートさんだ。彼は「社畜」を「一介の雇われの身なのに何を勘違いしたのか経営者視線でモラル的、法律的にも間違った価値観(サビ残、休日返上当たり前。有給を使わせないなど)を押し付けて来るような連中。会社の間違ったやり方に加担して、本来は同じ立場であるはずの労働者の権利を奪う側に回っている人たちや"俺らがこんなにキツい思いしてるのに楽するヤツがいるのが許せない!"って感じで協調性(と言う名の同調圧力)や不幸の横並びを強要して来る人たちの総称」と捉えていた(http://ameblo.jp/helpinghand/entry-10616500735.html)。この定義に従った「社畜」の具体例としては、例えば他の社員に対して「おい、何定時で帰ろうとしているんだ。残業しろ。仕事をなめてるのか」といったことを言い出す人が挙げられる。


海外ニートさん流の定義を見れば分かるように、恐らく元々は単に会社員であることをもって即「社畜」とみなされるわけではなかった。あくまでも全会社員の中で、「会社のために」という文句を振りかざして社員が有している正当な権利を奪うような人たちが「社畜」と称され、揶揄の対象となっていたのである。


しかし、ここ最近は「会社員=社畜」という構図を作り上げる人が現れてきた。例えば、イケダハヤトさんの「社畜と家畜の共通点」というエントリーはその典型だ。エントリーを紹介しておいてこんなことを言うのもおかしいけれど、くだらない文章がつらつらと書かれているだけなので、特に文章を引用したいとは思わない・・・。読みたい人は勝手にリンク先に飛んでください(笑)


他にも、脱社畜ブログにおける「一度起業をすると、あなたはもう二度と会社員にはなれない」というエントリーも具体例の一つに挙げられる。このエントリーを見ると、「会社員=社畜」という構図が作られる思考過程がよく分かるので文章を一部引用したい。

会社員の日常には、起業家から見るとアホらしいと思えることがたくさんある。一度も起業をしたことが無い人は、「働くとはそういうものだ」として会社員生活を受け入れることができるかもしれないが、一度でも起業経験があると、どうしても現在の状況と起業家時代とを比べてしまうだろう。そしてきっと、アホらしいと思う。真面目に働くのが、嫌になるはずだ。「奴隷の平和」か「王者の戦争」かという言葉があるけど、ちょうどこれはそれぞれ会社員と起業家に対応するなぁ、と僕はよく思ったりする。そして、昔王者だった者は、身分が一時的に奴隷になったとしても、精神まで奴隷になることはない。一度、王者の気持ちを味わった者は、もう二度と心からの奴隷になることはできないのだ。ということで、平穏無事な安定した社畜人生を歩みたいと思っている人には起業は絶対におすすめできない

なぜこのエントリーでは「起業家」と比べて「会社員」はアホらしいとされているのか。引用元のエントリーでは「起業家は自分が生み出した価値に比例して報酬を得られるのに対して、会社員は自分が生み出した利益と給料が比例しない」、「起業家の意思決定が迅速なのに対して、会社員の意思決定には無駄なプロセスが多い」、「起業家は一緒に働く人を選べるのであまり人間関係で悩むことはないが、会社員は性格的に合わない同僚や嫌な上司と一緒に働かなければならない」という3つの理由が紹介されている。ただ、その後「他にも、会社員の日常には、起業家から見るとアホらしいと思えることがたくさんある」という文章が見られることから、以上の3つはただの例示列挙に過ぎないことが分かる。


そして、そのアホらしい要素満載の生活を受け入れることが出来ている会社員は「社畜」だというのが「脱社畜ブログ」の「一度起業をすると、あなたはもう二度と会社員にはなれない」というエントリーに現れているスタンスである。それにしても上述の引用部分を見ると、起業家(起業経験者)を「王者」に例えているのに対して会社員は「奴隷」という扱いになっているのがすごい。過去記事で「ななし」さんから「脱社畜さんの問題点は、働かない方が上だという選民思想があるのに、それを否定しようとしていることです」というコメントを頂き、そのコメントを受けて「僕は"脱社畜ブログ"が"選民思想"を抱いているとまでは思いません」と記したことがあったけれど(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-457.html)、今となっては僕のこの記述は「どう見ても選民思想はあると思います。僕が間違ってました」と訂正しなければならないだろう。


もはや「社畜」はバズワード(※一見、専門用語のようにみえるが、具体性がなく明確な合意や定義のない用語のこと)と化してしまっているので、今さらこの言葉の真の定義を探るのは得策ではないのかもしれない。考えるべきは、海外ニートさんのように批判・揶揄の対象を限定するか、イケダハヤトさん・脱社畜ブログのように「会社員であること」を一律に批判するか、どちらのアプローチを取るべきかである。ここで、「凡人内定戦略」という就活本で知られる武野光さんの次のツイートが思い出される。ここで大事なのは「やりたくもないのにやらされてる状況を抜け出さない人が社畜でしょ」という新たな「社畜」の定義ではなく、「会社のために頑張っている人を社畜とは言わないでしょ」・「頑張ってる人と社畜も違うと思うんだけど。あんまりバカにするの良くない」という会社員を一律に「社畜」扱いすることへの異議申し立てである。僕はこのアプローチに賛成だ。どう見ても「社畜」という言葉には人を貶めるニュアンスが内包されている以上、その言葉が意味する対象はきちんと「揶揄されてしかるべき人たち」に限定すべきだと思っている。


ワタミやユニクロのケースから日本の労働環境の問題点がどんどん可視化されていっている。勿論それは歓迎すべきことだ。しかしこれに伴い、とりあえず「会社」・「会社員」をくさしているだけの薄っぺらい言説も叫ばれ、且つそういうものも支持を得るようになってしまったのではないか。そういう言説に引きずられず、問題視すべきことをきちんと吟味する作業が必要だと思う。

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Re: No title

> コメント・非公開コメントをくださった方へ

こんばんは、コメントありがとうございます。

ご依頼の通り、コメントは削除させていただきました。正直、最初に投稿されたコメントを見たときは「僕が言いたかったことが伝わっていない・・・」と思ったのですが(笑)、その後記事を読む返してくださり記事の趣旨を理解してくださったことを嬉しく思います。ありがとうございました。

No title

これは難しいですね。

主観では「好きで働いて会社に身を捧げてるんだから社畜じゃない」
客観では「いくら自分の意思でも会社の歯車になってることには変わらない。だから社畜だ」

No title

仰りたいことはすごくよく分かりますが、難しいのは「やりたくもないのにやらされてる状況を抜け出さない人」と「会社のために頑張っている人」が綺麗に分けられるわけではないということではないですかね。


仕事でも何でも何かに取り組むにあたっては嫌々やるよりも何かしらの前向きな意義を見出して取り組んだ方が精神衛生上良いにきまっています。嫌ならいつでも辞めてやるというような人はそう多くないでしょうから、多かれ少なかれ不本意な仕事であっても例えば「会社の為に頑張っている」といった風に前向きに解釈して臨んているという人がほとんどなのではないでしょうか。


これらはある意味人間である以上仕方が無いというか、批判されるべきことではないかもしれませんが、客観的にどちらに見えるかということと本人がどう思っているかというのもまた乖離しがちなのだと思います。残念なことに実際それがブラック企業を生き長らえさせる一因でもあるでしょう。元ブラック企業の労働者の人の、ブラック企業の中にいた頃の自分を振り返っての話なんかを聞いているとそのように感じさせられます。

Re: No title

返信の順番が滅茶苦茶ですが、返信できるものから返信していきます。

> nuccoさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>主観では「好きで働いて会社に身を捧げてるんだから社畜じゃない」、客観では「いくら自分の意思でも会社の歯車になってることには変わらない。だから社畜だ」

個人的には「組織の歯車になっていること」自体は別に揶揄すべきことでも何でもないと思っています。もっとも組織を優先するあまりに他者の権利を害するような人を「組織に飼いならされちゃってる"社畜"だなぁ」と評することは問題ないと感じるのですが・・・。
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