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問題の解決策を「教育」に求めすぎることには注意が必要

「"卒業後就活"こそ"学生の学業の時間を確保する"ための最善の策ではないか」という記事に、enueさんが次のようなコメントを寄せてくださっている。

「社会の仕組みをどのくらいわかっているか(イメージできているか)」については、むしろ現在の「就活を始めるまで全然わかってない」という状態が異常で、普通に義務教育の社会科(一部は家庭科でもいいかも)で学んでいるべきだと思います。現在の状態は、一人暮らしをしたらちょっとわかって(生活に最低限必要なものを自分で調達したら社会のことが少しはわかります)、就活をしたらもうちょっとわかって、就職をして1~2年たったらだいたい全体像がつかめてくる…という感じで、義務教育の社会科が役に立たなすぎです。政治や近現代史の話になると、個人の信条やクレームの危険性もありますから難しいのはわかりますが、一人暮らしや実家からの独立の仕方・様々な仕事の紹介とそのための準備の仕方(公務員・会社員(技術系・事務系)・資格職・アルバイト・起業について)・会社の仕組み・税金・年金・健康保険の話くらいはできるだろうと思うのです。

見ての通り、義務教育の中身に疑問を投げかける意見だ。僕も過去に「就活生の質の低さを嘆く前に、教育を見直せ」という記事で同じようなことを述べたことがあるので、enueさんの問題提起には共感できる。


また、一昨年に行われた「タダの学生がびびりながらする! カルト就活やめなはれデモ」でも、「小学校から高校までの教育において、具体的な将来設計を考えさせる機会がほとんどありません。家庭環境などによる個人差は大きいと思われますが、具体的に労働について考えたり、将来を想像する機会に恵まれていません。全体の傾向として閉鎖的で"この世の中に出て生きていくのだ"という実感を持たずに学校生活を送っていることが多いと考えられます」と既存の教育機関に対する問題提起がなされている。このように、就活問題を語るに際して「教育の中身」に触れ、その改善を求めるアプローチは決して珍しくない。


その他、就活問題や労働問題の存在に関連してposseや本田由紀先生は「労働法教育」の重要性を説いており、その趣旨は「劣悪な労働環境から自分を守るための策」を知っておくことにある。ここでも問題の解決策として「教育」が掲げられている。


ここまでで挙げた問題提起が間違っているのかというとそんなことはない。明らかに「教育」は重要のはずだ。しかし、問題の解決策を過度に「教育」に求めることには弊害もある・・・ということが最近読んだ「教育問題はなぜ間違って語られるのか?」という本に書かれていて考えさせられた。まず、この本ではドイツの教育学者、W・ブレツィンカの「教育」に対する見解が紹介されている。

良いことや悪いことを促進したりする場合、常に「教育」に呼び声がかかる。平和のためになにかしたいと思う人は「平和教育」を求め、健康状態をより良くしようとする人は「健康教育」を求め、環境を守りよりよくしたい人は「環境教育」を、交通事故の件数を減らしたいと思う人は「交通安全教育」を実施し、無思慮な浪費を阻もうとする人は「消費者教育」の重要性を訴える。また、我々は「労働教育」と「余暇教育」、「性教育」と「死への教育」に関して書かれたものを目にする。教育によって少なくとも理論的にはあらゆることがなしうると思われており、「教育」はどのような人にも必要と思われている。

これを踏まえて、本の著者の広田照幸さんは「教育」に過度に期待することの問題点を次のように述べている。

「あれも教えろ」、「これもやれ」と周りから言われ、現実の学校が過密なメニューになって悲鳴を上げてしまう、ということです。限られた授業時間の枠の中に、いろいろなものが詰め込まれたカリキュラムが出来上がってしまいます。先生も大変ですが、子供たちも大変です。「○○教育」を提唱する人の夢想とは大きく異なり、実際には中途半端で浅いものになりがちです。

教育の問題点を指摘し、その改善を求める問題提起には「授業時間が限られている」という視点が欠けている場合があるかもしれないと感じている。冒頭で取り上げたenueさんの立場は「既存の社会科教育には無駄な部分が大いにあり、その無駄を削った分を本来必要な教育に充てる」というものだと僕は勝手に想像しているが(笑)、それでも仮にenueさんの提案を全て受け入れた場合、広田さんが指摘するようにカリキュラムが過密になるという危険が発生しかねないとも思う。


勿論「カリキュラムが過密になる」というデメリットを踏まえてもなお「~を教育するのは大事だから、義務教育の段階で教えるべきだ」という考えもあり得る。大事なのは、漠然と「教育が問題だ」・「~な教育をするべきだ」という意見を述べるだけでは殆ど何も言っていないに等しいということ(つまり、僕はこれまで「教育問題」に関して殆ど中身あることを言っていなかったということかも・・・笑)。例えば「既存の~な教育よりも~な教育を重視するべきではないか」という、優先順位を意識した問題提起をすると意見の実効性がより高まるかもしれない。

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No title

法律とか簿記会計や税金等制度については義務教育でちょっとは教えるべきじゃないかなあと思うけど、
将来設計とか自分の人生に直結して自分で考える必要があるものって教育頼みにするより
教育外でのコミュニケーションで培わせるべきじゃ?

なんでもかんでも教育だと時間がないし、
教育を通してしかコミュニケーション取れない人が増えてしまうだろう。

No title

私ものさんと同じく法律・税金等に関しては教えられるべきだと考えます
只、簿記・会計に関しては算数で日常は足りますし、要らないかな、と感じます

個人的には
削除・・・漢文
追加・・・法律、税金、保険
それと江戸以前の昔話よりも、明治以降の近現代を重視すべきとも思います

実際高校卒業して大学入って就職して働いて・・・実感することは、案外削れるものはないんですよねw
私が今尚全く意義を見出せないのは漢文だけでしたw

しかしかといって、時間が限られているとは思いません
俺も結構勉強した方だと自負していますが、まだまだいけるはずです

又、「~を教育すべきだ」って言う人が、果たしてその~をきちんと理解しているのか、疑問に思うときもありますw

Re: No title

> のさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>法律とか簿記会計や税金等制度については義務教育でちょっとは教えるべきじゃないかなあと思うけど、将来設計とか自分の人生に直結して自分で考える必要があるものって教育頼みにするより教育外でのコミュニケーションで培わせるべきじゃ?

なるほど・・・。一つ述べるならば、確かに将来設計の組み立て方の習得を100%「(教育機関による)教育」に委ねるのは難しいと思いますが、多少のヒントを与えるくらいのことはしてもよいのではないかと感じます。

>なんでもかんでも教育だと時間がないし

これはその通りだと思いますね。

Re: No title

>カクさん さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>私ものさんと同じく法律・税金等に関しては教えられるべきだと考えます 只、簿記・会計に関しては算数で日常は足りますし、要らないかな、と感じます

なるほど・・・。

>個人的には  削除・・・漢文

これは特に賛成します。僕もこの科目の意義がよく分かりません(笑)

>しかしかといって、時間が限られているとは思いません。俺も結構勉強した方だと自負していますが、まだまだいけるはずです

授業のコマ数を増やすという策を講じることは妥当だと思います。ただ、あまりにも増やしすぎるとやはり子供の集中力が切れるでしょうから、(明確な基準は分かりませんが)コマ数の増加にも限界があるのも確かでしょう。
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