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「ブラック企業問題」の被害者は、もはや「若者」に限られない?

ジョエル・ベスト著の「あやしい統計フィールドガイド」という本によると、運動家は社会問題をできるだけ広く定義することを好むという。定義を広げることで「社会に大きな問題がある」と人々に認識させることができるからだ。本によると、社会問題は時が経つにつれて徐々に定義が広がり、前より広い範囲の現象に当てはまるようになりがちで、このプロセスは「ドメイン・エクスパンション(領域拡大)」と呼ばれるという。


この記述を目にした時、僕はブラック企業大賞にベネッセがノミネートされたことを思い浮かべた。これはまさに「ドメイン・エクスパンション」の一つの例だと思っている。


今野晴貴さん著の「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」を読んだことがある人は理解しやすいかもしれないが、従来「ブラック企業問題」の被害者は「企業に使いつぶされる若者」とされてきた。事実、今野さんの本には「ブラック企業問題とは、成長大企業による大量採用・大量解雇(離職)によって若者が使いつぶされるという問題である」という記述がある。また、ブラック企業大賞のノミネート内容を確認しても、その被害者は20歳代が多い(http://blackcorpaward.blogspot.jp/p/blog-page_12.html)。


しかし一方で、ベネッセのノミネート理由となった事例を調べてみると、ベネッセのノミネートが他社と比べて異彩を放っていることが分かった。どういうことかというと、ベネッセのノミネート理由となった事例の詳細がMy News Japanというサイトの「ベネッセが全面敗訴 “リストラ被差別部署”での社内就活&退職勧奨は"人事権の裁量範囲を逸脱"」という記事に書かれているのだが、それによるとベネッセの事例における被害者は50代前半の女性だというのだ。さすがに「50代前半」を若者ということは出来ないだろうし、これを踏まえると「ブラック企業問題」の被害者はもはや「若者」に限られないと評価できる。ひいては、ブラック企業問題において「ドメイン・エクスパンション」が進んでいることが分かる。


前回の記事で触れたように、ベネッセの事例で問題となったのは、ベネッセの行為が「実質的な退職勧奨」に当たるとされた点だ。問題ある退職勧奨が若者のみでなく中高年に対してなされたことをもってその企業を「ブラック企業」と評してよいのならば、例えば「夫は退職強要された シャープ 何度も面談 妻証言」という記事で問題視されたシャープ、あるいは「追い出し部屋」が問題となっているソニーなども「ブラック企業」と評してよいことになりそうだ。この解釈が正しければ、現在ブラック企業問題は今野さんが述べたような「成長大企業による大量採用・大量解雇(離職)によって若者が使いつぶされるという問題」に限られず、より広い範囲の問題のことを意味していると言える。


勿論、若者に限らず中高年であろうと、彼ら・彼女らが企業から虐げられている場合にはそのことを問題視すべきだ。その意味で「ブラック企業」という言葉が問題視する射程が広がるのは望ましいと思われる。しかし一方で、問題視する範囲があまりにも広くなると、前回の記事でも取り上げた「一部の社員の意見や一部の事実を取り上げて、特定企業をブラックと呼ぶ動き」が加速することは避けられなくなる。そのような事態を警戒するために、まずは「ブラック企業問題」に関して「ドメイン・エクスパンション」が進んでいるという事実を知ってもらえたらと思う。

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No title

ブラック企業の被害者は若者だけだなんて考えている人はいないと思いますよ。
中高年の労働者はいくらひどい扱いをされても問題ないなんて考え方は、若者に対してどんなにひどい扱いをしてもいい、という考え方と本質的には何も変わらないじゃありませんか。
記事中の今野さんの記述をそっくりそのまま受け止める人はいないと思います…。

Re: No title

> ブラック企業の被害者は若者だけだなんて考えている人はいないと思いますよ・・・とコメントをくださった方へ

こんばんは、コメントありがとうございます。

>ブラック企業の被害者は若者だけだなんて考えている人はいないと思いますよ。中高年の労働者はいくらひどい扱いをされても問題ないなんて考え方は、若者に対してどんなにひどい扱いをしてもいい、という考え方と本質的には何も変わらないじゃありませんか

「ブラック企業の被害者は若者だけ」という主張は「中高年の労働者はいくらひどい扱いをされても問題ない」という主張にはつながらないと思うのですが。別の言葉で説明すれば、「ブラック企業=若者を使い潰す企業」と定義づけた場合でも、それが「企業から虐げられる中高年を放っておけば良い」という主張につながるとは限らないということです。例えば「ブラック企業は"若者を使い潰す企業"のことだから、中高年の労働者に対して問題ある退職勧奨をする企業のことを"ブラック企業"とは言うのは適切ではない。しかし、そうは言っても企業の中高年の労働者に対する措置を問題視しないわけにはいかない」というスタンスは十分取りえるのです。
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