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「脱社畜の働き方」で提起される「プライベートプロジェクトのススメ」は、酷な労働環境に苦しむ人の助けになるのだろうか?

「脱社畜ブログ」の管理人である日野瑛太郎さんが、来月の10日に「脱社畜の働き方~会社に人生を支配されない34の思考法」という本を出すようだ。「脱社畜ブログ」の「"脱社畜の働き方"という本を書きました」というエントリーに本の目次が公開されているのだが、今回の記事を書くにあたって目次の中から第1章と第4章を引用したい。

第1章 日本の職場は理不尽なことばかり
・満員電車のサラリーマンが抱える苦悩 ・サービス残業という犯罪行為 ・「社会人」という不思議な言葉 ・「有給休暇」を巡る諸問題 ・「長時間労働」について ・日本の職場で我慢大会がはじまってしまう理由

(中略)

第4章 プライベートプロジェクトのススメ
・プライベートプロジェクトとは ・プライベートプロジェクトのはじめかた ・プライベートプロジェクトの例 ・プライベートプロジェクトに役立つサービス ・プライベートプロジェクトを成功させるコツ

目次を見る限り、第1章と第2章が日本の労働環境・仕事観に対する批判、第3章が日野さんの起業経験談、そして第4章が現状を改善するための具体案という構成となっている。第5章は「僕が現時点で考えている"未来の働き方"について書かせていただきました」とのことで、恐らく「理想論」が書かれているということなのだと思う。


これまで脱社畜ブログに対して「具体案が無い」という声がいくつか上がっていたので、この度本が出るということで、この課題の克服に期待する人も少なくないのではないか。例えば「Vitalogy」というブログの「それでも脱社畜ブログを読んで感じる違和感」というエントリーには「脱社畜ブログを読んでも共感するだけで、その先にまでいかないんですよね。繰り返される一般論、データのない抽象論。日本の企業はこうあるべきだという具体的な提案なんてあるわけもない」と書かれている。また、「自由日記」というブログの「情報発信のすすめ」というエントリーには「いつも労働者側に立った結論ありきの論理展開で、”うんうん、そうだよね、やっぱ日本の労働環境ってひどいなー、もっと働きやすくなればいいなー”とは思わさせてくれる。けれどそれで終わり。その先がない。具体的にどうすれば社畜から脱することができるのかは決して示さない」と記されている。僕はこれらの意見に賛成の立場で、だからこそ「脱社畜の働き方」に記される具体的な提案に興味を持っている。そして上述のように、その具体的な提案は「プライベートプロジェクト」というもので、第4章はすべてこの提案に割かれている。


しかし結論から言うと、目次やこれまでの脱社畜ブログのエントリーから判断する限りではこの提案には大して実効性は無い、具体的には酷な労働環境に苦しむ労働者を救う提案とは考え難いと思っている。


脱社畜ブログの「ネットの普及とプライベートプロジェクト」というエントリーによると、そもそもプライベートプロジェクトとは「会社以外で何かビジネスをしてお金を稼ぐ手段を確保する行為」のことを意味するらしい。そして、同じく脱社畜ブログの「"精神的脱社畜"と"経済的脱社畜"」によると、「まずはプライベートプロジェクトを、会社勤めをしている状態で平日の夜や休日に走らせるのがよいだろう。いきなり会社を辞めて独立するのと違って収入が途切れるリスクは無いので安全だし、うまくいかなくても"会社外でお金を稼ごうとする"という行為が、会社での労働を相対化することになり、少なくとも"精神的脱社畜"は達成できる」とのこと。これは端的に言えば「会社に籍を置きつつ、副業しよう」という主張だろう。


ただ、ここで気になるのは「脱社畜の働き方」第1章の内容。それによると、日本企業で働く労働者は長時間労働に服しており、且つ酷な労働に耐えることを是とする環境に晒されているということになっている。そうなると「そういう労働者がプライベートプロジェクトをやる余裕なんかある訳ないんじゃないか?」という疑問が浮かぶのである。平日の夜は時間が全くないし、休日は休日で疲れ切っているんじゃないか。


この点、上述の「"精神的脱社畜"と"経済的脱社畜"」というエントリーでは、プライベートプロジェクトに取り組む時間について「プライベートプロジェクトをする時間など無いという人もいるかもしれないが、時間がないからこそ会社を辞めるのではなく、プライベートプロジェクトから始めるべきだと僕は思っている。ビジネスを成功させるには、やはりそれなりの情熱が必要であり、時間がない中でも時間を捻出してやろうと思えないような事業は、きっと会社を辞めて取り組んでもそこまでよい結果を生まないだろう。自分がどのぐらいやる気なのかを知るために、とりあえずはじめてみるというのは有効である」と書かれている。どうやら、相当の気合や熱意が必要のようだ。


これを見ると、例えば「満員電車に載って疲弊し、且つ日々の長時間労働で時間を捻出しにくい状況にある労働者」がプライベートプロジェクトで事態を好転させていく可能性は限りなく0に近いのではないかと思う。プライベートプロジェクトで効果をあげられるのは「定時で帰れることが多く、時間や体力に余裕があり、ゆえにプライベートプロジェクトに全力投球できる労働者」であり、少なくとも日本の労働環境に不満を持っている人の事態の改善にはつながらなそうである。別に「ありとあらゆる労働者を救う完璧な提案」を求めるつもりはないけれど、それでも提案としてあまり良いものとは思えない。


というか、「本業をやった後にプライベートプロジェクトに相当の労力を投入しよう」という提案は、必然的に人が本業で大して疲弊していない、即ち企業の労働環境にそこまで問題がないという前提を要するのではないか。そうなると、第1章にある「日本の職場は理不尽なことばかり」という主張はもはや通らなくなる。逆に第1章の主張が正しいとすると、今度は第4章の「プライベートプロジェクトのススメ」という主張が妥当性を欠くものとなる。目次を見た段階で、既に主張に矛盾があるような気がしてしまう・・・。


ただ勿論、これまで書いた考えは「脱社畜の働き方」の目次・脱社畜ブログの記述を基にした推測にすぎず、本を読んでみれば「プライベートプロジェクト」に対する印象が変わるのかもしれない。そこで、これまでの「脱社畜ブログ」に具体的な改善案が無いことに違和感を覚える人は特に第4章の内容に注目してみると良いと思うし、僕はその点を確認してみるつもりでいる。そこで「プライベートプロジェクトは"脱社畜"するにあたって有効な手段となりそうだ」と評価するか、それとも「どう考えても、プライベートプロジェクトが出来るのは一部の余裕がある人たちだけだろ」と評価するかは本の内容によるということで・・・。

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No title

こんにちは。私は中堅私立大学4年生で、7月頭に運良く1つの企業から内定もいただき、就活を終えたものの、いわゆる「内定ブルー」にひたっている者です。
就活開始前から、こちらのブログを読ませていただいてます。面白いです。

このエントリーへの私の結論は「『社畜を抜け出すにはプライベートプロジェクトを』という提案も『脱社畜ブログには具体的な提案がない』という批判の両者に反対」というものです。

「社畜」についてですが、私も脱社畜ブログの管理人さんの提案は少し疑問に感じました。
社畜になってしまった人は、それなりの理由を抱えているはずです。
その理由の多くが「能力や運などで、社畜にならなくて済むような企業には入れなかったり、入社直後の早い段階で働き方を間違ってしまったから」ではないかと私は思います。

そして、そんな社畜の方々が今も社畜であり続けるのは、「社畜である」という事実が自身の存在意義をもたらす数少ないモノだからだと思うのです。
「俺は、身を粉にして働いてる。正直、こき使われている」という認識が「こんな自分でも少しは役に立ててるんじゃないか」というネガティブな自信を保つのに役立ってるのではないでしょうか。

そんな方が副業や、それに近い行動を起こせるとは到底思えません。
という意味で脱社畜ブログに違和感を持ちました。

一方で、「脱社畜ブログには具体的な提案がない」という方々の批判にも違和感を持ちました。
私は、正直な話、「社畜の人が『脱社畜』することは、不可能ではないにしても非常に困難だ」と考えています。
ブラック企業に就職した人が、またブラック企業に転職してしまうブラック企業スパイラル的な傾向に陥るのと同様、一度 社畜になってしまった人が、その状況を好転させることは能力的にも精神的にも難しいはずだからです。
もちろん抜け出す方法はあります。脱社畜ブログで提案されているプライベートプロジェクトもそうですし、転職活動をしっかりとした準備のもとでスタートする、など色々とあるでしょう。

ただ、会社で働きまくってからの夜や休日にそれを行うことは難しいはずです。
なので「簡単に脱社畜できる方法はないんだから脱社畜ブログへの批判は素直に賛同できない」のです。

長文、失礼いたしました。

Re: No title

> 2014卒、男、内定1コ さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>就活開始前から、こちらのブログを読ませていただいてます。面白いです。

長期にわたってブログを読んでくださりありがとうございます!

>そんな社畜の方々が今も社畜であり続けるのは、「社畜である」という事実が自身の存在意義をもたらす数少ないモノだからだと思うのです

そういう事情もあるかもしれませんし、僕はどちらかというと「辞めたら再就職先が見つかるかどうか分からない」という不安を思い浮かべましたね。

>なので「簡単に脱社畜できる方法はないんだから脱社畜ブログへの批判は素直に賛同できない」のです。

例えば「"脱社畜ブログ"に違和感を覚えてるのは俺もだぜ!(http://uturii.blog123.fc2.com/blog-entry-240.html)」というエントリーでは、脱社畜するための具体案として「会社を辞める時には上司から止められた時の対策としてこういうものを揃える」、「転職するための手順はコレで……といったこと」を記すべきではないかと主張しています。


「100%確実に、安心して脱社畜するための方法」なんてものがあるかは怪しいですし、さすがに脱社畜ブログにそこまでの提案を求めるのは酷すぎると感じます。しかしそれでも「多少の懸念材料はあるとはいえ、ある程度実現可能と思われるポジティブな提案」くらいのものを求めるのはそこまでおかしい姿勢ではないと思いますし、そういった提案がないことを理由に「脱社畜ブログには具体的な提案がない」と批判の声が上がるのは無理もないかなと思います。



No title

初めまして。
このエントリーとは直接関係ないかもしれませんが、
以前どの方のブログかは忘れてしまいましたが、
脱社畜ブログを批判している記事を目にしたことがあります。
その内容は
「脱社畜ブログは一見弱い立場の労働者を擁護しているように見せて、
労働者からの多くの支持を得ることで、アフィリエイトで稼いでいる。
実は弱い労働者を利用して設けているという意味では批判している
ブラック企業と同類なのでは?」という趣旨でした。
これは一理あるなと私は感じてしまいました。
それから毎回楽しみにしていた脱社畜ブログだったのですが、
何となくさめてしまいました。

Re: No title

> 社畜中さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>脱社畜ブログを批判している記事を目にしたことがあります。

僕もその記事を知っています(http://anond.hatelabo.jp/20130302235324)。脱社畜ブログが、労働環境に不満を持つ人を利用してお金を稼いでいるという内容ですね。確かに、脱社畜ブログを読んでも別に読者の現状が変わるヒントがそれほどあるわけでもなく、にも関わらず一方で管理人の日野さんはブログ執筆でお金を稼ぎ、且つこの度本を出すということで仕事の幅を広げていっているわけです。とにかく日野さんはしたたかだというのが僕の印象ですし、脱社畜ブログの読者が「自分は食い物にされている」と感じるのも分かるような気がします。
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