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「激務だけど見返りがある企業」はブラック企業といえるか?~マグロ漁船型企業とブラック企業の区別~

随分と前に、次のようなコメントを頂いたことがある(http://lingmu12261226.blog10.fc2.com/blog-entry-412.html#cm)。

ブラック企業について語られるとき、いわゆる人気企業にも労働環境はブラックなところがいくらでもあるのに、こっちはブラック企業といわれないのですが、この辺をぜひ追求してほしいな、と思っています。たとえば、週の労働時間が86時間のゴールドマンサックス。あるいは、かつて、過労で自殺者が出て、労災と認定するかの裁判が起こった電通。電通については、以下のような記事もあります(http://biz-journal.jp/2012/08/post_484.html)。こういう人気一流企業は給料が高くて残業代が出るからブラックじゃないのか?ステータスがあるからブラックじゃないのか?あるいは、知力体力精神力、すべてに優れた、ブラック環境へいっちゃらなスーパーマンだけが就職するからブラックじゃないのか?

この疑問を解消するための一つのヒントとして、他ならぬ「ブラック企業」の著者である今野晴貴さんの見解が参考になる。


podcastで「麻木久仁子のニッポン政策研究所」という番組に今野さんが出演した回の「ブラック企業の実態と対策」を聞いていたのだが、その中で今野さんは「マグロ漁船型企業」という概念を紹介していた。これは労働環境は過酷だけれども、「ブラック企業」とはまた違う企業のことを指す。どういうことか、番組内での発言を文字起こしする。

私、「マグロ漁船型企業」と呼んでいるんですが、ものすごくキツいんだけども人脈が築かれて、それから独立できるみたいなですね、証券会社とかコンサル系の会社とか。こういうところは必ずしもブラック企業とは言えない。なぜなら、きつくて続かないのが分かっていてそれでも一攫千金を狙ったりとかですね、あるいは独立を狙いながらも入っていくというのが当たり前の会社。これは超有名企業ですよね。そういうところになってくると、ちょっとブラックとは違うな、と。最初から耐えられそうになければそこ行かなければ良いということになるんですよね。

この「マグロ漁船型企業」についての理解を深めるために、今野さんの次のツイートが参考になる。この基準に照らすと、冒頭のゴールドマンサックスは週の労働時間が86時間であろうが、高額の給料などの見返りがあるので「ブラック企業」には該当しないことになる。電通についても同様のことが言えそうだ。勿論、いくら見返りがあるからといって長時間労働が認められてよいのか?という論点は考えられるが、それは「ブラック企業」の問題とは区別されるといえる。


あるいは今野さんが言及している野村証券。去年の8月に掲載された「野村社員"部下は監禁・罵倒し、顧客に損さてもノルマは死守"」という記事では、研修の際に「月給ドロボー!」、「今のお前は、ノムラで最も価値のない人間だ!」、「お前はいい加減な人間だが、親もそうなのだろう!」という言葉を投げかけられる実態が記されているが、それでも野村証券が「ブラック企業」に当てはまるわけではないようだ。なぜなら、社員は見返りと引き換えにキツい労働環境があることを知って入社しているから。もちろん、見返りがあるからといって社員に対していくらでも負担を課してよいのかというとそれは違うと思うのだが、その論点は「ブラック企業」の問題とは別の話ということだろう。


「ブラック企業」という言葉は広く流通しているようになってきているが、その言葉の意味がはっきりしない・・・ということは、このブログでも今まで何度か書いてきた。そんな中で、「労働環境に問題がある企業=ブラック企業」と勘違いをしていると思われるコメントを頂いたこともある。しかし、他ならぬブラック企業問題を積極的に論じている今野さんが、労働環境に問題があるけれども「ブラック企業」とは言えない「マグロ漁船型企業」という概念を提唱している。正直、この「マグロ漁船型企業」の定義にも曖昧な点があるとは思うが(例えば、酷な労働環境と引き換えに得る「見返り」は金銭・人脈に限られるのか?それとも、「一人でやっていけるだけのスキル」のようなものも含まれるのか?という疑問が残る)、この概念を知っていると冒頭の「人気企業にも労働環境はブラックなところがいくらでもあるのに、それはブラック企業と言わないのか?」という問いに一定の答えを出せると思う。  

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No title

「ブラック企業」かどうかというレッテル貼りにはあまり意味がないように思います。

法の範囲内で激務なだけであれば、そのことで「ブラック」と非難されるいわれはないはずですし、
36協定を結んでいないとか、サービス残業を強制している等、法を逸脱して激務なのであれば、
ブラック云々ということではなく、違法行為そのものを糾弾すれば良いと思うのです。

勿論、法の範囲内でも、個人によってはきつくて耐えられない労働環境もあるでしょうし、
そのような場合は、異動を申し出たり、転職する等して、自ら境遇を良くする努力をすべきで、
単に自分にとってきついというだけで「ブラック」というのは、管理人様がよく批判されている
「労働者を利するだけの言説」に過ぎないと思います。
それは、自らの怠惰や不甲斐なさを正当化するための、気休めでしかないでしょう。

本記事で引用されている今野氏のツイートですが、これには同意しかねる部分があります。
特に「確かにそれは違法労働かもしれないが、ブラック企業のようなだまし討ちとは違う」という部分。

建前論と批判されてしまうかも知れませんが、「違法労働でも、後で見返りがあるから」良しとする考え方は、
現状の違法労働を正当化していますし、それは結局のところ、今野氏のいうところの「ブラック企業」
の違法労働の正当化にもつながると思うのです。
見返りの有無で違法労働を正当化できたりできなかったりするというのは、おかしいと思いますね。

理想論としては、あくまでも法律は守るべきで、たとえ現状、完全に守ることが困難であっても、
居直るのではなく、罪悪感は持つべきだと思うのです。

No title

逆に言えば真のブラック企業は待遇低いわキツいわで普通に考えて誰が行きたがるの?あっ(察しということだし、バズワード化してるブラック企業問題を敢えてそういう人たちの問題に無理に狭める意味があるのか。

だからブラック企業に入る奴はそもそも生きる力がゾウリムシよりうんたらって言われんじゃねーの?

もっともブラック企業がバズワード化してるからこそ、
通りすがりさんの言うとおり労基法違反は労基法違反として問題視する・・・等の問題提起の方がマシかもしれないけど

No title

その定義でいくと一攫千金を得られそうな不動産営業や歩合制の営業職もマグロ漁船型に入りそうですが(人脈を得られるかは微妙ですが)、現状の雇用の状況では、歩合制の営業にはそこしか内定が取れなかったため仕方なく入ったという人も多いと思いますが(新卒・転職問わず)、その辺りは今野さんはどう考えているのかなと気になります。
lingmuさんの言う通り定義が曖昧ですし、場合によってはブラック企業と言われるような企業のうちかなりの企業がマグロ漁船型に入るような気がします。

そのため、私も労働基準法違反かそうでないかという方が良いと思いますが、同時にwilliam yaminさんのブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/williamyamin/20130629/1372467555)を読んで、違反でなくてもどう考えてもきついだろうなと思う人が多そう企業もありそうという事を考えると難しいなという気がします。
労働基準法違反かどうかに焦点が集まれば、労働基準法違反ではないが、違反状態同様に働かせる方法みたいなのを伝授するコンサルタントのような人も増えてきそうですし(今も結構な人数がいそうですが)、こうなるともっと面倒くさそうな……

Re: No title

> 通りすがり さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>法の範囲内で激務なだけであれば、そのことで「ブラック」と非難されるいわれはないはずですし

この点、posseはそういう考えには立っていません。例えば、このようなツイートがあります(https://twitter.com/magazine_posse/status/365335980204498944

>勿論、法の範囲内でも、個人によってはきつくて耐えられない労働環境もあるでしょうし、そのような場合は、異動を申し出たり、転職する等して、自ら境遇を良くする努力をすべきで、単に自分にとってきついというだけで「ブラック」というのは、管理人様がよく批判されている 「労働者を利するだけの言説」に過ぎないと思います。

厚生労働省の設定する「過労死ライン」が「時間外労働が80時間を超えた場合」なのですが、その「過労死ライン」を超えていても違法とならない場合があるという点が論者の間で問題視されていますし、僕もその通りだと思っています。要は、そもそもルールがおかしいという話ですね。

>「違法労働でも、後で見返りがあるから」良しとする考え方は、現状の違法労働を正当化していますし、それは結局のところ、今野氏のいうところの「ブラック企業」の違法労働の正当化にもつながると思うのです。

今野さんは別に違法労働を正当化しているのではなく、違法労働は問題だけれどもそれを「ブラック企業問題」としては扱わないという姿勢を示しているだけだと思います。

Re: No title

> のさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>だからブラック企業に入る奴はそもそも生きる力がゾウリムシよりうんたらって言われんじゃねーの?

内田樹さんの考えはよく理解できないですし、逆に理解できるようになったら終わりかなと思っています(笑)

>通りすがりさんの言うとおり労基法違反は労基法違反として問題視する・・・等の問題提起の方がマシかもしれないけど

通りすがりさんへのコメント返信でも紹介したツイートを・・・(https://twitter.com/magazine_posse/status/365335980204498944)

Re: No title

> 11卒業務未経験無職さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>lingmuさんの言う通り定義が曖昧ですし、場合によってはブラック企業と言われるような企業のうちかなりの企業がマグロ漁船型に入るような気がします

例えば、激務と引き換えに得られる見返りに「スキル」だとか「成長」が含まれると、ベンチャー企業が「マグロ漁船型」に含まれる可能性が高いと思われます。

>そのため、私も労働基準法違反かそうでないかという方が良いと思いますが、同時にwilliam yaminさんのブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/williamyamin/20130629/1372467555)を読んで、違反でなくてもどう考えてもきついだろうなと思う人が多そう企業もありそうという事を考えると難しいなという気がします。

william yaminさんの記事は読んだことがありまして、もっともな問題提起をされていると思います。彼の記事からは「法律に反していなくても問題視すべき行為はあるのではないか?」という点や、「やりがい搾取という言葉における搾取とは何か?最低賃金さえ守っていれば、低賃金でも搾取とはいえないのではないか?」という点を議論する必要性を実感します。
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