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「働きたくない人」と「働きたいけど、働けない人」を混同してはいけない

前回の記事で取り上げた「育て上げネット」の工藤啓さんは、著書「NPOで働く」にて、無業のまま立ち止まっている若者がどのような考えを持っている場合が多いのかを記している。それによると、「育て上げネット」を訪れた若者から「働きたくない」と言われたことは一度も無く、「自信が無い」「やっていけるのか不安だ」「自分のことを必要としてくれる会社はどこにもない」という不安を抱えているがゆえに、なかなか一歩を踏み出せないということらしい。


つまり、無業の状態に留まる人を「働く意思がない人」と評するのは必ずしも妥当ではなく、「働きたいけど、働けない人」に該当する場合もあるということだ。例えば、「自分のことを必要としてくれる会社はどこにもない」と自己評価して無業の状態に留まる人の場合は、逆にいえば「自分のことを必要としてくれる会社がある」という実感が持てれば喜んで働き始める可能性はある。そのような人に対してどのような支援をするのかは正確には分からないが、「あなたのことを必要とする会社はある」・「確かに今のあなたを必要とする会社はほとんどないかもしれないけれど、今後の訓練次第でどこかの会社が必要とする人になれる」などと言って、まずは低い自己評価を改めさせるようにするのかもしれない。


この点、日本の就活・労働環境の厳しさを受けて「働きたくない人は、働かなくてもいいじゃないか」という言説がここ最近力をつけてきている。このような言説を唱えるのは、「ニートの歩き方」という本の著者のphaさんであったり、「脱社畜ブログ」の管理人である日野瑛太郎さんだったりする。彼らの文章を読んでみると正直「自分だけが楽をするための口実をもっともらしく練り上げているだけ」という感覚を抱くこともあるが、主張の方向性自体は別にそれほどおかしなものではないと思う。働くのに向いていない人には「そもそも働かない」という選択肢があってもいい。


ただ注意したいのが、phaさん・日野さんのような「働きたくない人」と、育て上げネットを訪れる若者のような「働きたいけど、働けない人」を混同してしまうこと。育て上げネットを訪れる若者は無業のまま立ち止まっているということで、一見「働きたくない人」と言えそうである。しかし、そのような人たちに対して「あなたは働きたくないんだろうけど、働かなくていいんだよ」と言うのは問題の解決にはつながらない。


政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給する構想である「ベーシックインカム」を巡る議論において、萱野俊人さんは次のように述べている。彼はベーシックインカムに反対の立場なのだが、その理由は労働によってお金を稼ぐことが自分の尊厳や自立にとって重要だと思っている人が相当数いるのに、ベーシックインカムはその問題に対して何も対処できないし、しようともしないからだという。ここで言いたいのは萱野さんの反対論そのものに賛成だということではなく、労働に意義を見出すことで自分の人生を充実させることを望む人が相当数存在するということだ。育て上げネットを訪れる若者の中には「早く働いてお金を入れたい」と言う人もいるらしく、その人の場合は働いてお金を稼ぐことで家族を助けることが自分の人生にとって重要だと考えていると言える。


この点、日野さんや森博嗣さんは「どちらかというと、働かないほうが良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。あらゆる面において、働かない方が人間的だといえる」という立場に立っている(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/05/20/215425)。これはこれで一つの意見といえるかもしれないが、この意見が主流になると「働きたいけれど、働けない人」が「働きたくないから(働かない方が人間的だと考えているから)働いていない人」とみなされかねない。それは「働きたいけど、働けない人」にとって望ましいことではないはずだし、だからこそ「働きたくない人」と「働きたいけど、働けない人」を混同しないよう注意が求められる。

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No title

管理人さんお久しぶりです。

混同してはいけないと言うのには賛成ですが、いくら言葉で言っても混同する人はいるでしょうね。
いっそのこと車の免許みたいに『働く意思がある』ということが客観的にわかる証明書を作ればいいと思います。育て上げネットみたいな支援団体のプログラムに参加したら貰えるようにして、支援団体のプログラムで好成績を叩き出せば証明書のランクが上がる(能力も客観的に証明できる)仕組みなんか良いかなと。

No title

>労働に意義を見出すことで自分の人生を充実させることを望む人が相当数存在するということだ。

う~ん。労働がどうたらではなく、自分でメシ食えないような人間に自立も尊厳もないといったような感じ。子どもと同じじゃんって
世間一般的な社会人の定義も、自分で金稼いで生活できるかどうかって点じゃないかな?
(だったらコネや遺産で食ってる奴はどうなんだという話だが、この世は勝ったもの勝ちだしね)

それと両者の区別は
選ばなければ仕事はある論にまともな反論がなされないと根拠が薄いと思うが。
ワタミに入ってもタックスペイヤーになれますて

Re: 怠け癖が付いた?

> 非公開コメントをくださった方へ

こんばんは、コメントありがとうございます。

>「就活の合間にアルバイト」の期間が長かっただけに「働きたくても働けない」から「働きたくない」心理状態へと変貌したのは確実と思われます。自分の事なのに他人事のようだ、と思割れるのは重々承知の上ですが、出社までにモチベーションを上げるきっかけはないものでしょうか?

最近ニート関連の文献を読んでいますが、その中に「焦ってハードルを上げない」というアドバイスが見られました。これはコメントにある悩みにも適用できるアドバイスだと思います。つまり、モチベーションを一気に上げようとせず、まずは小さなハードルを設けるのがよいと言えます。

Re: No title

> コマンドー さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>混同してはいけないと言うのには賛成ですが、いくら言葉で言っても混同する人はいるでしょうね

残念ながらそうでしょうね。

>いっそのこと車の免許みたいに『働く意思がある』ということが客観的にわかる証明書を作ればいいと思います。育て上げネットみたいな支援団体のプログラムに参加したら貰えるようにして、支援団体のプログラムで好成績を叩き出せば証明書のランクが上がる(能力も客観的に証明できる)仕組みなんか良いかなと

申し訳ないのですが、僕はその証明書の必要性はあまり感じられなかったです。単に履歴書に育て上げネットでの経験・経験から得たことなどを書けば、それで企業に対しては自分の「働きたい」という意思を伝えられるわけなので・・・。

Re: No title

>の さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>う~ん。労働がどうたらではなく、自分でメシ食えないような人間に自立も尊厳もないといったような感じ。子どもと同じじゃんって

はい、だから記事本文でも「労働によってお金を稼ぐことが自分の尊厳や自立にとって重要だと思っている人が相当数いる」と書いてますよね。

>それと両者の区別は選ばなければ仕事はある論にまともな反論がなされないと根拠が薄いと思うが。

今回の記事の内容と「選ばなければ仕事はある論」は別に関係は無いと思うのですが・・・。

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Re: No title

> 非公開コメントをくださった方へ

こんばんは、コメントありがとうございます。

>この助言に大分気が楽にされて助かっています

このような言葉を頂けてうれしく思います。ただ、実は僕のコメントは完全に「脱ニート完全マニュアル」という本の受け売りなので(笑)、可能ならばそちらの本に目を通してみると良いと思います。とても良い本でした。
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