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日野瑛太郎さんが「脱社畜ブログファン」を利用するために仕掛けたであろう罠

つい最近「虎」さんから「日野さんの新作が昨日発売になったようですが、早速Amazonのレビューは惨憺たるものになってるようですね。前作からの間隔、最近のブログ内容の劣化から予想されたことですが、お読みになられたら是非感想をお聞かせ下さい」というコメントを頂いたことを受けて、日野瑛太郎さん著の「あ、"やりがい"とかいらないんで、とりあえず残業代ください」を買って読んでみた。日野さんは脱社畜ブログで本の宣伝を何回か行っており、その中で次のようなことを言っていた。

前著『脱社畜の働き方』は、一部ブログの文章がそのまま載っている部分などもありましたが、今回の本は完全書きおろしです(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/12/10/101407)。

それにも関わらず、Amazonのレビューには「主張には賛成だが、この本は買う価値なし。ブログのまんまだった・・・」・「内容自体は著者のブログに書かれていることとほぼ同じなので、あえてこの本を買う必要はない(中略)"書きおろし"が謳われていたので心底がっかりした」というものが見られる。僕は本の全ての内容がブログとほぼ同じとは思わなかったが、それでも相当程度話が重複している部分があったので、本を読んで「これ、ブログと同じじゃないか」とがっかりする気持ちは分かる。


上述のように、日野さんは「前著"脱社畜の働き方"は、一部ブログの文章がそのまま載っている部分などもありましたが、今回の本は完全書きおろし」と言っていたので、これを素直に読めば「この本はブログの文章がそのまま載っている部分などなく、完全にオリジナルの話が展開されているんだな」と認識することになるかと思う。しかし、例えば本のp.142から始まる「④会社の人間関係を絶対視するな」の内容は脱社畜ブログの「あなたのイヤな上司も、会社を出ればただの人である(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/11/12/210341)」の内容とほぼ同じである。本とブログから少し文章を引用したい。

・上司は、立場上あなたの仕事を指揮・監督し、時にはその仕事ぶりを評価して指導などを行うことがあります。このように、上司の指揮下に入って会社で働いていると、なんだか上司が人間的にも偉い人のように思えてきます。しかし、実際には上司があなたより人間的に偉いなんてことはありません。別に、あなたの上司は生まれた時からあなたの上司だった、というわけではないのです。現在、会社で「たまたま」そういうポジションにいるというだけです。会社では確かにあなたに対して命令を下す存在ですが、いったん会社を出てしまえばそこにあるのは「1人の人間と1人の人間」の関係です。そこに優劣を持ち出すのは不適切です。このことは言ってみれば「あたりまえ」のことなのですが、会社でずっと働いているとこの「あたりまえ」のことが分からなくなってきてしまいます(本 p.144)

・会社に入れば、よほど上のポジションでない限り、上司というものが存在する。上司はあなたに仕事上の命令を下し、あなたの仕事の進捗を管理して、あなたの仕事ぶりを評価してくる。こんな風に命令されたり、管理されたり、評価をされたりしていると、上司はとても偉い存在のような気がしてくる。しかし、よく考えてみると、あなたの上司も、生まれながらにしてあなたの上司だったわけではない。たまたま、その会社で、あなたよりも役職が上だったに過ぎない。会社というコンテキストにおいて上司だというだけで、一歩会社の外に出ればただの人であり、あなたより偉い人間だというわけでは決して無い。このことは、当たり前のことなのだけど、会社という組織でずっと働いていると、見過ごされがちなことだ(脱社畜ブログの記事)。

・・・ちなみにこの後、スタンフォード大学で行われた心理学の実験が紹介される点も本とブログで共通している。他にも、本の「お客様が神さまだから従業員が奴隷に」・「"モンスター消費者"がブラック企業を生み出す」とブログの「App Storeのレビューに、日本のモンスター消費者の片鱗を見る(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/12/04/213102)」の内容も見比べてみたい。

・値段に見合わないレベルのサービスを提供しようとすれば、サービス提供者には当然そのしわ寄せがくることになります。この場合、主に割を食っているのは従業員です(中略)厄介なのは、明らかに値段相応のでない過剰なサービスに多くの日本人の消費者は慣れきってしまっているということです(中略)日本人にとって、質の高いサービスは「あたりまえ」です。払う値段に関係なく、サービスの質が低ければ「客をなんだと思ってるんだ」と激怒する人はたくさんいます。高級レストランで店員の態度が悪いと苦情を言うのならばまだ理解できますが、ファストフード系牛丼屋などで380円の牛丼を注文し、それで店員の態度が悪いと大騒ぎするのは明らかに過剰要求です(中略)商売の世界ではよく「お客様は神様です」という言葉が使われますが、顧客を神様のような待遇で迎えるために、従業員がまるで奴隷のように割に合わない働きを強いられてしまっているのです(本:p.38-41)。

・無料アプリにすら全力で呪詛の言葉を投げかける日本のApp Storeのレビュワーを見ていると、日本の消費者がやはり諸外国に比べて要求過剰であることは間違いないと思ってしまう。飲食店で店員の些細なミスも許さず罵倒をしたり、電車が数分遅れたことにクレームを入れたり、24時間時刻指定配達をしろと言ってみたりと、日本の消費者は、はっきり言ってモンスターである。サービス提供者も、自分と同じ人間だということは完全に忘れ去られている。サービスを受ける「顧客」という立場になれば、王様のような横暴も許されるという考え方の人があまりにも多い。「お客様は神様です」という言葉は、店側が使うならわかるが、客側が使うとものすごくみっともないと僕には思えてしまう。そして、サービス提供者も、このモンスター消費者の過剰なサービス要求に答えてしまっている。そのしわ寄せは、従業員に来る。だから運送・飲食といった接客業は信じられないレベルでブラック化する。「値段相応」という考えが、日本のサービス業にはあまりない。確かに、1食数万円ぐらいかかるレストランであれば、「店員の態度」を気にするのも理解できる。しかし、吉野家で380円の牛丼を食べて、店員の態度が気に入らないと言って喧嘩をふっかけるのはどう考えても「値段相応」ではない。App Storeの無料アプリにキレるのも、これと変わらないと僕は思う(脱社畜ブログの記事)。

他にも、本の「"やりがい"にとらわれるな(p.130-135)」はブログの「職業選択マトリクス(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/03/12/211208)」とほぼ同じ話をしているし(ブログ記事にある図表がそのまま本に載っている)、あるいは本の「つらくなったらいつでも逃げていい(p.135-139)」もブログの「会社が辛くなったら、いつでも逃げていい(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/09/16/121455)・「"逃げる"のススメ(http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/02/28/202641)」 と同じような話をしている・・・。最後に、本の第1章の目次を少し紹介したい。これを見れば「これ、ブログや連載でしてた話と同じなんじゃないの?」という気づきを得ることが出来るはずだ。

・日本の職場では残業をするのが当たり前 ・残業は「例外的なもの」のはず ・悲しきムダ残業 ・有給休暇を全部使い切れるのは3人に1人 ・有給休暇がとれないのは約束違反 ・日本は労働犯罪天国ー軽く見られるサービス残業 ・過労死って殺人罪じゃないの? ・「社会人」というヘンな言葉・・・

言うまでもないかもしれないが、ここまで長々と「あ、"やりがい"とかいらないんで、とりあえず残業代ください」と脱社畜ブログを比較してきたのは、当然日野さんが述べていた「今回の本は完全書きおろしです」という告知が詐欺レベルであることを示すためである。本を読んだ僕からすると、この告知は明らかに嘘だ。どう好意的に見ても、少なくとも「完全」書き下ろしではない。しかし日野さんはこう告知することで、特に「脱社畜ブログファン」が立ち読みをすることなくamazonで予約購入するように仕向けていたんじゃないかと思う。「脱社畜ブログに、日野さんが罠を仕掛けていた」と言っても言い過ぎではないだろう。Amazonのページにある「garusonterao」さんという方のレビューを見れば分かるが、本書は脱社畜ブログを好んで読み、且つ日野さんの告知を信頼した人ほど腹を立てたり落胆したりする本だと言える。


実は僕も本書のレビューを書いていて、そこで「購入を考えている方に対しては、購入前にせめて目次だけでも確認することを強く薦めたいです」と記した。今回の記事は、その記述を裏付けるための補足資料として活用していただければ幸いだ。amazonにも書いたけれど、数多くある「日本の労働環境を批判する本」の中で本文の多くをネットで見ることが出来たり議論に粗さが散見されたりする本書を手に取る意義はゼロに近く、ゆえに本書ではなく、より質が高く有意義な本を手に取る方が増えることを願っている。

日野瑛太郎さんの「今回の本は完全書きおろしです」という告知は詐欺レベルという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
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