スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

就活・労働の問題点を指摘する言説が就活生を委縮させてしまう危険性

「人でなしの経済理論」・「地球と一緒に頭を冷やせ」という本は共に山形浩生さんという翻訳家が訳したものであるが、これらはいずれも「トレードオフ」について扱った本である。これを簡単に言えば「どんな行動にも良い面も悪い面もある」という話で、山形さん曰く「人に親切にしましょう」・「お年寄りは大切にしましょう」という一見明らかに良い話にも実は悪い面があるし、逆に「無差別殺人」・「泥棒」などの一見明らかに悪い行為にも良い面があるのだという。


無差別殺人などと比べたら議論のスケールがしょぼくなるけれど、このブログで取り上げている就活・労働問題に対する考察についても「トレードオフ」について考える必要があると言える。この点、就活・労働問題に対する考察を深めるということはその分野における問題点を明確化し、且つそれに対する処方箋を編み出すということを意味するはずなのだから、そのような行為に「悪い面」などあるはずがないと考える人もいるかもしれない。


しかし、「法律事務所のホームページを通じて労働問題の基礎知識を得ることのススメ」という過去記事にstamさんが寄せた「ブラック企業の定義がすごく歪んできているような気がします。例えば、Aという会社に悪い評価が1個あっただけで、ここはブラックなんだ。だったら行かない!みたいな」というコメントが、就活・労働問題について考察を深める行為の悪い面を考えるにあたって重要なヒントとなる。どういうことかというと、stamさんのコメントは、就活・労働の問題点を指摘する言説が就活生を委縮させてしまう危険性の存在を示唆していると言えると思うのだ。


例えば、常見陽平さん著の「就社志向の研究」では大学職員の方の「出演者の型の意見は大変面白かったです。でも、番組の構成自体がよくある"就活は大変だ、かわいそうだ"という光景で、逆に学生を委縮させてしまうのではないかと心配になりました」という声が載っている。実際にこのブログでも「"就職が厳しい"からこそ"就活で自分が落ちるのがわかるからなかなか行動しない"」とコメントが寄せられたことがある。あるいは、これは推測に留まるけれど、stamさんのコメントを踏まえるとブラック企業の議論が盛り上げるにつれて、その議論が「ここもブラックなんじゃないか、あそこも実はブラックなんじゃないか・・・」と就活生を委縮させてしまう可能性が考えられる。


このように、就活・労働環境の問題点を訴える言説が盛り上がることには「悪い面」もあると言える。しかし一方で、現在の就活・労働環境に問題があることは事実なのだから「就活生が委縮する可能性」を理由にその問題点を一切指摘できなくなるというのは妥当ではない。


このことから、「地球と一緒に頭を冷やせ」を書いたビョルン・ロンボルグさんが述べたように、問題点を指摘する際には「問題の規模はどのくらいなのか?」という点をはっきりさせる点が重要になると考える。即ち、例えば「日本企業はどこもブラックばっかりだ!」というオーバーな問題提起は却下すべきだといえる。確かに「問題提起」という行為は重要だけれど、一方でその行為には悪い面もあるのだから、問題提起の際には常に一定の慎重さが求められるべきなのではないかと思う。

就活・労働の問題点を指摘する言説には「就活生を委縮させてしまう危険性」があるという意見に共感してくださった方は、もし宜しければクリックをお願いします
にほんブログ村 就職バイトブログ 大学新卒の就職・就職活動へ
にほんブログ村  
このエントリーをはてなブックマークに追加 
ブログにfeedly登録ボタンを設置してみました!登録はこちらからどうぞ。  
follow us in feedly       
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

 私も就職活動を控える身ですが、確かに、ブラック企業の話題を目にするにつれ、どうにも日本全体の労働環境に対し暗澹たる思いが募るものです。もちろん常識的に考えれば日本にはまともな場所もあるわけですが、理屈としては理解すれど、人はどうしても感覚的な印象に引っ張られますからね。とはいえ、どこを見てもみな滅私奉公せよと言っていた時代と比べれば事態は遥かに良くなっているだろうと思います。

 結局、根本的な原因は現在の「就活」が取り返しの利かない一発勝負的な面を強く持っていることだろうと思います。失敗すればリカバリが効かないとなると、落とし穴に嵌まるのを恐れ疑心暗鬼にもなろうというものです。とはいえ注意喚起ばかりが先行すれば、それは恐怖症的で現実に即していないものになる。月並みな結論ですが、重要なのはバランスなんでしょうね。

 これが「ヤバいところに嵌まってしまったらとっとと逃げて次へ行けば良い」となればブラック企業への恐怖はもう少し緩くなりそうな気がしますが、今のところ絵に描いた餅と言う他ありません。

No title

「悪い企業もあるが、良い企業だってある」は論理的には正しいですが、中身がありません。
ブラック企業の割合がどれくらいか知りませんが、「有給休暇を使い切る労働者の割合」「有給休暇の給付日数と取得日数」が共に最下位(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B4%E6%AC%A1%E6%9C%89%E7%B5%A6%E4%BC%91%E6%9A%87)であることから、日本にまともな企業(まともな日本人?)はあんまり存在しないのではないでしょうか。

Re: No title

>俺は天然ゴム さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>もちろん常識的に考えれば日本にはまともな場所もあるわけですが、理屈としては理解すれど、人はどうしても感覚的な印象に引っ張られますからね

そうですね。だからこそこの記事で書いたように「問題の規模を明確にすること」で、感覚的な印象に囚われる人を減らす必要があると思っています。

>結局、根本的な原因は現在の「就活」が取り返しの利かない一発勝負的な面を強く持っていることだろうと思います。失敗すればリカバリが効かないとなると、落とし穴に嵌まるのを恐れ疑心暗鬼にもなろうというものです

日本の就活の特徴を表す言葉として「新卒一括採用」という言葉がありますが、海老原嗣生さんなんかは、もともと既卒者が就職するチャンスが豊富にある旨を主張していましたし、この点についても問題の規模を明確にすることが必要なのではないかと思っています。

Re: No title

>thepedagogue さん

こんばんは、コメントありがとうございます。

>ブラック企業の割合がどれくらいか知りませんが

この記事でしているのは、(別に「ブラック企業の割合」という尺度じゃなくてもいいんですが)可能な限りその問題の規模を明確化していこうという話です。
main_line
main_line
ブログランキング
おかげさまで、ブログ村の「就職バイトブログ」のカテゴリで「1位」を取ることが出来ました。この場を借りて、お礼を申し上げます。これからも記事を多くの人に読んでいただけたらと思いますので、もし宜しければ、今後ともランキングへのご協力を宜しくお願いいたします。
RSSリンクの表示
follow us in feedly 
最新記事
カテゴリ
最新コメント
月別アーカイブ
リンク
FC2カウンター
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
プロフィール

lingmu

Author:lingmu
FC2ブログへようこそ!

最新トラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。