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トンチンカンな企業批判をする方もする方だけど、それに理解を示す方も示す方

これは前回の記事について言及するツイートである。その中に「文脈を考慮することだけが重要とは思わない。判断材料の一つ」という文があるけれど、これは前回の記事で述べた「ある言葉の意味を解釈する際にはその言葉単体を抜き出して判断するのではなく、言葉が発せられた文脈を考慮することが重要だろう」という主張にかかった批判だと思う。批判を頂いた僕からすれば、これは「読解力不足」・「ただのいちゃもん」と感じているのだが、この記事では僕がそう感じた理由を書いていくことを通じて前回の記事の補足としたい。


まず「読解力不足」についてだけれど、そもそも僕は前回の記事では「"経営者目線を持って仕事をしろ"がどういう場面で言われ、その言葉によってどういう行為が求められたのかに触れることで、その文脈から言葉の意味をある程度判断できるはずだからである」・「そうすることで自ずと"つねに経営者目線を持って仕事をしろ"という言葉をより合理的に解釈できたはずだ」と書いていた。これらの記述を踏まえれば、僕が「文脈を考慮すること」の万能性を説いていた訳ではなく「こうすることで、よりマシな解釈が出来る」と主張していたことは分かるはずだ。そういう主張に対して「文脈を考慮することだけが重要とは思わない」なんて反対意見を言われても「別に"文脈を考慮することだけが重要"だなんて言ってませんけど」としか思えない。


もう一つ「ただのいちゃもん」という点についてであるが、これは「文脈を考慮する」という手法が万能とは限らないとしても、決定的に重要であることは間違いないと考えることによる。前々回・前回の記事で取り上げている「経営者目線を持って仕事をしろ」はそれ単体で見れば「マジックワード」と評してよい抽象的な言葉なので、その意味を判断するにあたっては、言葉がどういう場面で言われたか・その言葉を発することによって何を求められたのかなどの「文脈」を判断することは必須事項だろう。むしろ、これ以上に考慮しなければいけない事項など想像がつかない。もっとも仮に「velvetten」さんが、「"文脈を考慮すること"は~な理由でそんなに重要じゃない」だとか「"文脈を考慮すること"以上に~な要素を考慮するのが妥当で、日野さんはそれをやってるから彼の主張は妥当だ」などと批判していたのならば僕も考えを改めるけれど、実際にはそんな批判はなされておらず単に「文脈を考慮することだけが重要とは思わない」とケチをつけているだけ。だからこそこれは「ただのいちゃもん」と片づけて良いものと僕は判断している。


「文脈」を考慮することで、仮に「経営者目線を持って仕事をしろ」といった抽象的な言葉の意味を確定することが出来なかったとしても、少なくともトンチンカンな解釈をするのを避けることは可能になるだろう。例えば、東洋経済オンラインの「社長のスピーチは、思考停止ワードだらけ?」という記事に書かれている、社長が(「経営者目線を持って仕事をしろ」と同じ意味と言えるであろう)「経営マインドを持つ」という言葉を発する場面。

グローバル化の中、会社の力が真に試される時代となりました。ここ数年、わが社の業績が思うように伸びなかったのは、まことに遺憾です。わが社は、今年度が正念場。この未曾有の危機に、“組織一丸となって”立ち向かわねばなりません!そのためには、会社組織が一体とならねばいけません!今年はトップも不退転の決意で臨むつもりであります。それを受けて、従業員の皆さんも一人ひとりが経営マインドを持って、頑張ってほしいと思います!上司も部下も心をひとつにしてほしいのです!トップが決めたことを、素早く間違いなく実行できるようにしていただきたい。グローバル化では、何よりもスピードが大切です。今までのように、会議に時間を使っていてはいけない。状況に素早く対応して、必要な態勢を組んでいかなくてはいけません!上の命令を部下が間違いなく理解して、一糸乱れずに行動する。そういう正確さが必要なのです!

正直、個人的には文脈を考慮しても「経営マインドを持つ」の意味を確定するのは困難だった。しかしそれでも「今までのように、会議に時間を使っていてはいけない。状況に素早く対応して、必要な態勢を組んでいかなくてはいけません!」という発言を踏まえると、要は「だらだらやるのではなくて、会社全体の利益を考えて動いて」という意味であるような気はするし、少なくとも日野さんが言っていたような「サービス残業をしろ」・「有給をとるな」という意味だと捉えることは無理筋だということは分かるかと思う。この社長の発言に対して「もっと分かりやすい表現をしろよ」と批判するのはアリだと思うけれど、一方でいくら社長の発言に不明瞭な点があるからといって、聞き手がトンチンカンな解釈をしてよいのかというとそれはダメだろう。


「文脈を考慮したけど、よく分からなかった」なら話は分かるけれど、そもそも「文脈を考慮しない」という姿勢は論外だと思うので、この「velvetten」さんはよくそんな姿勢を見せている日野さんを擁護できるなと思う。トンチンカンな解釈をする方もする方だけれど、それに理解を示す方も示す方で、他ならぬ「velvetten」さんの言葉を借りれば「一定の知性がない(https://twitter.com/velvettened/status/463939865734688768)」と感じる。別にブラック企業が批判されることは「当然」だと思うけれど、「一定の知性がない人」がトンチンカンな批判をしたり、それを支持したりするという動きに関しては企業側を擁護せずにはいられない。

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