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就活生の質の低さを嘆く前に、教育を見直せ

新卒一括採用のことについて、このブログでもいくつか記事を書いてきた。まだ僕自身の見解(賛否)を示せていないけれど、新卒一括採用の賛否を考える際に「教育」という観点を無視してはいけないというのが僕の考えだ。


「教育」の問題について考える前に、まず新卒一括採用を支持する論理の一部について考えてみたい。支持の理由の一つとして、「新卒一括採用という形式だからこそ、何の能力も経験もない人間が企業に入社できる」というものがあると僕は認識している。


また、元商社マンと就職活動について考えるブログに、現在の新卒一括採用を悪くないと考える理由について書かれた記事がある(「僕が現状の新卒採用を悪くないなと思う三つの理由」http://ameblo.jp/khsyukatu/entry-11052982766.html)。その中の一つとして、「新卒一括採用という制度があるからこそ、大学三年生のこの時期からほとんどの学生が将来について真剣に悩み始めます。(中略)もし新卒一括採用という仕組みがなかったとしたら、このしんどさから考えるのを逃げて取りあえず、ぶらぶらしてから就職しようとする人が増えるであろうことが容易に想像されます。(中略)強制的とはいえ、全員が将来について悩みながら考える機会があるというのは非常によいことだと思います」という考えが書かれている。


以上2つの意見に賛成する人も多いと思う。しかし、僕はこれらの意見にあまり賛成できない。そもそも上の2つの意見は、「大学3年生時点で、仕事に役立つ能力をなんら身につけていない」、「大学3年生時点で、将来設計についてほとんど考えていない」人が多いという前提に拠った意見だと思う。しかし僕は、そもそもそのような前提がまかり通る社会こそがおかしいのではないかと考える。


ここで、大学に限らず、小中高という教育機関のあり方について疑問が浮かぶ。


ユニクロが「大学1年から採用も」 これも新卒一括採用の見直し?という記事に、教育機関のあり方を考え直さなければならないのではないかという内容のコメントを頂いた。また、今月の23日に京都で行われる「カルト就活やめなはれデモ」でも教育機関のあり方について問題提起をしており、「小学校から高校までの教育において、具体的な将来設計を考えさせる機会がほとんどありません。家庭環境などによる個人差は大きいと思われますが、具体的に労働について考えたり、将来を想像する機会に恵まれていません」という考えを公式ブログで示している(http://syukatudemo1123kyoto.blog.fc2.com/blog-entry-10.html)。僕もこれらの意見に賛成したい。


今となっては机上の空論としか思えないかもしれないけれど、建前として義務教育は中学終了時までなのだから、義務教育を終えた時点で、社会の中で仕事を遂行するための基礎くらいは身についていないとおかしいはずだ。しかし現実には、中学卒業時の15歳どころか、大学3年生時の20~22歳の人が自分の能力・適性、世の中には様々な会社があるということすらよく分かっていない者ばかりとなっている(僕も人のことは言えません・・・)。これはどう考えてもおかしい。


本来だったら、エントリーシート対策や面接対策みたいなものがあることすらおかしい。「自分がどのような人間なのか」ということを言語化して、それを相手に理解しやすいように伝える技術は、本来学校教育の中で身についているべきなのではないか。誤解しないで欲しいが、学校がエントリーシート対策をするべきだという話ではなくて、人に伝わるような文章の書き方を普段の教育の中で身につけているべきだという話です。


だから、就活コンサルタント・就職予備校は以上のような観点からも存在してはいけない人たちだと思っている。彼らが活躍すればするほど、教育機関は何をやっているのかという話になる。


教育基本法第5条2項は、「義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする」と規定する。加えて、学校教育法の第21条の10には、「職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと」が義務教育の目的であると書かれている。これらを踏まえれば、21歳位にもなって就職活動を通じてはじめて「世の中には、こんなに色々な企業があったんですね!」ということに気づくことは本来おかしいということが分かる。就活生は「20~22歳にもなって、なんでこんな下らないことで悩んでいるんだろう」という疑問を持ったり、恥を知ったりするべきだ(繰り返しますが、僕も人のことは言えません!笑)。


「就職活動で成長した」と誇りに思っている人がいたりするけれど、失礼を承知で言えばなんてことは無い。「とんでもないバカ」から、「ただのバカ」になっただけなんだ。「1日も早く立派な社会人になりたい」?いい加減にしてくれ。そもそも、「学生」と「社会人」の間に大きな断絶がある現状からしておかしいのだ。彼らには就活の素晴らしさを語るよりも、既存の教育機関の歪みを指摘することに力を注いで欲しいですね。


具体的に教育機関はどのように変わっていけばよいのかということについては、今日の記事ではあまり触れない。いくら時間があっても足りなくなるので(笑)一つ例を挙げるとすれば、キャリアにつながる学問(例えば、会計の知識など?)を学ぶ機会を充実させることなどが考えられる。これは、就活の失敗が引き金となる自殺・うつ病対策にもなる。


なぜ就職活動に失敗する人が精神的に苦しむかというと、内定をもらえないという事実もそうなのだが、自分にはなんら社会に貢献できる余地がないという絶望感が大きいのではないか。この点、例えば英語を身につけておけば、日本の会社から内定をもらえなくても、派遣などで数年間働いた上で海外に行く。その上で海外生活を通じて身につけたスキルをもって再挑戦、現地でそのまま働く・・・というキャリアプランを新たに構築できる可能性がある。回りくどく書いてきたけれど、要はキャリアにつながる学問をマスターすることを通じて、「各人の将来の選択肢が増える」ということを果たせる。そうすれば、人間性重視の日本の民間企業から内定をもらえなくても、別の道で生きていける余地・希望が生まれる・・・かもしれない(勿論、各人の努力・運は依然として必要になる)。


就職活動というと「雇用」の問題と単純にとらえられがちだが、僕の考えでは、様々な機関・個人の歪み、もっと汚い言葉で言えば「膿」みたいなものが「就職活動」という活動に集約されている。「教育」もその一つ。一見就活には関係ないと見えるトピックでも、実は大いに関係していることがある。そのような側面も、今後の記事で触れていきたい。もし、これら複雑な事情から目をそむけて、短絡的に就活生の質の低さを嘆く社会人がいるなら、その方々に一言。「あなたたちこそ、ゆとりですね!」


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中等教育の段階で、就労や将来設計について、もっと考える時間があってもいい、という点に強く同意します。それがないまま、いきなり大学3年で「キャリアプラン」とやらを立てろと言われても、途方に暮れる人が大半でしょう。
そして、そのまま就活に臨み、自分への矮小感、無力感に苛まれる就活生を何人も見ました。ひどい場合は面接で就活生を面罵する採用担当者もいると聞きます。個人的には、大学生は、社会に対して貢献はしていないかもしれないが、迷惑もかけていないと思います。対して、就活生が憧れるような企業にいる人々の全員が、恐らくは高額であろう報酬に見合う働きをしているでしょうか?そうでない人々が少なからずいるから、オリンパスや大王製紙のようなことが起こるのではないでしょうか?私は、高い報酬を受け取りながらそれに見合う働きをしない者は、犯罪者の次に社会にとって有害だと思います。

話題は変わりますが、この国の構造的な問題として、公権力や法人など、「権力」に対する監視の目が甘すぎることが挙げられるのではないでしょうか。就活問題も、企業という権力機構に対する人々の目が甘いから、このブログで指摘されているような横暴な採用活動がまかり通るのでは?権力への監視の目は、厳しければ厳しいほど良いと、私は思います。

まとまらないコメントで失礼しました。

No title

>キャリアにつながる学問をマスターすることを通じて、各人の将来の選択肢が増える

そうですねー。こういう風になってくると、ただ漠然と大企業を受けるという風潮も変わるかもしれませんね。社会全体の雇用(椅子)の数は変わらなくっても、各人が固有の適性や価値観に基づいて求職するわけですから、一点集中型の椅子取りゲームは緩和されるかもしれません。また、たとえ不採用になっても、目的意識があってのことですから、なぜ落ちたのかも分かりやすいだろうし、方向修正もしやすいかもしれませんね。

なんか希望が持てる記事でした。

Re: タイトルなし

> John Smithさん

コメント有難うございます。本当に、こんなブログにコメントをたくさんくださり、嬉しいです。僕の返信の中身の質が失礼にあたらないか心配ですが・・・。

後半について。「企業という権力機構に対する人々の目が甘い」という点は、その通りだと思います。しかし、少なくとも企業に対する監視の目は最近強くなってきているのではないでしょうか。そうです、東京や京都で行われる就活デモです。デモ関係者の方々がどのように考えているかは分かりませんが、特に京都のデモの方は賛同者も多く、委員長の方も就活問題について深い関心を持っているので(僕もtwitterでお世話になっています)、デモを通じて権力チェック機能を発揮できるかもしれません。

微力ながら、各人がブログを書くことも効果的かもしれません。僕のブログはまだあまり有名ではありませんが、みなさんのおかげで少しずつこのブログに足を運んでくださる(表現、適切ですかね?笑)方も増えているので、皆さんの問題意識を深められるような記事を書きたいと思っています、それがひいては、企業に対する監視の厳格化につながるかもしれません。

最後に、オリンパスや大王製紙の件については、あの人たちが「社会人」を語ってたんだーと思うとムカついてくるので、ここでは触れません(笑)

Re: No title

>sinitiainen さん

こんばんは、先日は勉強になるコメントを有難うございました。

そうなんです、twitterではどうも記事の内容を誤解されているのではという感想を頂いたのですが(僕の文章の書き方がいけなかったのですが・・・)、大事なのは「キャリアにつながる学問をマスターすること」自体ではなくて、「各人の将来の選択肢の増加」なのです。社会全体の雇用の数の増加も勿論大事ですが、現実的に考えてこの問題の解決が困難すぎる以上、仮に新卒採用という道を外れても自分のキャリアを考え続けられるような仕組み・教育があることが望ましいと思います。

キャリアにつながる「学問」でなくても、手に職をつけるという方向も考えられます。勉強嫌いの人にとっては、下手に大学に行くよりも、そのような道に行くほうが幸せかも分かりません。

「希望が持てる記事」との評価、有難うございます。また、記事を読んでいただければ幸いです。

No title

とても共感できる記事でした。 将来の事について初めて真剣に考えるのが大学三年生ってやっぱり異常ですよね。逆に、そうじゃない学生は大学をうまく使って比較的納得できる就職をしているのでしょう。
しかし不思議ですね。大学だって全然安くないのにフル活用しようっていう気にはならないんでしょうかね。 フル活用して成長しようと思ったら就職活動を半強制的にさせられる現状をよしとするわけないと思うのですが。

Re: No title

> ささくれさん

今晩は、コメント有難うございます。

記事の内容に共感してくださり、嬉しいです!「将来の事について初めて真剣に考えるのが大学三年生」と書くと、「いや、俺はもっと早い時期から考えてたぞ!」という人が現れそうですが・・・。まぁ、そのような例外はともかく、もっと若い段階で将来のことについて考える機会が充実しているに越したことないと思うので、記事に書いたような流れに行けばよいのではないかと個人的には思っています。

「大学だって全然安くないのにフル活用しようっていう気にはならないんでしょうかね」という考えは、僕自身にも無かったです(笑)振り返ってみると、「大学3年の秋くらいから就活をするのは当然」という固定観念に縛られていたのかもしれないと感じていますけどね。ただただ、思考停止人間でしたね・・・。

もし宜しければ、またコメントをくだされば嬉しいです!それでは、失礼します。

No title

専攻選択失敗して、抗ったけどダメだったダメ大学生が通りますよ~ 

>>大学だって全然安くないのにフル活用しようっていう気にはならないんでしょうかね。
by ささくれ

フル活用フル活用って簡単に言うけど、できない&できなかった人もいるんだぜ?
フル活用するためには情報網の整備が大事だと思うけど、大学間格差、個人格差が結構大きい。
というかフル活用できてる人ってハイパー大学生("就活エリートの迷走"から抜粋)くらい、つまり上位2割くらいの人だけじゃね、と思ったりする。

んで記事&コメントを読んだ感想。
やっぱし根本的な問題は"多様性を認めない・横並び主義・みんな同じ"ってという意識が浸透している、次世代に渡ってってところじゃないかなーと。それと以心伝心文化-さっしろとか空気読めとか。それが今の日本に現れているのではと思うよ~

他にも言いたいことあるけど、まとまらん&長くなるから省略。


Re: No title

> ほらいぞん さん

コメント有難うございます。

個人格差の件は私の想像力が足りないからか少しイメージがわきませんが、大学間格差の問題は確かにあるのだろうと思います。想像になってしまいますが、首都圏の大学と地方の大学だと入ってくる情報も違うのでは・・・。余談ですが、今日「就活エリートの迷走」を買ったので、「ハイパー大学生」に関する記述について目を通してみます!

また、根本的な問題に関する意見については、ほらいぞんさんと同意見です。仮に教育が変わったとしても、日本人の意識が変わらない限り、それは何の意味も無いでしょうね。就活に関する現状の全てが悪いとは思いませんが、「変化の時代」といいつつも、各々の意識の変化の兆しすら見えないのは如何なものか・・・と生意気にも思います(笑)
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